TAIRA TAKESHI ATELIER
写真家・平剛のサイト


ドローンの建築写真でやってはいけないこと、やらないといけないこと


建築写真家として3年ほどドローンを使っていて思うのは、いろんな規制にはどういうものがあるのか、そしてどういうトラブルが起きているのかですね。そういうものがわかるところが意外と無いと思います。ということで、長いこといろいろなサイトを見ていて集めた情報をまとめてみました。

建築物には普通のところには無い電波環境があります。ドローンを使う人たちもあまり知らないことがあるので、建築家や現場の人が把握してドローン操縦者に指示しないといけないかもしれません。そんなドローン建築写真あるあるです。


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==建築の写真をドローンで撮影するときに必要な知識==

ドローンを飛ばすときに基本的に知らないといけないのは航空法のルールです。
  1.空港等の周辺の上空の空域
  2.人口集中地区(DID地区)の上空
  3.150m以上の高さの空域

    で飛ばすには申請が必要です。

 >空港に近いときはちょっと調べないといけません。
   空港周辺は水平表面や侵入表面、外側水平表面など複雑な制限があります。
   https://matome.naver.jp/odai/2146746516338117801

   ただ羽田空港の場合には高さ制限回答システムがあるのですぐに調べられます。
   https://secure.kix-ap.ne.jp/haneda-airport/

 >DID地区や空港周辺の規制地域は携帯のアプリなどで見ることができます
  ドローンフライトナビなど

 >それに加えて以下のことが禁止されています。
   [1] 日中(日出から日没まで)に飛行させること
   [2] 目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して
       飛行させること
   [3] 人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上
       の距離を保って飛行させること
   [4] 祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと
   [5] 爆発物など危険物を輸送しないこと
   [6] 無人航空機から物を投下しないこと

 >3の半径30mに人も建物も電柱もないところというのはなかなか難しいですね。
  電柱もダメです。
 >4の多数の人が集まるというのは10人くらいが集まるところはダメということです。
 >6はお菓子の投下もダメです。

    上記のようなところで飛ばす場合も申請が必要です。

     国土交通省の無人航空機の飛行ルールや申請に関してはここに
     http://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html


   ※ただ、申請するには実際の飛行時間で10時間以上の飛行経験がないといけません。
    実際、人口集中地区で飛ばすには20時間くらい飛ばさないと怖いですね。

--絶対に守ること--
   そして、禁止はされてはいないけど守らないといけないのが、規制の無い地区でも人の
   真上は飛ばさないということです。
   最近のドローンは落ちない機種が多いですが、実際のヘリでも落ちますからね。
   1000回に1回くらいは落ちるかもしれません。

--規制を気にせず飛ばすには--
  1.重さが200g未満の機体は規制に含まれません。

  2.屋内、またはネット等で完全に囲われたところは規制がかかりません。

--よくある勘違い--
  1.包括申請などで機体が登録されているとき、期待が登録されているから他の
    人が飛ばしても大丈夫?・・・ダメです。
    機体と申請者はセットです。
    会社で登録する時に何人か一緒に登録していればいいのですが。

  2.では包括申請して許可のある人が他の人の機体で飛ばして良いか?
    ・・ダメです
    同じ機体であれば事前にメールで使う機体の機体番号を送ればOKです。
    ただ、持ってなくても使う可能性のある機体をすべて書いて、申請の時に
    機体番号ではなく、整理番号というのを書いて、借りた機体や新たに購入した
    ときは整理番号を機体番号の上に貼って飛ばすというのが可能です。

  3.海外で買った機体を規制地域外で飛ばすのは?
    海外とは電波た違っていて電波法違反になります。
    日本で飛ばせるのは機体に技適マークというのが入っているものです。
    外国人が飛ばしていたらまず電波法違反だと思います。
    罰金100万以下です。
    最近それで捕まる外国人がでてきたようです。

許可が必要な飛行を許可なしで飛ばしていて通報されると、警察が来た時に無許可
の飛行で捕まります。
航空法違反だと50万以下の罰金だと思います。
実際よく聞く人口集中地区で無許可で飛ばした航空法違反の人は罰金20万と
前科がついたようですね。
禁固になると建築士法では資格剥奪でしたね。
無許可の上に人に危害でも加えたら刑法の過失傷害でどうなるわかりません。
法律は守りましょう。

 

 


