種田山頭火
種 田 山 頭 火

(たねだ さんとうか)


これまでにご紹介した句です。(日付はアップした日です)
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ふるさとの 水をのみ 水をあび('99.7.20)

  まっすぐな道で さみしい('99.7.26)

 炎天を いただいて 乞ひ歩く('99.8.2)

 分け入っても 分け入っても 青い山('99.8.9)

ひとりで蚊に くはれている('99.8.17) 

つかれた脚へ とんぼとまった('99.8.25)

昼寝さめて どちらを見ても山('99.8.31)

年とれば 故郷こひしい つくつくぼうし('99.9.8)

夕立が洗っていった茄子をもぐ('99.9.23)

ふるさとは ちしゃもみがうまい ふるさとにいる('99.10.3)

 こほろぎに 鳴かれてばかり('99.10.14)

酔うてこほろぎと 寝ていたよ('99.10.27)

うどん供へて 母よ わたくしもいただきまする('99.11.4)

すすきのひかり さへぎるものなし('99.11.14)

 踏みわける 萩よ すすきよ('99.11.22)

 ほろほろ酔うて 木の葉ふる('99.11.30)

さみしさの やりどころない柿の落ちる('99.12.7)

捨てきれない 荷物のおもさ まへうしろ('99.12.14) 

何もかも雑炊として あたたかく('99.12.21)

のびあがりのびあがり大根大根('99.12.28)

今夜も雪が積みさうな みそさゞい('00.1.5)

 雪ふる其中一人として火を燃やす('00.1.17)

ずんぶり湯の中の顔と顔 笑ふ('00.1.25)

ひとりで食べる湯豆腐うごく('00.2.1)

焼き捨てゝ 日記の灰のこれだけか('00.2.14)

これが河豚かとたべてゐる('00.2.21)

飯のあたゝかさ 手より手へわたされたり('00.2.29)

ふとめざめたら なみだこぼれてゐた('00.3.13)

 ほっと月がある 東京に来ている('00.3.27)

 さくらさくら さくさくら ちるさくら('00.4.4)

人声の ちかづいてくる 木の芽あかるく('00.4.24) 

ひとりひっそり 竹の子 竹になる('00.5.11)

雨ふるふるさとは はだしで あるく('00.5.27)

うしろ姿の しぐれてゆくか('00.6.20)

 あの雲が おとした雨に ぬれている('00.7.15)

また見ることもない山が 遠ざかる('00.8.5)

この旅 果もない旅の つくつくぼうし('00.8.17)

ひっそり咲いて 散ります('00.9.11)

こほろぎよ あすの米だけはある('00.10.1)

一つもいで 御飯にしょう('00.10.21)

 うれてはおちる 実をひろふ('00.11.5)

木の葉散る 歩きつめる('00.11.21)

日記焼き捨てる火であたゝまる('00.12.9)

星空の冬木ひそかにならびゐし('01.1.9)

おもひでがそれからそれへ酒のこぼれて('01.2.1)

 父によう似た声が出てくる旅はかなしい('01.2.21)

 春の雪ふる女はまことうつくしい('01.3.7)

骨となってかへったかサクラさく('01.3.28)

ふるさとは遠くして木の芽('01.4.18)
雨だれの音も年とった(01.5.21)
をひしひと水のうまさかな(01.6.18)
はれたりふったり青田になった(01.7.6)
もりのりもりあがる雲へあゆむ(01.8.3)
うれしいこともかなしいことも 草しげる(01.8.30)
旅はさみしい新聞の匂ひかいでも('01.9.17)

酔へなくなったみじめさは こほろぎがなく('01.10.3)

月夜あるだけの米をとぐ('01.10.20)

家を持たない秋がふかうなるばかり('01.11.23)

牛は重荷を負はされて 鈴はりんりん('01.12.8)

わが手わが足 われにあたゝかく寝る('01.12.27)

泊まるところがない どかりと暮れた('02.2.6)

こゝろつかれて山が海がうつくしすぎる('02.2.24)

涙ながれて春の夜のかなしくはないけれど('02.3.26)

ふるさとはみかんのはなのにほふとき('02.4.26)

降るもよからう雨がふる('02.5.27)

どうにもならない人間があつい湯のなか('02.6.27)

おもひでの草のこみちをお墓まで('02.7.31)

ふくらうはふくらうでわたしはわたしでねむれない('02.8.29)

鳥よこち向けさびしいこころうたはうぞ('02.9.24)

ありがたや熱い湯のあふるゝにまかせ('02.11.2)

足音が来てそのまま去つてしまつた落葉('02.12.7)

膝に酒のこぼるるに逢ひたうなる('03.1.1)

誰か来さうな空が曇つてゐる枇杷の花('03.4.15)

うらみちは夏草が通れなくしたまんま('03.6.6)

ひさびさ袈裟かけて母の子として('03.7.20)

もう秋風のお地蔵さまの首だけあたらしい('03.8.24)

がちゃがちゃがちゃがちゃ鳴くよりほかない('03.10.28)

山羊鳴いて山羊をひつぱつてくる女('03.11.22)

椿落ちてゐるあほげば咲いてゐる('04.1.1)

ふるさとの山なみ見える雪ふる('04.2.8)

鳥よこち向けさびしいこころうたはうぞ('04.3.8)

空に雲なし透かし見る火酒の濃き色よ('04.5.5)

山のよさを水のうまさをからだいつぱい('04.6.2)

月が昇って何を待つでもなく('04.7.4)

こゝまできてこの木にもたれる('04.9.5)

また逢へた山茶花も咲いてゐる('04.11.2)

眼とづれば影が影があらはれてはきえる('05.6.3)

月夜のあかるい舟があつてそのなかで寝る('05.10.3)

生きの身のいのちかなしく月澄みわたる('05.12.4)

いつしかあかるくちかづいてくる太陽('06.1.2)

おもひでの草のこみちをお墓まで('06.5.15)

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