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最終更新 2012/01/13



雲南曲 劉  灣




01  百蠻亂南方   百蠻、南方を亂し、
02  群盜如蝟起   群盜、蝟起の如し、
03  騷然疲中原   騷然として中原を疲す。
04  征戰從此始   征戰、此より始まる。
 
05  白門太和城   白門と太和城、
06  來往一萬里   來往するに一萬里。
07  去者無全生   去(ゆ)く者は生を全する無し。
08  十人九人死   十人に九人は死す。
 
09  岱馬臥陽山   岱馬は陽山にて臥し、
10  燕兵哭瀘水   燕兵は瀘水にて哭す。
11  妻行求死夫   妻の行くは死夫を求め、
12  父行求死子   父の行くは死子を求めてなり。
 
13  蒼天滿愁雲   蒼天、愁雲に滿たされ、
14  白骨積空壘   白骨、空壘に積まる。
15  哀哀雲南行   哀哀たり雲南行。
16  十萬同已矣   十萬、同に已矣。
 
  『全唐詩』 2012頁 196卷 6冊




解説語句(数字は句番号)


 百蠻 (01)
 蝟起 (01)
 白門 (03)
 太和城 (05)
 陽山 (05)
 瀘水 (06)
 愁雲 (08)
 哀哀 (10)
 解釈  




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01  百蠻が南方の地を乱すと、
02  群盜が針鼠の毛が立つように沸き起こった。
03  これによって騒然となり、中原にも影響が及んだ。
04  征戦はここから始まった。

05  白門と太和城との間は、
06  往来するのに一万里もある。
07  平定に向かった者で、生を全うして帰ってきたものは皆無に等しい。
08  十人中九人が死んだと言うことだ。

09  岱馬が陽山に横たわり、
10  燕兵は瀘水で哭した。
11  妻がその地に向かったのは、死んだ夫の亡骸を求めてだ。
12  父がその地に向かったのは、死んだ子の亡骸を求めてだ。

13  この蒼天は愁雲に満たされ、
14  白骨が生き者が空になった壘に積まれている。
15  哀哀たる雲南行。
16  十万の妻父が絶望に暮れている。




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語の説明


□句の説明■語句●地名○人名◇特記










 
■百蠻 − 古代南方少数民族的總稱。後也泛稱其他少数民族。

以下がその史料

『詩』「大雅・韓奕」:「以先祖受命,因時百蠻。」毛傳:「因時百蠻,長是蠻服之百國也。」

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■蝟起 − 賈誼『新書』「益壤」:「高皇帝瓜分天下,以王功臣,反者如蝟毛而起。」
     後因以「蝟起」比喩紛然而起。

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●白門 − 古代把天地八方分為八門,西南方稱白門。

以下がその史料

『淮南子』「墜形訓」:「西南方曰編駒之山,曰白門。」高誘注:「西南月建在申,金氣之始也,金氣白,故曰白門。」

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●太和城 − 南詔国の城。737年、白氏国を倒し太和城(大理県太和村)を拠点にした。

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●陽山 − 古縣名。在今廣東省陽山縣東。漢置,屬桂陽郡,後漢改為陰山縣,三國・呉復置,歴代因之。

以下がその史料

唐・韓愈「送區册序」:「陽山,天下之窮處也。」舊注:「陽山,縣名,屬連州。」



「南詔コ化碑」に「北接陽山」とあり、それが上記に当たるか。

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■瀘水 − 水名,出。一名苦水。

以下がその史料

『水經注』禁水,北注瀘津水。
『益州記』瀘水,源出曲羅,又下合諸水,而總其目,故有瀘江之名。

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■愁雲 − 雲氣陰霾暗淡比喩憂慮郁悶的神情或凄凉的情景。
     謂色彩惨淡,望之易于引發愁思的烟雲。
     比喩憂郁的神色。

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■哀哀 − 悲傷不已貌。

以下がその史料

『詩』「小雅・蓼莪」:「哀哀父母,生我劬勞。」鄭玄箋:「哀哀者,恨不得終養父母,報其生長己之苦。」

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劉灣「雲南曲」の解釈


変更点

第15句の訳の変更

哀哀たる雲南への遠征。
  ↓
哀哀たる雲南行。


第16句の訳の変更

十万の兵が絶望の言葉を口にしている。
  ↓
十万の妻父が絶望に暮れている。

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