システムの稼働率評価

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 私のところでは,システム管理の評価項目のひとつに,システムの稼働率を使っています.システムの稼働率は,ひとつの数値で表されるため,システム管理を行うのに分かりやすい重要な値ですが,数値を出すためにはさまざまな工夫が必要です.ここでは,私が行った稼働率の出し方のついて少し紹介します.

 まず,管理対象のシステムを特定します.これはシステムといっても人によってイメージがばらばらのためです.サーバ管理者ならサーバのハードのこと,アプリケーションのエンジニアならアプリケーション,ネットワーク担当ならネットワークをイメージすると思います.しかし,ユーザから見ると,これら一連の物の組み合わせでシステムが成り立っていることになります.サーバAの稼働率はいくつかと言った場合,サーバが単に立ち上がっているだけではなく,アプリケーションも含めて正しく動作していなければ,意味がありません.そこで,管理対象にはどのシステムがあって,その範囲はどこまでと決めておくことにしました.

 また,管理対象の範囲は,それのレポートを受ける人によってグループ分けを行う必要がありました.これは,係長であれば,個々のシステムを見ている担当者からレポートを受ける必要があるので,個々のシステムの稼働率が見たいということになります.しかし,課長だと,各係長の担当しているシステムの稼働率が見たいということになり,この場合には,各システムの稼働率ではなく,各システムのグループの稼働率の数値が必要になりました.これはたとえば,イントラネット全体の稼働率であるとか,工場のシステム全体の稼働率であるとか,技術者用のシステム全体の稼働率であるとか,ということになります.さらには,部長にレポートするためには,課長の担当する範囲の稼働率,たとえば,東京エリアのシステムの稼働率,大阪エリアのシステムの稼働率など,さらにデータを集める必要がありました.

 では,実際にどうしたかを以下に説明します.まず,私の場合には,システムの中でも,重要なシステムのみを対象にしました.

重要なシステムとは,もしダウンしてしまったら,会社の売上低下や,製品の販売や注文の遅れなど,顧客の要求にこたえられない状況を発生させるシステムです.システムとは,アプリケーション,サーバ,データベース,OS,ネットワークを指します.

 次にシステムの稼働率評価のための計算式を定義しました.稼働率に似た言葉で”アップタイム”というものを定義して,予定したメンテナンス以外でシステムが停止してしまった場合のみを障害の時間として計算するようにしました.

アップタイム=
((期間)−合計(期間中の予期しない停止時間))/(期間)

期間=1年,半年,四半期,月,週などレポート対象になる期間

予期しない停止時間=(予期しない停止)*(システム停止の割合)

システム停止の割合=0〜100%,システム停止時にユーザが利用できなかった機能の割合

 最後のシステム停止の割合が工夫した点です.障害の仕方によっては,一部が機能停止になったり,全体が停止になったりとさまざまです.それらと一概に取り扱うのではなく,ユーザが使えなかった機能の割合を最後に掛けておくようにしました.このアップタイムは,0〜100%の値になります.

 さらに,システムのグループの稼働率は以下のようにしました.

システムグループの稼働率=
(アップタイム1*重要性1+アップタイム2*重要性2+...+アップタイムN*重要性N)/(重要性1+重要性2+...+重要性N)

アップタイム1...アップタイムN:対象のシステムのアップタイム

重要性1...重要性N:対象のシステムの重みづけ

ここでの工夫はシステムそれぞれに対して重み付けを行ったことです.これは,単にシステムAとシステムBとでは,会社にとっての重要さは違います.これに対して重み付けを行ったと言うことです.10点満点でどの程度になるのか,としてもよいでしょう.私の場合には,3点満点で重み付けをしました.

重要性の値 会社への影響
業務の効率が落ちる.特定の作業が停滞する.
間接的に売上に影響が出る.業務が停滞する.
直接売上に影響が出る.即業務が停止する.

さらに,システムのもっと大きなグループ組みもできると思います.その場合にも,同様な計算式を使い,重み付けをシステムの重要性から,たとえば,支店ごとの重要性とか,支店グループの重要性だとかを値として使っていけば良いと思います.

 ずらずらと書きましたが,システムの停止の割合だとか,重要性だとかは数値ではうまく表現できないものだと思います.これは,あくまでも,ひとつの評価の方法として参考にしていただければよいと思います.

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Last Update:03/05/30 , Wasabi