風の中のあいつ(17回目)
Introduction
この作品の時代は江戸末期。紆余曲折でアウトローな人生を歩む主人公の黒駒の勝蔵(萩原健一)とスマートな人生を歩む清水の次郎長(米倉斉加年)の対称的なやくざの親分の生き方を描いた作品。
この番組の主演は萩原健一だが、彼が「太陽にほえろ!」でマカロニ刑事役で人気が出たため降板した後、14本の主演作品の依頼が来た。その中で萩原健一の特徴が非常に良く出るこの番組を彼は選んだ。実際この番組の役は彼らしいアウトロー的な雰囲気があった。
この番組は30分の時代劇で、今ではこのような30分番組の時代劇は無い。勝蔵の子分の玉五郎(前田吟)、綱五郎(下條アトム)がレギュラー出演している。東京映画と渡辺企画(萩原健一が所属していたプロダクション)が製作にかかわり、TBSネットで全国放送された。
高樹蓉子の役
高樹蓉子の役は甲斐の胆沢のエリート代官、内海多次郎(矢野間啓二)を思う許婚(いいなずけ)、お由美。元々は江戸の商家の娘だが、いくら代官に手紙を送っても返事がなかったため、胆沢に行って代官を訪ねたが追い返される。そのあと、自殺しようとした由美は勝蔵に助けられる。そこから番組はスタートする。
私自身、この役は彼女良さが良く出た番組だと思っている。
あらすじ
舞台は甲斐の胆沢。勝蔵(萩原健一)は国分の三蔵(小松政夫)と甲斐のやくざのしま争いをしていた。
勝蔵は仇の犬上を討ち果たしたものの、どこか晴れない部分があったため、彼は切腹しようとしたが子分たちに止められた。勝蔵は気晴らしに夜道を散歩していると、急ぎ足の女とぶつかった。その女性は首吊り自殺を図ろうとした。彼女こそお由美(高樹蓉子)で、彼女は許婚に文を送ってもなかなか返事が無かったため、甲斐にいる恋人をたずねに来た。しかし彼は会ってくれないので、行くところが無く、自殺しようとしたのだった。
勝蔵がお由美を連れて勝蔵の家へ戻った。そこでお弓から色々と事情を聞くと、彼女の許婚は「その人、お代官です。内海多次郎と申します。」と言った。勝蔵やその子分たちもこれには驚いた。
お弓が自殺しようとした場面 お弓に代官が勝蔵の敵である事を打ち明ける
その頃、代官は三蔵の招きで酒を飲んでいた。三蔵は代官から20丁鉄砲を借りていて、さらに10丁ほど貸して欲しいと言ったが代官は断った。この鉄砲20丁を三蔵に貸したため、代官は首になるのであった。三蔵はこの後清水の次郎長(米倉斉加年)に会った。そこで代官が変わる事、次の代官がやくざ嫌いであることを教えた。これに三蔵はあせった。
勝蔵はあの代官は自分の仇みたいなものとお由美に言った。そして「あんな男の事はあきらめちゃえよ。」と言うが、お由美は泣きながらに「たとえ妻になれなくても、せめて元の多次郎様に戻して差し上げたい。」と言った。勝蔵はさすがにたじろき、ついには「こんなかわいい子泣かせやがって、あの野郎、性根叩き直してやる!」と怒った。

許婚の代官のそばに来た時 代官がお弓に心を開いたとき
勝蔵はお由美の書いた文で代官を呼び出し、怒る代官は「お前を斬るぞ!」と言い、ついに勝蔵は「斬ってちょうだいよ!」と言った。気合で勝蔵に押された代官はさすがに切れなかった。勝蔵は代官に「やくざ一匹切れなくてどうする!悔しかったらな、代官なんかかたぎ棄ててお弓さんを迎えに来い!」
代官は勝蔵のところへ来て、お由美に対して代官を首になる事、三蔵に鉄砲を渡し、末代までの恥になる事を打ち分けた。お弓は「そうとは知らず多次郎様をお恨みした弓がおろかでございました。でも、一度や二度の失敗を恐れてはなりません。弓はどこまでも付いて参ります。どうかお気を強く。」さすがに代官も気を取り戻した。お由美と代官が外へ出ようとしたそのとき、三蔵の鉄砲の弾が飛んで、お由美が巻き込まれ殺された(このときの三蔵はさすがに憎い(笑))。さらに代官も鉄砲に撃たれて死んだ。勝蔵は怒り心頭になり、「くそー三蔵の野郎!ぶった斬ってやる。」最後は逃げる三蔵を勝蔵たちが追いかけるのだった。
結局、甲斐のやくざのしまはがら空きとなり、清水のものとなった。
その他
1.この番組では現代でも通じるなかなか面白いナレーションを言っていた。それは以下の通り。
・大体インテリと言うものは一度理屈が通らないとメロメロになる修正がある。
・昔代官、今大臣、ちょいと世間がうるさくなると首の挿げ替え、トカゲの尻尾きり。
2.オープニングも時代劇にしてはユニークで、沢田研二の歌う主題歌に乗って、時代劇の場面とその当時(1973年)の萩原健一の姿が交互に出てくる。
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