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Library/ロースクール受験/A志望理由書

志望理由書(ステートメント)とは、法曹を志望する動機を書かせるものと、当法科大学院を志望する理由を書かせるものの、大きく分けて二つがあります。 またそれ以外にも、自身の経験から得たことや、進学後の学習予定等を書かせる法科大学院もあります。

私が受験した時は、志望理由書についての参考書では、法曹志望動機を書かせるものについて解説されているのが一般的でした。 もちろんそれが一番大事であることは確かなのですが、現実には前述したように様々なタイプの文書に対応しなければなりません。 なのでここでは、私が実際に各法科大学院に提出した、様々なタイプの文書を紹介していきたいと思います。

もっともスタンダードな志望理由書。法曹志望動機について。(成蹊大学へ提出:900字)

企業が進むべき道を提案し、その道を側面から支える弁護士になりたい。

私は国の経済発展に貢献する手段としての企業経営を模索したいと思い商学部に入学した。そして企業の経営陣との交流などを通じて、日本企業が多様化、国際化を進めることにより利益増幅を図っていることを学んできた。

一方渉外弁護士事務所のアルバイトでは、弁護士の指示の下、秘書として依頼者へ提示する文書を作成したり弁護士と依頼者とのやりとりを見聞きしたりしてきた。

そこで実際に私が感じたものは商学部で学んだビジネス像とは大きく違っていた。一つのビジネスを動かすために考慮しなければいけない法的リスクは多様かつ膨大なため、弁護士は数多くの文書作成や会議をこなしており、毎日夜遅くまで働いていた。私は徹夜での弁護士の契約書作成を手伝いながら、依頼者のために多量の文書を限られた時間で正確に作成しなければならない弁護士の仕事の厳しさを感じ、その緊張感の中で私も必死に責任を果たしてきた。また、弁護士と依頼者がプロジェクトの成功に向けて一丸となっている会議の風景を何度も肌で感じてみて、その一体感と真摯さに感銘を受けた。

つまりビジネスの多様化、国際化に伴って企業の法的リスクの多様化、国際化が進んでおり、これらに対応するための専門的知識がビジネスの現場において強く求められているのだ。具体的には紛争を予防して被害を最小限に食い止めるようなリスク管理が必要だろう。

このニーズに応える為には、依頼者とのコミュニケーションを通して法的側面から企業活動のリスク管理方法を提案し、新たなビジネスの開拓も後押しできる弁護士が必要であると強く感じる。

しかし私のアルバイト先の事務所の多忙さからしても、上記のニーズに比べて企業法務を得意としている弁護士の数が未だに少なく、リーガルビジネスを展開できる存在が不足していると思う。

それ故私は、企業の立場になってリスク管理方法を提案し、企業活動を法的側面からサポートできる弁護士となることを強く希望しているのである。そしてそのことにより、企業の利益増幅、ひいては企業活動の背後にある多数の市民生活の向上に貢献できると信じている。


様々なタイプな文書が混ぜられた志望理由書。(明治大学へ提出)
1法曹を志望する理由および明治大学大学院法務研究科法務専攻を志望する理由を具体的に記入してください。(原稿用紙240字以内)

私は秘書として弁護士業務の補佐を行ってきたが、彼らは依頼者である企業の為に多くの文書を正確に作成し、また依頼者と一丸となって会議を行っていた。私はその様なリーガルビジネスの現場を通して、ビジネスに伴う多様な法的リスクの管理方法を提案できる弁護士の存在が求められている事を痛感した。

その点、貴院には企業法務や知的財産等の科目が多数設置され、また経済法等で著名な高橋岩和先生がいらっしゃり、私が望む専門的知識を学ぶ環境が整っていると思う。

以上より、法曹と貴院への入学を志望する。

2法科大学院修了後の希望とそれに向けての法科大学院在学中の取り組みについて記入してください。(原稿用紙240字以内)

私は、リーガルビジネスについての専門的知識を背景に企業活動のリスク管理を提案し、企業の利益、ひいては国の経済発展に貢献できる弁護士となることを強く希望する。

その為貴院では、新司法試験に合格する為の勉学に加え、展開・先端科目群の科目を多く履修し、企業法務弁護士となる為の幅広く且つ深い知識を得ることを希望する。また実務演習等を通じて、法曹としての即戦力となる技能を修得したい。さらに自主ゼミ等を行い、積極的に興味ある法分野の研究及び法的議論の訓練を行いたいと考えている。

3資格、社会的活動、職歴、特別な活動記録、語学等に関する自己アピールについて記入してください。在学生の方は、大学在学中の活動も含めて、自己アピールを書いてください。(原稿用紙240字以内)

