第三章 そして世界のガタピシへ
第2話 槍で突く凍りつくオホーツク
絶妙な丼作りを志し、ガタピシは寒さ厳しい北海道は札幌にやって来ていた。
とりあえず実地調査が肝心、と海鮮丼の美味い店の聞き込みを始めた。
そこで早速目についた若い青年に話かけてみる。。。
ガタピシ(以下G):「あの。。。すいません。」
札幌の第一市民:「はい何か?」
G:「実は、美味しい海鮮丼が食べられる店を探しているのですが。。。」
と訊ねたところで、ガタピシは妙な胸騒ぎを感じた。
この青年に見覚えがある・・・。
・・・・・・・・・・・・(しばし悩む)・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・(そして思い出す)・・・・・・・・・・・・・
G:「いちたみ!!!!!????」 【第一章 第4話 参照】
第一市民:「。。。? なんで僕の名前を?」
G:「俺だ、ガタピシだ!むかし永野、いや長野でお前ん家にお邪魔した。」
第一市民:「ガ・・・ガ、ガガガSP、いやガタピシさん!?こんな所で何を?」
G:「お前こそ何やってるんだ、こんな所で?兄ちゃんはその後元気か?」
二人で質問ばかり投げかけあうのも時間がもったいないので、
二人はそれぞれのこれまでの経緯を16倍速で振り返りながら話した。
G:「そうかぁ、零民は今チベットで修行してるのか。見上げたイーボ魂だ。
俺もしばらくして落ち着いたら会いに行ってみよう。」
市民(以下IT):「はい、でもガタピシさんも大変だったんですね。
まさかザ・ボスの下で働いていたとは。そしてまた海鮮丼に目をつけるとはさすが。」
停職にもつかず日本中をフラフラと旅して廻っていた市民は、
海鮮丼作りを手伝わせて欲しいとガタピシに嘆願した。
断る理由もなく、ガタピシはこれを受入れた。
市民によると、旅の途中に稚内で食べたサーモンとホタテが絶妙だったらしい。
というわけで、もちろん話の舞台は稚内に移る。
G:「それにしても寒いな。。。北の端っこは。」
IT:「ホントです。。。ここに立ち寄ったのはまだ夏の終わりだったもので。
まさかこれほどに寒いとは。漁師さんたちもさすがに見当たりませんね。」
G:「そうだな、オホーツクは凍りついてるもんな。見ろ白熊だ。」
IT:「いや、あれはカモメです。」
G:「あぁ、そうだった。カモメだ。come on, man! 」
IT:「ただでさえ寒いので止めて下さい。」
G:「うん、ホントに寒いな。
“ワ!”とか“ギャ!”とか言ったら固まって乗れそうだもんな。」
IT:「あれは、別に寒いからではありません。
固まった声にでも乗らないと先に進めないという設定の問題です。」
G:「でも高橋名人ならまた違った方法で進めたかも知れないぞ。」
IT:「たぶんそれもないでしょう。。。。大人の事情です。」
あぁでもない、こうでもないと言いながら、
とりあえず二人は海中を探ろうと流氷の上を渡り歩いた。
金物屋で手に入れた槍で氷が薄そうなところをひたすら突く。
氷を割っては水中を覗くという作業を繰り返した。
しばらくするとかなり大きな穴の開いた箇所を見つけた。
G:「こりゃすげぇ。落ちたらダーマの神殿にでも行けそうな穴だな。」
IT:「ホントですね。。。まぁ転職とか以前に職に就いてないですけど。」
と、大きな穴を覗き込んでいると、強烈な突風が二人を襲った。
叫ぶ間もなく、二人は穴に転落し、凍てつく水中に投げ出された。
這い上がろうともがいたが、突風で流氷が動き出し、
みるみる太陽の光は遠ざかっていった。
絶体絶命のピンチに二人は氷下を必死で泳いだ。
もっと速く、もっとスムーズに。北京も夢じゃない速さで一心不乱に泳いだ。
やがて、流氷の切れ目に辿り着き、ようやく水中から脱出することができた。
イーボとして厳しい訓練を積んできた彼等だからこそ成しえた技である。
G:「いやぁ、焦った。凍って死ぬかと思ったぞ。
竹原さん考案のサウナスーツを着てなかったら危なかったな。」
IT:「でもピンチはしのげてないみたいですよ。。。」
ガタピシは我に返って辺りを見渡す。
なんと二人が這い上がった流氷は陸に繋がる流氷たちから切り離され、
離島のように海原に漂っていた。ぷかぷか。
G:「おい・・・・これはマズイんじゃないか。また泳ぐのか。。。」
IT:「春の到来を待つという手もあります。」
G:「こんな所に取り残されてる場合じゃないんだぞ、俺は。
仮にもウチのキッチンはオール電化なのに。」
今度こそ絶体絶命のピンチに、二人は流氷の上で途方にくれた。。。
いざ続かん