==安全に飛ばすための情報==

3年間ドローンでの建築写真を撮っている間に得た、いろいろな安全に関する情報です。
最初の頃はこういう情報がどこにもなくいろんなトラブルがありましたので、特に建築系の人のためにまとめてみました。(DJIの機体の場合です)

  1.墜落原因の上位
    a.急降下によるもの
    b.リターン・トゥ・ホーム(RTH)時の問題
    c.プロペラが外れる
  2.離着陸時の問題
  3.水上の飛行時の問題
  4.猛暑日のスマホの熱暴走問題
  5.撮影時にすること
  6.包括申請で許可承認を取っていても飛ばしてはいけない環境
  7.公園や国立公園、国定公園
  6.河川・海
  9.練習に適したところ

<墜落原因の上位>
まず大事なのは、墜落する原因には何があるのかですね。
DJIが世界の墜落原因を調べた結果、多いものはこんなものが
 1,最も多いのは急降下によるもの。
   急降下させるとプロペラが4つあるので、他のプロペラの乱気流で失速して
   しまうことがあります。
   また着陸後にエンジンを止めるための機能に左スティックを一番下まで3秒間
   下げるというのがあり、バッテリーがなくなりそうになり慌てて急降下させて、
   左スティックを下まで3秒下げてしまい空中でエンジンが止まるというものですね。

  >対策としては
   急降下はさせない。
   急降下させるときも、一番下までスティックを下げない(DJIモード2の時)

 2.次に多いのが、リターン・トゥ・ホーム(RTH)時の問題。
  a.よくメディアに出る建物にぶつかる話ですが、強制帰還になって戻るときに
    帰還時の飛行高度が低くて、建物にぶつかってしまうものですね。
    初期設定では30mと低くなっています。    

  b.RTHでよくある事故は、帰還時にRTHを信用しすぎて事故になることです。
    ホームポイントがちゃんと設定されてなくて、前回設定したところに向かって
    しまうとか、戻って来たけどホームポイントの位置があまり正確ではなく、
    数十メートル離れたところに着陸し、そこにあった樹木などに激突というのが
    いちばん多いようです。

  c.またどういうときにRTH(強制帰還)になるかですが、送信機と機体との間
    に障害物が入ってしまったときですね。
    危ないのは建物ばかりではありません。
    飛行中に人に呼ばれて後ろを向いたら、自分が障害物となってしまって強制帰還
    になってしまったなんていう笑い話のような本当の話もあります。
    透けている橋梁などの鉄骨構造物は電波が抜けると思いがちですが、
    実はいちばん危ないです。

  d.また、知られてないことで、大きな金属の近くは電波が乱れることがあります。

  e.そして重機や大きな機械が稼働しているとノイズで電波状態が悪くなることが
    あります。
    稼働しそうな重機や大きな機械があるときは危険です。

    ※気をつけなければいけないのは機体の方の電波状態だけではありません。
     建設物の周りは金属や機械が多いです。建設現場には鉄骨や重機も多いです。
     そういうところの近くで操縦するのは危険です。
  

   >対策としては
   a.帰還時の飛行高度は100mくらいにしておきましょう。
   b.RTHを過信しないで、手動で戻す。
   c.送信機との間に障害物が入らないようにする。自分自身や建物、特に
     鉄骨構造物など
   d.鉄骨や建設現場の重機の近くには操縦者は立たないようにしましょう。
   e.稼働している、あるいは稼働しそうな重機や建物の機械室付近では操縦しな
     いことです。


    ※藤沢の建設現場で人身事故がありましたが、上空の電波を調べても問題は
     ありませんでした。原因不明となってますが、操縦者の話にはっきり答えが
     ありましたね。クレーンのそばで操縦していて、そのクレーンが動き出した
     ら電波が途切れて繋がらなくなり強制帰還になってしまったと。私も大きな
     建築の機械室の前では電波状態が悪くなったことがあります。外灯のそばで
     もそういうことがありますね。などなど建築物のそばでは気をつけましょう。

 3.希にあるプロペラが飛行中に外れたり、折れたりする場合

  >対策としては
   プロペラはちゃんと締める。
   何かにぶつかったときなどは交換しておく。
   というくらいしかないですね。

<離着陸時の問題>
小さな事故は離着陸時に起こります。
 1.離陸時
  送信機の状態が正常ではなく、スティックが変な方を向いていたり、モードがGPSに
  なっていなかったりすると、上昇を始めた途端、おかしな方向に行ってしまいます。

