二重化と自動切り替えによって本当に稼働率は上がるのか
一言でいえば、設計次第。しかも自動切り替え機の性能次第ということになります。
普通に考えると、”同一の稼働率の物が二台並列稼働していて、一台が故障した時にはもう一台に自動で瞬時に切り替わるので、ほとんど100%の稼働率が出せる”と思われがちです。
しかし、実は、この自動切り替えの仕組み作りとチューニングが難しいのです。
そのため一重であれば起こり得なかった次のようなことが起こる可能性があります。
1.切り替わらなくても良い状況で切り替わりが発生する。
誤動作、もしくは、切り替わりのためのしきい値の設定不良によって起きます。切り戻りも自動で行うようにしていると、誤動作で切り替わりが短時間に何回も連続して発生することも考えられ、その場合、システムが稼働しているとは言えない状況になります。切り替わり時は短時間でもシステムが非稼働になりますので、稼働率が下がります。
2.切り替わって欲しい場面で切り替わらない。
これも誤作動、または、設定ミスなどで起こります。一系統が異常を起こしているのに、別の系統に切り替わらない状況です。異常の状態によっては、あえて切り替わって欲しくない場合もあると思いますが、切り替わって欲しい時に切り替わらないのであれば、切り替え機の意味があまりありません。この場合、手動で切り替えを行うまで、システム的には非稼働の状態と言え、稼働率が下がります。
3.切り替わり後に、自動設定に戻すために、一時的なシステム停止が必要。
ちょっとお粗末な自動切り替え機にはこのような物があります。最初の切り替わりは希望通りに自動で行われるのですが、それでおしまいといった物です。故障した機器を正常品に入れ替えて、その後、自動切り替えの設定にするために、一時的にでもシステム停止が必要となります。この場合、システム停止の分、稼働率が下がることになります。
4.切り替わり機の故障やメンテナンスのためのシステム停止
これは、さらにお粗末な自動切り替え機です。稼働率を上げようと、導入した自動切り替え機そのものが不具合を起こしシステム停止を起こしてしまうケースです。同様に、やたらメンテナンス時間が必要な切り替え機がもしあれば(今まで私はそのようなケースには遭遇していませんが)それも同様でしょう。切り替わり機が故障している間、稼働率が下がることになります。
このように、自動切り替え機導入によって、起こり得る問題があります。設備投資をするわけですから、自動切り替えを導入せず手動で切り替える場合よりも、稼働率が上がらなければ意味がありません。
そのために、このことは、運用に沿った考え方で検討する必要があります。
特に、1,2,は検知のポイントとチューニングが難しいです。機器異常のアラームは誤作動も多いですので、そのような信号を切り替えのトリガーにしていると、システム管理者は、切り替え機を常に見張っていなければならないような運用になってしまいます。
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