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ついに、ロースクール入試の合否判定資料についての説明も最後の項目になりました。
2つ目の実地試験であり、入試の最後の関門である面接について説明していきます。
面接試験と聞くと、「おしゃべりすればいい試験だから対策の採りようがない。」と思われる方も多いかと思いますが、その意見は半分当たっていて半分はずれているように思います。
確かに、試験直前の何ヶ月間に話術の練習をしたところで、今まで20年以上慣れ親しんできた話し方が急に上手くなることはないでしょう。
しかし面接試験には、デートやお見合いの時のように、楽しくて盛り上がるような話術が必要なわけではありません。
面接官は、受験生が法律家になりたいという強い志を有した人物なのか、法律家になるに相応しい人格を有した人物なのか、新司法試験に合格する為の努力を続けることができる人物なのか等を試そうとしていると思われます。
とすれば受験生は、面接官が試そうとしている上記のような事柄が自分に備わっていることを、面接官に対して正確にわかりやすく、且つ説得的に伝えられればいいのです。
人に自分の意見を正確にわかりやすく伝えるには、自分の意見が聞き手の心に響きやすいよう、適切な言葉や態度で話す必要があるでしょう。
また、自分でもわからない意見が聞き手に伝わるはずはありませんので、自分の意見をしっかりとまとめておくことも必要でしょう。
そして大学の教授や弁護士等である面接官を説得するには、少なくとも自分が興味を持っている分野については、豊富な知識と論の深い意見・考えを有していなければならないでしょう。
つまり、@最低限の礼儀作法を身に付けること、A話す内容の確定、B知識と意見の発展、の3点が面接試験対策として大事だと思います。では以下に3点について詳説していきます。
<最低限の礼儀作法を身に付けること>
具体的には、敬語、きびきびとした態度が必要でしょう。これは社会人の方にとっては常識でしょうし、すでに身に付けてらっしゃる方も多いと思います。
逆に言うと、これを身に付けてない方はそれだけでマイナス印象になってしまうと思いますので、気を付けてください。
<話す内容の確定>
何が聞かれるかは、面接官によっても、その時々によっても変わり得るので一概に論じることはできませんが、面接経験者の意見をまとめると、ステートメントに書かれた内容についての確認や質問がほとんどのようです。
面接の際、面接官は主にステートメント見ながら話しを聞いてきますので、当然と言えば当然です。
したがって、ステートメントに書いた内容についてすらすらと話せるようにしておくことはもちろんですが、それと関連する話しについて自分の意見をまとめておく必要があるでしょう。
では以下に、面接の際に私が実際に聞かれたことや他の面接経験者が聞かれたことについて、例を示しておきます。
<志望法曹像について>
・法曹を志望する理由は?
・あなたが法曹を目指すに至った直接の理由は何でしょうか?
・志望する法曹像は?(どんな仕事に興味があるのか?)具体的には?
・あなたの志望するような分野は●●でも行っていると思います。なぜ、●●ではなく弁護士なのですか?(私の場合は、●●を企業の法務部と仮定しました。)
・あなたが志望する分野以外に興味を持たれている分野はありますか?
・いつ頃から法曹になりたかったのですか?それは今でも変わらない?
・あなたが弁護士として働いたときに依頼人である企業の不正を知ったとして、それを告発しますか?
・あなたは弁護士にとって必要な資質や能力は何だと思いますか?いや、もっと一般的に何が必要だと思いますか?(最初の質問に対して抽象的に答えた為、さらに具体的に聞かれました。)
・あなたは弁護士の仕事がどういうものであるかについて知っていますか?
・企業法務弁護士を目指すとのことですが、たとえばホリエモンのように直接に法律に違反することはしてないけど、ギリギリなことをしようとしている人から仕事の依頼を受けたとしてあなたはどうしますか?(当時ホリエモンは捕まっていませんでした。)
<法科大学院について>
・法科大学院を目指した動機は?
・あなたはなぜ現行司法試験ではなく、法科大学院をしたのですか?
・なぜ本院を志望したのですか?(法科大学院の中でも本校を選んで受験した理由は?)具体的にはどういった部分が?他には?
・なぜ少人数だといいと思ったのですか?
・なぜ母校の大学院にはいかないのですか?
・他の法科大学院は受けましたか?
・仮に本院に合格した場合、来ていただける可能性はどのくらいありますか?
・ロースクールではどの様に勉強していくつもりですか?基礎的な科目の勉強はどうやっていくつもりですか?
・本院に設置されている科目で、具体的に興味のある科目はありますか?
・本院には何を望みますか?具体的には?(勉強などの点について、何か、こういうことをしてほしいなどというご希望がありますか?)
・法科大学院においては、どのような教育が望ましいと考えていますか?
・未修コース希望ということですが、これまで法律の勉強をしたことはありますか?未修コースというのは、本当に厳しいカリキュラムになりますが、大丈夫ですか?
・適性試験の勉強についてですが、いつ頃から始められましたか?
<自己PR>
・あなたのセールスポイントは何ですか?
・自己アピールをお願いします。
・大学時代にやったことなんかを含めて自己PRしてみてください。
・学校で法律以外に学んでいることについて述べてください。
・大学学部時代に得た知識がロースクールでの学習においてどのように活かされると思いますか?
・あなたは他の学生に対してどのように貢献できますか?
・あなたは大学の成績がいいようですが、では「●●」という科目について1,2分間で内容を説明してください。(成績表を見ながら「銀行論」について質問されました。)
<その他>
・近頃の時事問題に関して、何か気になったものはありますか?
・最近起きた事件や事象、裁判等であなたが興味をもったものをあげてください。
・小論文について、あなたは賛成・反対のどちらの立場から論じましたか?論じた内容は?
・小論文試験はどうでした?ちゃんと書けました?
・勉強は好きですか?
・実務家教員の教育を受けたことはありますか?
・弁護士志望ということですが、家族とか先輩に弁護士がいるんですか?
<知識と意見の発展>
上記した質問の例について準備しておけば、あとはだいたいその場のアドリブで大丈夫だと思います。
しかし、<志望法曹像>の最後にあるホリエモンについての質問のように、日ごろからその分野について興味を持ち、考えていないと対処できないレベルの質問をされることもありますので、少なくとも自分が弁護士になりたいと思っている分野については知識と意見を発展させておく必要があるでしょう。
以上述べてきたように、面接試験といえども準備すべきことはたくさんあります。適性や小論文が終わって気を抜きたい気持ちはわかりますが、最終合格を手にするまであと少し頑張ってください!
なお、最後になりましたが、大事なことを一つ。
面接試験は筆記試験と違い、コミュニケーションをとりながらの試験となりますので、準備したことをただ暗唱しようとしたのでは良い評価を得ることはできないと思います。
「伝えたいことを伝える」のではなく「聞かれたことを伝える」ことが大事だと思うので、相手の質問をしっかりと聞き、会話の流れに合わせて柔軟に自分の意見を伝えてください!
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