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最終更新 2010/08/19



古意 李  白




01  君為女蘿草   君が女蘿草に為らば、
02  妾作兔絲花   妾は兔絲花と作(な)る。
03  輕條不自引   輕條なるも自(おのずか)ら引けざるも、
04  為逐春風斜   春風に逐れて斜と為る。
 
05  百丈託遠松   百丈の遠松に託し、
06  纏綿成一家   纏綿して一家を成さん。
07  誰言會面易   誰か言う、會面するは易きか?
08  各在青山崖   各に青山の崖在り。
 
09  女蘿發馨香   女蘿は馨香を發し、
10  兔絲斷人腸   兔絲は人腸を斷ず。
11  枝枝相糾結   枝枝は相い糾結するも、
12  葉葉競飄揚   葉葉は競いて飄揚す。
 
13  生子不知根   生子は根を知らず。
14  因誰共芬芳   因りて誰が共に芬芳せんや。
15  中雙翡翠   中にす、雙翡翠。
16  上宿紫鴛鴦   上に宿す、紫鴛鴦。
 
17  若識二草心   若し二草の心を識らば、
18  海潮亦可量   海潮も亦た量る可なり。
 
  『全唐詩』 1728頁 167卷 5冊




解説語句(数字は句番号)


 女蘿 (01)
 兔絲 (02)
 百丈 (05)
 纏綿 (06)
 會面 (07)
 青山 (08)
 糾結 (11)
 芬芳 (14)
 解釈  




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01  あなたは女蘿草であり、
02  私は兔絲花です。
03  軽い蔓は引き剥がせないけれども、
04  春風ほどの緩い風に吹かれただけでも斜めになる。

05  百丈も遠くにある松まで蔓を延ばし
06  固く結びついて家族となりたい。
07  誰かが言いました。会うのは簡単か、と。
08  二人それぞれに住む場所があるんだぞ、と。

09  女蘿(あなた)は馨香を発するように生き生きとし、
10  兔絲(私)は斷人腸を断たれる思いです。
11  枝と枝が絡み合っても、
12  互いの葉は、競うように吹かれ飛んでいってしまう。

13  生まれた子が根(父)が分からなかったらば、
14  いったい誰が共に行動を共にしてくれましょうか。
15  松の木の中ほどには翡翠が巣を作り、
16  上には紫鴛鴦が一夜を送っています。

17  もし遠く離れた二草の心を知ることが出来るのであれば、
18  千変する海の流れも読むことが出来るようになるでしょう。




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語の説明


□句の説明■語句●地名○人名◇特記








 
■女蘿 − 亦作「女羅」。植物名,即松蘿。多附生在松樹上,成絲状下垂。一説亦泛指菟絲子。

以下がその史料

『詩經』「小雅・弁」:「蔦與女蘿,施于松柏。」毛傳:「女蘿,菟絲,松蘿也。」

『楚辭』「九歌・山鬼」:「若有人兮山之阿,被薛兮帶女羅。」王逸注:「羅,一作蘿。」



■菟絲 − 草名。俗稱菟絲子。蔓生,茎細長,纏絡于其他植物上。花淡紅色。子可入葯。



■松蘿 − 亦作「松羅」。即女蘿。地衣門植物。

体呈絲状,直立或懸垂,灰白或灰緑色,基部多附着在松樹或別的樹的樹皮上,少數生于石上。可入葯,有寒退熱的作用。



「女蘿」と「兔絲」で結婚を意味する。

以下がその史料

『文選』「雜詩上」古詩一十九首

冉冉孤生竹,結根泰山阿.

 注)竹結根於山阿,婦人託身於君子也.風賦曰:太山之阿.

與君為新婚,兔絲附女蘿.

 注)毛萇詩傳曰:女蘿,松蘿也.毛詩草木疏曰:今松蘿蔓松而生,而枝正青;兔絲草蔓聯草上,赤如金,與松蘿殊異.此古今方俗,名草不同.然是異草,故曰附也.

兔絲生有時,夫婦會有宜.

 注)蒼頡篇曰:宜得其所也.

千里遠結婚,悠悠隔山陂.

 注)文曰:陂,阪也.

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■兔絲 − 植物名。即菟絲子。


『淮南子』「説山訓」:「千年之松,下有茯苓,上有兔絲。」高誘注:「一名女蘿也。」

『文選』江淹「古離別」:「兔絲及水萍,所寄終不移。」李善注引『爾雅』:「女蘿,兔絲也。」

以下がその史料

『藝文類聚』「藥香草部上/兔絲」

爾雅曰.唐蒙女蘿.女蘿兔絲.

呂氏春秋曰.或謂兔絲無根也.其根不屬地.茯苓是也.

史記龜策傳曰.下有茯苓.上有兔絲.

淮南子曰.兔絲無根而生.茯苓抽.兔絲死.

抱朴子曰.按仙方中.自有合離草.一名獨搖.一名離母.所以謂之合離.離母者小草.為物下根如芋魁.有遊子十二枚.周環之.

去大魁數尺.雖相須而實不連.但以氣相屬耳.如兔絲之草.下有伏兔之根.無此兔在下.則絲不得生於上.然實不屬也.

篇云.兔絲初生之根.其形似兔.掘取.剖其血以和丹.服之立變化.任意所作.

【詩】齊謝兔絲詩曰.輕絲既難理.細縷竟無織.瀾漫已萬條.連緜復一色.安根不可知.心終不測.

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■百丈 − 極言高、深或遠。

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■纏綿 − 固結不解;繞。

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■會面 − 會見,見面。

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■青山 − 青葱的山嶺。指歸隱之處。

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■糾結 − 纏繞連結。

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■芬芳 − 比喩美好的コ行或名声。

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李白「古意」の解釈

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