私は渉外弁護士事務所の秘書のアルバイトとして、弁護士と依頼者である企業が話し合っている現場を肌で感じ、リスク管理の重要さとそれを実現する為に弁護士と依頼者が一丸となる事の大切さを、身をもって学んできた。また弁護士や依頼者との対話を通して、実際に相手の要望を聞き出す訓練をしてきた。これらの経験が、依頼者と共にプロジェクト成功への道を歩むことに役立つと信じている。

また商学部で得た企業経営についての知識は、依頼者である企業の意図の理解を助け、法的アドバイスを効果的なものにするだろう。

4その他、1〜3に当てはまらないもの、書ききれなかったものについて記入してください。(原稿用紙240字以内)

世間一般の人々の間では、渉外弁護士というと企業の利権を擁護し、市民の生活を守るという弁護士の使命からかけ離れたところで活動している印象が強いように思う。

しかし私は、企業法務も市民の生活を守る役割を果たすと信じている。なぜなら、企業には従業員とその家族、株主、顧客等の多数の利害関係者がおり、企業の円滑な経済活動を支えることが多くの市民の利益を守り、生活を守ることに繋がると考えているからだ。

私は、企業法務により多数の市民の生活を守る弁護士になりたいと強く希望している。


形としてはスタンダードですが、文字数の多い志望理由書。(大宮法科大学院へ提出:2400字程度)
これまでの学業や社会的経験、語学力や資格など、出願者が自己のメリットと考える特性を踏まえて法曹をめざす動機を説明し、現時点で自分が目指す法曹像を提示するとともに、自分が法曹となることの社会的意義を説明してください。(A4用紙2枚以内)
<法曹志望動機>

私は「国の経済発展に貢献」する手段としての企業経営を模索したいと思い、商学部に入学した。在学中は企業経営を多角的に学ぶ為、経営学、会計学などの理論分野や、銀行、保険、物流など業種体系を学んできた。また、学部の科目や大学が主催する「法職課程教室」という講座を受講することで、近年企業経営を行う上で求められている法令尊守を学んできた。さらに各協会による寄附講座を積極的に受講し、そこで出会った企業の経営陣と交流をすることで、日本の経済発展を支えている企業の経営実態を学んできた。

私が大学の科目や講座を通して学び得たものは、現代の日本企業の多くは多様化、国際化を進め、規模の経済を利用して利益増幅を図っているということだった。

一方、企業経営を行う際に必須の知識である法令尊守、企業買収、登記、知的財産の扱いなどを企業法務の現場から学び取る為、大学1年の冬からは渉外弁護士事務所にて秘書のアルバイトをしてきた。そこで私は弁護士の指示の下、依頼者へ提示する文書を作成し、依頼者から弁護士宛でかかってくる電話の応対を英語や日本語でこなしてきた。また、会議の場において弁護士が依頼者の要望をコミュニケーションをしながら探っていく現場を何度も肌で感じ、弁護士と依頼者がプロジェクトの成功に向けて一丸となることの大切さを身をもって学んできた。そしてそのようなコミュニケーション能力を身につける為、私は弁護士や社員の秘書、依頼者などとのコミュニケーションを実践し、実際に相手の要望を聞きだす訓練をしてきた。

上で述べた弁護士事務所での経験から私が感じ取った現代企業のビジネスの実態は、大学の科目や講座で学んできたビジネス像とは大きく違っていた。一つのビジネスを動かすために考慮しなければいけない法的リスクは多様かつ膨大であり、そのため弁護士は数多くの文書作成や会議をこなし、毎晩遅くまで働いていた。たとえば、ある企業に対して敵対的買収防衛策を提案するという案件を私が手伝った際、依頼者の為に抜け目ない買収防衛策の意見書を短時間で正確に作成してゆく弁護士の姿を見て、私は弁護士の仕事の厳しさと、企業が抱える法的リスクの複雑さを強く感じた。そして、その緊張感の中で私も秘書としての責任を果たすため、弁護士が指示した文書を正確かつ素早く作成することに必死で取り組んだ。

企業がビジネスの多様化、国際化を進めて利益増幅を図ることに伴い、企業が抱える法的リスクの多様化、国際化も進んでおり、これらに対応するための専門的知識がビジネスの現場で求められていると、私は強く感じ取った。具体的には、企業活動に伴う紛争を予防し、企業の被害を最小限に食い止めるようなリスク管理が必要とされているのだろう。そしてこのニーズに応える為には、依頼者とのコミュニケーションを重ね、彼らに企業活動のリスク管理方法を法的側面から提示し、今後のビジネスの発展をも後押しできる弁護士が必要であると考える。

