| 当院では、東洋医学の理論に基づいた「経絡治療」と呼ばれるはり・きゅう治療をしています。 「経絡治療?」 「なに、それ??」 「一般的な鍼灸院の治療とは違うの???」 たぶんほとんどの方がこう思われることでしょう。
一般的な鍼灸院では、いわゆる「刺激治療」が主流になっています。 痛みのある場所や症状の出ている場所に直接鍼を刺し、響きをあたえたり、電気を流したりする治療法です。 これらの治療によって、症状がよくなったという人がいるのは事実だと思いますが、根本的な治療にはなっていないと考えています。
一方、「経絡治療」と呼ばれる治療法は、東洋医学の理論をもとにしています。 東洋では、生体を小宇宙としてとらえ、その中に気が巡っていると考えられてきました。 その気の流れる道を「経絡(けいらく)」と呼び、外界との気の交流を行うところを「経穴(けいけつ)」と呼んでいます。 この経絡を流れる気に乱れが生じたときを病としています。 この気の乱れがどこにあるかを脈診・望診・腹診・問診などの独特な診察法によって判断し、現在の体の状態を判断し、治療方針を立てます。 それを「証(あかし)」といい、西洋医学で言う病名にあたります。 「経絡治療」は、証にしたがって、気の乱れが生じている経絡を鍼やお灸を使って整える治療です。
もう一つの概念として、「補瀉」という考えがあります。 「補」とは「足りないものをおぎなうこと」です。 つまり、少なくなっている気を補うことで、体力(生命力)を高め、本来体がもっている治す力(自然治癒力)を向上させます。 「瀉」とは「余分なものを取り去ること」です。 つまり、外から入ってきた病気のもと(西洋医学で言うウイルスのようなもの)である邪を取り除いたり、体の中で滞ってしまった気を流してやることです。
少し難しいですが、風邪を例にとって説明してみます。 東洋医学では風邪の原因は外から入ってきた邪(じゃ)によっておこります。 しかし、生命力が強いときは、この邪は体の中に入ることができずに、風邪をひくことはありません。 疲れていたり、睡眠不足だったり、食べ過ぎていたりして、生命力が落ちているときに、この邪におかされると風邪をひいてしまうのです。 西洋医学での薬は、この邪であるウイルスをやっつけるための抗生物質などが主でありますから、風邪が治ってもいわゆる「病み上がり」という状態が続き、体のだるさや食欲不振などが残ったりします。 経絡治療でもこの邪を取り除くことが主たる目的となるのですが、その前に生命力を強化する補いの治療を行い、その後邪を取り除く瀉の治療を行います。 このように治療しておけば、治った後は風邪をひく前よりも体調が良くなっているのです。
「経絡治療」は局所治療ではなく全身的な根本治療なので、症状の改善をはじめ体質改善や病気の予防としても優れた治療法です。
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