6.バブル〔信用経済〕

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バブル経済とは実際には無いお金を在るとして〔信用〕して売買が成立し
ている状態のことです。ですから実際の商品の交換はまだしていない状態
の経済を云います。この現象は銀行によって発生します。大雑把ですが銀
行は
8万円のお金があれば92万円貸し出すことができます。お金が無いの
にお金を貸す、これがバブルです。

企業は銀行から資金を借り入れ、商品を作り、販売して借金を返します
。しかし必ず売れるとは限っていないので、もし売れなかった場合は
どうなるのでしょう。その会社は倒産し、借金は踏み倒されます。その
時はバブル〔信用経済〕はどうなるのでしょう。銀行は
100万円貸してい
るのに担保分の
50万円しか帰らないとしたら、後の50万円はどうなるの
でしょう。一見銀行が損しただけと思われますがそうではないのです。
何故なら銀行は本々無いお金を貸していたのですから、痛くも痒くもあ
りません〔実際は違う〕。では一体そのお金は誰が負担するのでしょう
か、それとも誰も負担しなくていいのでしょうか。実は儲けられる人が
負担するのです。銀行は損失分を埋め合わせるために利子を付け、貸し
出して、戻ってきたお金で埋め合わせするからです。つまり銀行から資
金をかりて、運営して、利子を付けて返す人が負担することになるので
す。

では銀行から資金をかりて、運営して、利子を付けて返す人がいるのに
はどんな理由があるのでしょうか。それは資本主義経済によって市場拡
大化が進み、市場競争が激しくなったことによります。資本主義経済の
もと、売買が盛んになると、その分市場競争も激しく成り、ゆっくりと
資金を貯めてから商品造りを行い、売り出しを行っていたのでは競争相
手に負けてしまいます。資金を借り入れ、商品を造り、売り出して、回
収できたお金で借金を返していく、この方が短期間で済み競争にはスピ
ードが早い分有利です。そのため多くの企業がこうした経営をしていま
す。

それでは何故企業は利子を付けて借金を返せるのでしょうか。それは労
働効率を高めているからです。労働効率が高まることにより、商品が増
えた分お金も増えます。そのお金が銀行からの借り受け分です。企業に
は新たに所得が付加され、利子を付けて借金を返すことができるのです
。銀行は在りもしないお金を貸し出しますがそれは企業活動によって、
労働効率が高まると見込んで貸しているのです。企業の労働効率が実際
に高まると、実際に在るお金が企業に入ってきます。そして実際に在る
お金が銀行に利子付で返されます。この時バブルは無くなり実際の経済
となります。在りもしないお金を使って、効率よく実際に在るお金を造
り出す。それが信用経済
(バブル)あり、資本主義成立の所以なのです。
資本主義は資金を労働効率の向上を担保に銀行等から借り受け、より速
い労働効率の改善を実現したのです。信用経済のシステムは経済成長を
速めるシステムであり、信用経済は労働効率の高まりにより、保証され
ているのです。

信用経済とインフレ(インフレーション)

信用経済により貸し出されたお金が在るということは見込んだ分の実際
のお金が造り出されるまでの間、お金の量は実際の売買量より多くなっ
てしまいます。そのため相対的にお金の価値が下がり、インフレ経済と
なります。ですから労働効率の高まりが信用経済で見込んだ通りに高ま
って行ったとしても、タイムラグがある分、経済は常にインフレ状態な
のです。適正な経済成長はインフレを伴うのです。経済の成長率を高く
しようと、貸し出し量を増やすと、さらにインフレとなってしまうのは
このためなのです。しかしこの時、貸し出し量に見合った労働効率が改
善されていないとなると、借り受けた資金は返済できなくなり、バブル
は弾けてしまいます。バブルの弾けは銀行の貸出金の回収不能により、
貸出額の減少を引き起こします。これにより企業は効率よく実際に在る
お金を造り出すことができなくなり、景気が急激に悪化することとなる
のです。
ですから景気の回復は必要以上のバルブ(負債)が清算され、銀行貸
出が回復したときに達成されるのです。

信用経済とデフレ(デフレーション)

 企業が銀行から借入れできるのは労働効率の向上が期待できるからな
のです。しかしその期待には波及効果による期待も含まれます。基の労
働効率改善の発生元が期待外れであった場合には逆波及効果となって、
多くの企業は利子や返済金を銀行に返せなくなり、銀行は巨額の負債
(
える当ての無いお金
)を持つことになります。負債を持った銀行は貸出し
資金が大幅に減少し、今までのように運用益を上げることができなくな
ります。すると銀行は運用益確保のため収益率の低い貸出し先から資金
を回収し、運用収益が高いか、安全率の高い貸出し先に変更していきま
す。

 こうした負債と資金回収により市場からお金の量が減少してしまいま
す。すると多くの企業は資金を借り入れ、運用し、効率よく労働効率を
向上していくことが難しくなります。そのため経済成長は鈍化すること
になるのです。経済成長が鈍化すると商品の売れ行きも鈍化します。企
業は売れ行きが悪くなると利益確保のために、省力化して労働効率の向
上に努めます。

 この過程が進行していくと、企業は借り入れ資金が少ないなかで労働
効率の向上に努めることにより、借り入れ資金以上に労働効率を高める
こととなります。そのため経済全体が大きくなった割に流通しているお
金が少なくなってしまいます。結果お金の価値が相対的に高くなり、お
金の額面に対して商品の価格が下がってしまう、デフレ現象となるので
す。つまりデフレ経済は銀行が充分な資金提供ができないために、流通
貨幣の量よりも売買量の方が増えてしまった状態なのです。銀行が巨額
の負債を抱え込むと経済はしだいにデフレとなってしまうのです。

この状態は労働効率の改善がされているとはいえ、適正なインフレ状態
より経済成長率ははるかに悪い状態です。その理由は労働効率の改善の
ための資金を得るために時間がかかり、その間売買は減少したままだか
らです。銀行から資金を借入れられなければ多くの企業は自前資金を用
意しなければなりません。しかし信用以外の貸出資金には現状経済分し
かないため、成長率は低下してしまうのです。

このデフレ状態を改善するためにはまず銀行の負債を減少させ、貸出量
を増やすことです。そのためには銀行から資金をかりて、運営して、利
子を付けて返せる企業を増やしていくことです。それには大きな労働効
率の向上ができることを必要とします。踏み倒されて返済していない労
働効率の改善分まで、負担しなければならないからです。この負担を税
金でやるという方法もありますが企業の労働効率がなぜ向上しなかった
のか、それを見抜けなかった銀行の体質を変換しなければいくら税金で
負担しても、改善は見込めないことでしょう。

デフレはもともと労働効率の向上を期待し過ぎて発生したのですから、
その期待分の労働効率を上げてやらなければ止まりません。

要は今在るお金(労働力)をどう使って期待分の労働効率を上げてやるか
が問題なのです。そのためには銀行も政策当局も労働効率の高まるとこ
ろにお金を注ぎ込めるような、システムや人材を置くことが必要なので
す。特に政策当局には著しい労働効率の高まりが期待できる大規模事業
を推進する必要があるのです。



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