  >スティックの状態やGPSモードなど送信機の状態を確かめておくことですね。
   また離陸させたらすぐに障害物のない高さまで上げてしまうことです。
   周辺の樹木や電線などより高く上げてしまいましょう。

 2.帰還時
  RTHは使わずに主導で戻しましょう。
  また着陸時は着陸場所が平じゃないことも多いです。
  不安定なところに降りるとプロペラが回っている状態で転がってしまうと、
  暴れてトラブルになります。

  >ハンドキャッチするのが間違いないですね。
   ハンドキャッチする場合、後ろ足を持つと暴れて怪我をするというのが
   機体によってはあるので、キャッチする時は前足または胴体をを持つ

<水上の飛行>
  水上を比較的低い高さで飛ぶと、下方向のビジョンセンサーが水面の位置を
  うまく認識できずに水没してしまうことがよくあります。

  >水上ではあまり低く飛ばさにほうが良い。

  
<猛暑日のスマホの熱暴走問題>
  猛暑日にドローンを飛ばすと、スマホの方の温度が非常に上がり、
  画面が暗くなるブラックアウトが起こり、ソフトがダウンすることもあります。

  >保冷剤を冷やさず常温でスマホの後ろにゴムなどで固定しておくと
   保冷材が熱を吸収してスマホの温度はそれほど上がりません。
   保冷剤の後ろに冷却した小さな保冷剤を置くというのも良いかもしれません。

  --絶対やってはいけないこと--
   ※冷却した保冷剤を直接スマホに当てると内部結露でスマホが修理不能に
    なるので絶対にやめましょう。

などなど注意しないといけないことがたくさんあります。
多くの人がスマホの熱暴走対策をいろいろやっていますが、この常温保冷剤を使う方法は平アトリエオリジナルで、ドローン仲間にも教えています。もっとも安価で、最も効果的だと思います。

平剛風アトリエでは、長い経験で得た知識と経験で安全にドローンの撮影をしています。一眼レフのCanon TS-E17mm超広角シフトレンズによる撮影とドローンによる静止画のみでなく、それに一眼レフのシフトレンズを使った超広角動画と、ドローンの動画を編集したBGM入りの簡単な動画も作成しております。

 

 

<包括申請で許可承認を取っていても飛ばしてはいけない環境>
  1.風が強い場合や雨が降りそうな場合。
  2.高圧線などが近く電波状態が悪いとき。
  3.人や車の通行の多い通りや鉄道付近。
  4.特別なマニュアルで許可を取ってない場合は学校や病院の付近は飛ばせない。
  5.夜間は飛行高度と同じ半径に人がいない状態を作らないといけません。
  6.夜間はかなり風のないときしか飛ばさない。
  7.撮影時には補助者が1人か2人必要になります。
  8.包括申請で許可されない飛行禁止地区、イベントや人の集まるところ、鉄道や
    高速道路など交通量の多い通りの上空などは個別に申請が必要です。

<公園や国立公園、国定公園>
 1.公園は場所によってまちまちです。
   東京都の都市公園は飛行禁止です。ただ小さい公園はどうかというと微妙ですね。   
   管理事務所に確認しないといけませんが、だいたいは遠慮していただいている
   と言いますね。

 2.国立公園・国定公園は今の所、人が行くような平坦なところは構わないが、
   森林は森林の管理事務所の入林許可が必要ということです。
   森林の管轄はいろいろわかれているのでまたがるときは両方の許可が必要です。

<河川・海>
 1.河川は河川事務所によって扱いが違います。
   確認すると遠慮していただいているという返答が多いと思います。
   ただ、河川敷にラジコンクラブの滑走路があるようなところは緩いでしょう。

 2.海辺はDID地区でなければ規制のないところです。
   ただ港湾になると海上保安庁の許可が必要になるところもあるようです。
   東京湾などは必要なようです。

<練習に適したところ>
   上記のようなことを考えると気楽に練習できるところは非常に限られます。
   海岸か河川敷で人のいないところが一番でしょう。
   または、会社のビルの屋上にネットで囲まれたところがあったり、
   体育館やゴルフ練習場、屋内テニスコートなど囲われたところなら申請なしで
   飛ばすことができます。
   交渉してみるといいかもしれません。

