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Library/ロースクール受験/D小論文試験

小論文試験とはあるテーマについて自分の意見を論ずるものです。

未修者コースの人が実地で受ける唯一の筆記試験であり、合否判定資料の中で適性試験に次いで2番目に比重の高い試験となっています。 したがって、適性試験が良かった人も気を抜かずに対策しなければなりませんし、適性試験が悪かった人にとってはまさにこれが正念場となるでしょう。

『私の受験経歴』を見ればわかると思いますが、私はもちろん後者の場合にあたり小論文試験は最も力を入れた試験であります。 そして私は、この小論文試験のおかげで合格を勝ち取ることができた生き証人ということになります。 適性試験を基準にした時に自分の成績より上位のロースクールを目指そうという方には、私の受験体験をぜひ参考にして頂きたいと思います。

良い小論文を書くには、ある程度知識をインプットをし、その知識を元に自分の意見へと昇華させ、そしてその意見を相手に伝わりやすくアウトプットする必要があります。 この3点をバランス良く身につけることによって初めて、読み手を説得できる論を立てることができるのです。 そうは言われても、後者2点については納得しても、最初の「知識」については疑問を持つ人がいるかもしれません。 しかしあるテーマについて良い論を立てるには、その背後にある事実を正確に把握している必要があるのです。 例えば、安楽死や尊厳死の是非を問われている問題の場合、安楽死と尊厳死の定義や、実際に医療の現場で問題となった事例等を知らないと、論の深さに大きな差が出てくるでしょう。 こういった知識は問題文に書かれている場合もありますが、やはり他の人と差をつけようと思ったら大事になってきます。 したがって、前述した通り、3点をバランスよく身につけていくことが大切となります。

ではこの3点を効率良く身につけるにはどういった対策を採ったら良いでしょうか。 私の経験や他の受験者の話しを参考にしてみた感じでは、予備校の小論文対策講座を受講するのが一番の近道であるように思われます。 私が受講したWセミナーの小論文対策講座では、課題図書や課題作文が頻繁に出され、また毎授業後に模擬テストが行われており、無意識のうちに上述の3点を身につけることができるからです。

しかし予備校の講座をとるほどの金銭的な余裕がない人もいると思います。 また、予備校の講座以外にも独自に勉強したいという人もいると思います。 なので以下では、予備校以外で上述の3点を身につける術を紹介していきたいと思います。

<知識のインプット>

これは本を読むしかないと思います。 しかし本を読むとはいっても、例えば恋愛小説を読んでいてもほとんど対策にはならないでしょう。 一言で「知識」といっても色々な知識がありますが、これは試験科目なんですから当然、ロースクール小論文に出題されるテーマについての知識が必要となるのです。 したがって、そういう知識が書かれた本を読まなければならないのです。

ここで私のお薦めの本を紹介しておきましょう。 読んでその名の如くといった感じですが、『教養としてのロースクール小論文』浅羽通明(早稲田経営出版)という本です。 臓器移植、出生前診断から地球環境、イラク戦争まで。ゆとり教育、性的自己決定から、グローバルリズムまで。 ロースクール小論文で問われやすいテーマについてかなりの情報や考え方が載っています。 また、各テーマは各ロースクールの過去問を軸に説明されていくので、試験対策としても非常に有用であると思います。 ただし値段が2100円と高いのと、情報量がかなり膨大で読むのに一苦労するという欠点はありますが。

この本以外では、『日本の論点2006』文藝春秋(2800円)や『朝日キーワード2006』朝日新聞社(1000円)などの論点シリーズが良いでしょう。 また、就職活動などと同じく新聞を読むと良いでしょう。 新聞はできたら毎日読んでください。 新聞の性質上、数日もしくは数ヶ月にわたって続いていく記事もあるので、当初考えられていた問題点・真の問題点・そしてその解決方法などを時系列にそって理解していくことができるからです。 忙しくて毎日すべての紙面を読むことができないという人は、社会面だけでも(できたら一面も)毎日読んでみてください。 ただし注意しなければなりませんが、これらはロースクール小論文で出されるテーマと完全に一致しているわけではないので、あくまで一般教養としてのインプットとなります。 一般教養というと試験に直接関係ないように思われがちですが、考える力の底上げができる他、過去問で出題されていなかった新テーマへの対応などに役立つので、非常に有用です。

