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最終更新 2012/02/01



觀稼 白 居易




01  世役不我牽   世役、我を牽(つな)げず、
02  身心常自若   身心、常に自若たり。
03  出看田畝   に出でて田畝を看て、
04  闕s旁村落   旁らの村落を闕sす。
 
05  繞場稼   と場稼を繞(めぐ)り、
06  嘖嘖群飛雀   嘖嘖と群れて飛ぶ雀。
07  年豐豈獨人   年豐の豈なるは獨り人のみか。
08  禽鳥聲亦樂   禽鳥の聲も亦た樂なり。
 
09  田翁逢我喜   田翁、我に逢いて喜び、
10  默起具尊杓   默して起ちて尊杓を具(そな)う。
11  斂手笑相延   斂手して笑い相い延ぶ。
12  社酒有殘酌   社酒、殘酌有り。
 
13  愧茲勤且敬   愧づ、茲(こ)の勤にして且つ敬なるに。
14  藜杖為淹泊   藜杖、淹(ひさ)しく泊(とど)まらす。
15  言動任天真   言動は天真に任せるも、
16  未覺農人惡   未だ覺えず、農人の惡しきを。
 
17  停杯問生事   杯を停めて生事を問う。
18  夫種妻兒穫   夫が種(たねま)き妻兒が穫す。
19  筋力苦疲勞   筋力は苦だ疲勞するも、
20  衣食常單薄   衣食は常に單と薄たり。
 
21  自慚祿仕者   自と慚づ、祿仕の者にして、
22  曾不營農作   曾て農作を營まざるに、
23  飽食無所勞   飽食するに勞する所無し。
24  何殊衛人鶴   何ぞ殊なるや、衛人の鶴。
 
  『全唐詩』 4731頁 429卷 13冊




解説語句(数字は句番号)


 世役 (01)
 闕s (04)
 場稼 (05)
 嘖嘖 (06)
 年豐 (07)
 杯杓 (10)
 斂手 (11)
 社酒 (12)
 藜杖 (14)
 淹泊 (14)
 天真 (15)
 衛鶴 (24)
 解釈  




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01  世俗の雑務は、時間がくればそれまでのもの。
02  私の身心は常に自若としている。
03  夕かた、役所を出て田畝を見て回ろうと、
04  傍の村落をそぞろ歩きをした。

05  収穫作業を眺めながら歩いていると、
06  鳴き声を挙げて、一斉に雀が飛び立った。
07  豊作の年を喜んでいるのは、人間だけではない。
08  鳥たちの鳴き声も、何と楽しそうではないか。

09  一人の田翁が、私を見つけて喜びの声を挙げた。
10  何も言わずに酒の用意を始めた。
11  整え終えると、斂手して笑みを浮かべ、私を手招きした。
12  「社酒がまだ少し残ってますんで、どうですかな?」と。

13  酒を注いでもらって会話をしていると、仕事を放ってきた自分が恥ずかしく
   思えてきた。田翁は勤勉だけでなく、敬礼も示してくれた。
14  もっと話していたいと、田翁の藜杖をこちらに引き寄せた。
15  その言動は天真であったが、
16  だからと言って、農人のいやらしは感じられない。

17  杯を止めて、生活の事について尋ねてみた。
18  「私が種を蒔いて、今、妻と子と収穫をしております。
19  この年になると、かなり身体に堪えますな。
20  でも衣は単衣で、食も味っ気の無いものしか食べられませんがね。」と。

21  この言葉に、心を切られるような恥ずかしさが込み上げてきた。私は祿を
   食む宮仕え者、
22  今まで農作業などした事も無い。
23  にもかかわらず、何の労も無く飽食している。
24  どうして衛人の鶴、出世が尊いことであろうか!




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語の説明


□句の説明■語句●地名○人名◇特記










 
■世役 − 人世間的事務。

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■闕s − 亦作「間行」。亦作「閑行」。漫歩。

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■場圃 − 原文は「場稼」。
     農家種菜蔬與收打作物的地方。
     指収穫等農事。



上記と判断した。

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■嘖嘖 − 象聲詞。形容聲音輕細。多指鳥虫鳴聲。

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■年豐 − 謂年成豐收。

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■杯杓 − 原文は「尊杓」。「杯杓」は一作。
     亦作「杯勺」。酒杯與和杓子。借指飲酒。

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■斂手 − 拱手。表示恭敬。

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■社酒 − 舊時于春秋社日祭祀土神,飲酒慶賀,稱所備之酒為社酒。

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■藜杖 − 用藜的老茎做的手杖。質輕而堅實。

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■淹泊 − 停留;滯留。

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■天真



『莊子』「漁父」:「禮者,世俗之所為也;真者,所以受於天也,自然不可易也。故聖人法天貴真,不拘於俗。」後因以「天真」指不受禮俗拘束的品性。

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■衛鶴



『春秋左氏傳』閔公二年:「冬十二月,狄人伐衛。衛懿公好鶴,鶴有乘軒者。將戰,國人受甲者皆曰:『使鶴,鶴實有祿位,余焉能戰!』」後因以「衛鶴」為濫叨封爵之典。

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白居易「觀稼」の解釈



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