  >海辺や河川敷で多少人がいるところの近くでは、40mくらい上げてしまう
   のが良いかと思います。
   それでも真下に人が来ないようにしましょう。

 

==撮影の前に==

さて次に撮影前のやることや飛ばしてはいけない当日の環境です
<撮影時にすること>
1.事前に所轄の警察署に事前連絡をしておく
  事前に連絡する義務はありませんが、通報されると警官が来ることになります
  ので、事前に連絡を入れておいた方が良いですね。

2.国交省許可済みと書かれたベストなど着用する
  背中に大きく『ドローン撮影中 国交許可承認済み』などと書いたものを着ておくと
  通報されなくなります。

3.他人の敷地の上は基本的に所有者の許可が必要です。
  飛行させるのは敷地内と、道路の上か許可を取って飛ばすようにします。

4.基本的にはプロペラガードをつける
  ただし風が強めの時は上空で流されてしまうので、着けるとむしろ危険です。
  着用せずに飛ばす時は十分気をつけて危険を感じたらすぐに着陸させる

==さて飛ばしてみましょう==

1.送信機、ソフト立ち上げ、機体の電源を入れる

2.送信機のスティックやモードの状態がおかしくないか、機体に異常は無いかなど
  しっかり確認する。

3.機体のウォーミングアップが終わったら、コンパスキャリブレーションをする。
  これをちゃんとやらないとホームオイントがおかしなことになっていて、RTHで
  年なところに向かってしまいます。

4.モードがGPSに状態で緑の表示になっていることを確認。黄色や赤の場合は
  飛ばさ無い

5.エンジン起動、または自動離陸。

6.離陸したらすぐに障害物の無い高さまで上げてしまいましょう。

7,安定していたら撮影開始です。

8.操縦に慣れるために日々八の字飛行を逆向きで行うなど訓練しておきましょう。

9.操作を誤って変な方に行か無いようにするには、一度ウェイポイントでルートを
  登録しておいてから飛ばして撮影してゆくほうが安心です。

10.リターン・トゥ・ホーム(RTH)は使わずに、手動で帰還させる。
  マップの方で見た方がわかりやすいです。機体の向きとホームポイントが
  わかりますからね。

11.着陸時の足場の悪さもあるのでハンドキャッチするほうが安全です。
  着陸時の足場が悪いとプロペラが回っているうちに地面にぶつかり暴れます。

12.それぞれの電源を切って終了

 

平剛風アトリエでは、一眼レフのCanon TS-E17mm超広角シフトレンズによる静止画と動画の撮影とドローンによる静止画や動画を撮影していますが、一眼レフのシフトレンズを使った超広角動画はビデオカメラでは撮れない映像です。垂直線が真っすぐなままシーンが流れます。そんな一眼レフによる広角動画とドローンの動画を編集して、建物内部から飛び立って上空から風景を眺めるような映像にBGMを入れた簡単な動画も作成しております。

 

==エピローグ==

ドローンを飛ばすようになると、日々練習しないといけません。
車をしばらく運転しないでいると危ないというのと同じです。
特にこちらを向いた状態で移動する時にスティックをどっちに動かせばばいいか
などが飛ばしてないとわからなくなります。
感覚的に覚えてないと危ないです。
しかし東京にいると飛ばせる場所がなく不便でなりませんね。

東京の事務所もかつてはフィルムの保管場所とアルバム作りの作業のために
ありましたが、今やデジタル時代でアルバムもフォトブックとなり、
作業はパソコン1つで済んでしまうようになりました。
そうなるとなかなか東京まで行かずに自宅で仕事を済ませることとなり
20年いた田園調布の事務所も倉庫と化してしまいましたので、引き払って
フィルムは広いトランクルームに移しました。

ドローンを飛ばす人は郊外にいないといけないですね。
横浜南部や逗子、あるいは厚木あたりが便利です。
ということで郊外の自宅でまったりドローン三昧しています。
ドローンを使うような撮影は神奈川か地方かが多いので郊外が便利ですね。

一眼レフでの撮影はもちろんドローンの動画の編集まで何かありましたらご連絡ください。有名奏者による演奏のバッハのピアノなどのBGMを入れて優雅な動画をつくっています。グレン・グールドのバッハのピアノのBGMなどいいですね。これからは建築のサイトも不動産の物件紹介も、グルメサイトの店舗のページも動画の時代だと思いますね。

  写真家 平 剛

 

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