<知識の意見への昇華>

知識のインプットをした後は自分の頭でそれを考えてみましょう。 その際には、抽象的に考えるのではなく、具体的事例に当てはめて考えてみることが大事です。 まずは自分で事例を設定するのもいいですし、新聞などに載っている事例を基に考えてみるのもいいでしょう。

また、ある程度自分の意見がまとまったら、その反対の意見も考えてみましょう。 そしてお互いの意見同士で批判、反論そして再反論を繰り返してみてください。 より一層そのテーマについての自分の考えが深くなると思います。

<意見のアウトプット>

知識が豊富となり意見が深いものとなったとしても、それが読み手に伝わらなければ意味がありません。 したがって、小論文対策においては意見のアウトプットの練習が最大の山場となります。

意見のアウトプットを上手にするには、まず、日本語の使い方や文章の構成方法を頭に入れる必要があります。 日本語の使い方は一般常識として、小論文における文章構成の仕方をここでは簡単に説明しましょう。

まず問いに対して自分の意見を答え、次に反対意見への配慮を示し、その反対意見に対する批判と自説の根拠を示し、最後にもう一度自分の意見を述べる。これが基本形となります。 例えば、
『あなたは、患者には安楽死を選択する権利があるという意見に賛成ですか?反対ですか?』という問いの場合、
『私は「患者には安楽死を選択する権利がある」という意見に反対である。』
『確かに、患者の自分自身の死に方を決める権利は憲法で認められている自己決定権に当たるかもしれない。』
『しかし、心身共に弱っている患者は安楽死を安易に選択しがちであり、これでは自己決定権を行使しているとは言い難いだろう。 また、医師が患者の救命に全力を注がなくなり、治療の質が低下する危険性が高いだろう。 これでは、患者にとって最も大事な財産である生命が危険にさらされることになってしまうのだ。 そして、患者の自己決定権を支える基盤である生命が危険にさらされるということは、患者の自己決定権も危険にさらされてしまうことになる。 これでは権利を認めるが故に権利を喪失してしまうという自己矛盾に陥ってしまっているだろう。』
『したがって、患者にとって大事な生命を守る為にも、患者の自己決定権を守る為にも、私は「患者には安楽死を選択する権利がある」という意見には反対である。』
以上。
といった感じで論を展開すると、比較的容易に説得的な文章を書くことができます。 こういった文章構成の仕方については小論文対策の解説書に詳しく載っているので、ぜひそちらも参考にしてみてください。

小論文対策の解説書で文章の構成方法を学んだら、あとはたくさんの文章を書き、何度もその文章を添削しましょう。「習うより慣れろ」です。

文章を書くテーマは、やはりロースクール小論文の試験テーマに沿っている必要があると思います。 なので、過去問集もしくは予想問題集等を買い、重要度の高いものや自分が受験するロースクールの過去問をに沿ったテーマのものを解くといいでしょう。

添削は自分ですることも大事ですが独りよがりな文章になる危険性も高いので、大学の友人や教授などにも見てもらい、客観的な評価を聞きましょう。 その際に、自分自身の評価と他人の評価が大きくくい違ったら危険信号です。 試験の性質上、読み手の評価が全てですから、素直に他人の意見を参考にして自分の文章を手直ししていってください。


以上の3点についてしっかりこなせば、きっと説得的な文章を書けるようになるはずです! 適性試験が終わってから始めても十分間に合いますので、頑張ってください!

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