仙台日記・18 Kimuchi熊鍋を食す
マタギの里・阿仁へ
2008.6
宮城出身の「熊谷達也」という小説家が居る。
私と同い年くらいの世代であるが彼の小説にマタギの話が良く出てくる。
だから、というわけではないが以前から秋田の奥地、阿仁には行ってみたいと思っていた。
近代史の中ではむしろ鉱山として有名な阿仁ではあるが今は残念ながら自然が豊か以外の資源は無い。
JRも引いてしまい、今は秋田内陸縦貫鉄道というローカル列車が走っている。
JRから離れると皆、経営熱心になるのかお座敷列車、弁当手配、自家用車の代行運転サービスなど本当に魅力的な鉄道になった。
・・・とはいえ、未だ未だ乗客が少なく赤字で、廃線が近いとも言われている。
内陸鉄道に乗ってみたい、熊鍋が食べたい。といった訳で。
梅雨と思えない強い日差しの中、内陸鉄道の旅に出かけてみた。
秋田縦貫内陸鉄道の出発点、角館。
ここに来るのは角館火振りかまくら以来のことだ。
桜で有名な城下町だが駅舎も駅周辺も実にきれいで手入れが行き届いていた。これが秋田内陸縦貫鉄道。
もちろんディーゼル車であり型式は古いが車内はとてもきれいだ。
観光にかける経営者や社員の気持ちが現れているようだ。
秋田でも有数の田舎のこの沿線。冬は窓から樹氷の見える場所も有るらしい。連結された車両の後ろはお座敷列車だ。
貸切で食事を楽しみながら乗っていく方も多いようだ。
この日も途中の駅から満席になった。最初の30分は田園風景、次の30分は渓谷の風情。
そして・・・。今日の宿泊場所は隣の阿仁合駅だがここ「荒瀬駅」にて途中下車する。 そうなのです。ここには「またぎ山刀」で有名な西根刃物製作所があるのです。
私のような刃物ファンにはたまらない聖地ですが残念ながらここのご主人は何年か前に無くなってお弟子さんが10キロほど離れた阿仁前田というところで作り続けています。使われていない作業場は荒れ放題。
でもふいごやかまどは直せば使えそうだ。その「マタギ山刀」
「フクロナガサ」という名前だ。
フクロとは持ち手のところが袋状になっていて棒を差せば槍のようになりこれで熊とも戦ったということだ。
この刃物には保証書は無い。
しかし刃こぼれや柄が曲がったりしたら生涯修理を受けてくれるそうだ。
一世保障とでも言おうか。そんな買い物をしたので炎天下、この道を隣の駅まで歩くことになった。
炎天下の5キロ。
雪駄で歩くのはちと辛かった。それでも一時間も歩くと阿仁合の町にたどり着く。 そして鉱山博物館にてしばし休憩、兼勉強。 鉱山博物館の隣はヨーロッパから来た鉱山技師の家屋が残されており当時の生活を偲ばせてくれる。 この後宿に荷物を置いて近くの寺社を巡る。
これは法華寺の山門。御蔵神社(だと思う??) 夜は熊鍋。
味は猪に似ているようだ。
食感は鯨と猪の間くらいか。
味噌仕立てなので匂いは殆ど感じない。熊鍋を食したのは宮越旅館。
この沿線は松橋旅館、宮越旅館の二軒くらいしか見当たらないがどちらも素朴で評判はいいようである。
とても歓迎してもらい良い気持ちになって飲んでしまい酔っぱらってしまった。