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ロースクール受験をすでに目指している人にとっては既知の情報かもしれませんが、念のためまだ知らない人の為にロースクールについて説明していきたいと思います。
まずはじめにロースクールという名称について説明します。
今まで私も何のことわりもなく「ロースクール」という言葉を使ってきましたが、実はこれ通称であり、正式な総称は「法科大学院」です。
また各ロースクール個別の正式名称は様々で、例えば「○○大学大学院△△科」といったように大学院の一つの科として扱われているところがほとんどです。
ちなみに私は「ロースクール」という呼び方がお気に入りなので、このサイトでは主にそれを使用していきます。
次にロースクールでの課程について説明しましょう。
ロースクールには主に、未修者コースと既修者コースの2つのコースが用意されています。(ちなみに私が通う予定の成蹊ロースクールには社会人の為の長期履修制度も用意されています。)
未修者コースは3年コースとも呼ばれ、その名の通り3年間ロースクールに通う課程です。
そして既修者コースは2年コースと呼ばれ、こちらもその名の通り2年間ロースクールに通う課程となっています。
この2つのコース違いは主に2つあります。まず1つ目は課程を修了するのに必要な単位数が違います。
2つ目はロースクールへの入試科目が違います。(詳しくは「・ロースクール入試概要をご覧ください。)
つまり未修者コースとはロースクールが想定するスタンダードなコースのことで、既修者コースとは既にある程度の法学の知識を持った者にその学力分の単位を免除し、2年生から飛び級入学させる課程ということになります。
では最後に法科大学院制度の目的、教育理念、概要について説明します。
<目的>
司法制度改革審議会が平成13年6月12日に発表した意見書によると法科大学院制度の目的を「司法制度を支える法曹の在り方(人的基盤の拡充)」(意見書 p.9)とし、
「司法試験という「点」のみによる選抜ではなく、法学教育、司法試験、司法修習を有機的に連携させた「プロセス」としての法曹養成制度を新たに整備すべきである。
その中核を成すものとして、法曹養成に特化した教育を行うプロフェッショナル・スクールである法科大学院を設けるべきである」
と発表しています。(意見書 p.61)
<教育理念>
法科大学院における教育は、理論教育と実務教育を架橋するものとして、公平性、開放性、多様性を旨としつつ、以下の基本的理念を統合的に実現するものでなければならないとされる(意見書 p.63)。
・ 「法の支配」の直接の担い手であり、「国民の社会生活上の医師」としての役割を期待される法曹に共通して必要とされる専門的資質・能力の習得と、かけがえのない人生を生きる人々の喜びや悲しみに対して深く共感しうる豊かな人間性の涵養、向上を図る。
・ 専門的な法知識を確実に習得させるとともに、それを批判的に検討し、また発展させていく創造的な思考力、あるいは事実に即して具体的な法的問題を解決していくため必要な法的分析能力や法的議論の能力等を育成する。
・ 先端的な法領域について基本的な理解を得させ、また、社会に生起する様々な問題に対して広い関心を持たせ、人間や社会の在り方に関する思索や実際的な見聞、体験を基礎として、法曹としての責任感や倫理観が涵養されるよう努めるとともに、実際に社会への貢献を行うための機会を提供しうるものとする。
<概要>
以上のことから、具体的な法科大学院制度は
@法科大学院は、法曹養成に特化した実践的な教育を行う学校教育法上の大学院であり、標準修業年限を 3 年とし、短縮型として 2 年での修了を認める。
A法科大学院の配置、入学者選抜等において、「公平性」「開放性」「多様性」を旨とする。
B少人数教育を基本とし、双方向的・多方向的で密度の濃い教育内容を提供する。
C法理論教育を中心としつつ実務教育の導入部分も取り入れ、実務との架橋を意識する。
D法科大学院は、新司法試験の合格率が 7-8 割程度となるような充実した教育を行う。
E適切な機関による第三者評価を継続的に実施する。
F第三者評価による適格認定を受けた法科大学院の修了者に新司法試験の受験資格を認め、受験回数を3 回程度に制限する。
とされています。つまり誤解を恐れずに言えば、ロースクールとは新司法試験を受験する為に通わなくてはならない、大学運営の予備校ってとこです。(こんな言い方したらロースクールの教授方に怒られてしまいそうですが笑)
ちなみに上記で注目すべきはDの新司法試験の合格率についてです。
この意見書が出された当時はこのように計算されていましたが、現実にはこれを大幅に下回るようです。
読売新聞の2005年3月1日の記事によると、2006年度受験生は合格率40〜50%。
それ以降の年度は、もし合格者数の上限を3000人に設定された場合は2割前後となるそうです。
現行司法試験の合格率が3.5%前後(2005年度は過去最高で3.71%でした)で推移していることを考えると全然多いような気もしますが、新司法試験には5年で3回という受験制限がある以上かなり厳しい競争になりそうです。
【参考文献:読売新聞2005年3月1日、ISSUE BRIEF No.444 法科大学院の発足−残された問題点と課題− 落 美都里著】
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