しかし私のアルバイト先の事務所の多忙さからしても、企業法務を得意としている弁護士の数はそのニーズに比べると未だに少なく、リーガルビジネスを展開できる存在が不足していると感じる。そして、そのことにより企業が抱える法的リスクが上手く管理されておらず、多様化、国際化の目的である利益増幅も実現されていないだろう。

それ故、効率的な企業経営に直接携わることよりも企業法務弁護士として上記のニーズを満たしていくことの方が、私の当初の目的である「国の経済発展に貢献」する手段として非常に有効だと考えるようになったのである。

しがって私は、企業法務を実践できる存在としての弁護士となることを強く希望しているのである。

<志望法曹像と私が法曹となることの社会的意義>

私は、リーガルビジネスについての専門的知識を背景に企業活動のリスク管理方法を提示し、企業活動を法的側面からサポートできる弁護士になることを強く希望している。

弁護士は当事者である依頼者の利益の為に法的サポートを提供している。依頼者の利益を追求するためには弁護士は依頼者の要望をコミュニケーションを通して探っていかなければならず、この場合に、もし依頼者のビジネスについて弁護士の理解が乏しければ、依頼者の意図を探ることが困難となり依頼者の利益を損なうおそれがあるだろう。

私は、<法曹志望動機>で述べた通り、大学の科目や講座を通して企業経営について様々な視点から理解を深めており、また渉外弁護士事務所でのアルバイトでは、弁護士として求められるコミュニケーション能力の訓練をしてきた。

したがって私は、これらの理解や経験が企業法務弁護士としての活動に少なからず役立つと信じており、また弁護士になった後の経験の中でそれらの知識をさらに深めていきたいと考えている。そしてそのことは企業の利益を最大限に増幅させ、私が「国の経済発展に貢献」する手段として非常に有効であると信じている。

世間一般の人々の間では、企業法務弁護士は企業の利権ばかりを擁護しており、それが「国の経済発展に貢献」する為とはいえ「市民の生活を守る」という弁護士本来の使命からかけ離れたところで活動しているという印象が強いかもしれない。

しかし私は、企業法務弁護士が「国の経済発展に貢献」することが結果として「市民の生活を守る」ことにも繋がると信じている。なぜなら企業の背後には従業員やその家族、株主、顧客、取引相手など多数の利害関係者がおり、もしその企業の経営が破綻したならば多数の利害関係者の生活も破綻してしまい、「市民の生活」に与える影響が大きいと考えているからだ。

したがって、私が企業活動を法的側面からサポートできる弁護士となることには、「国の経済発展に貢献」し、また多くの「市民の生活を守る」という社会的意義があると考えている。

私は志望理由書を書く時、参考書の書き方を参考にしつつも、自分考えを自分の言葉で書いていきました。 結果、面接の際には「よく考えてあるし、よく書けていますね」と褒めて頂くことができました。 さらに「受験生の多くは同じ様なパターンで志望理由書を書いてくるからつまらないし、嘘っぽいよね」ともおっしゃっていました。 つまり、面接官を担当する教授達は、受験生の想いがこめられた受験生自身の志望動機を読みたがっているのだと思います。 だからぜひ皆さんも参考書に載っている模範パターンを真似するのではなく、自分の考えを自分の言葉で書いてみてください。 こう言うと何の対策もなくただ自力で書けと言っているように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。 合格者の志望理由書を参考にして文章の構造や言葉の使い方を勉強するのはもちろん大切なことです。 真似をするのではなく、比較参考にしながら自分自身の志望動機をまとめあげていってください。

なおそれに関連して、志望理由書というと盗作が問題となりますが、盗作・無断転載等は絶対に禁止です。 著作権法に違反しますし、何より盗作した志望理由書では面接での質問に対応できません。 そうなれば、せっかくあなたに期待して一次選抜を通してくれたロースクール側をガッカリさせることになり、かえって成績が悪くなりかねません。 したがって、例えつたない出来であっても自分自身で考えた言葉で書いてみてください。

そして最後に、自分にとって満足のいく志望理由書が完成したら、大学の教授・友人・家族・ロースクール受験生・ロースクール生などなど、様々な人に読んでもらってみてください。 彼らは、書いた本人だからこそ気付くことのできない文章の不自然さや内容の不明確性などに気付き、貴重なアドバイスをしてくれるはずです。 本人がどんなに素晴らしい志望理由を持っていたとしても、試験官にそれが伝わらなければ何の意味もありませんので、彼らのアドバイスを素直に受け入れ相手に理解してもらえる文章作りに専念してみてください。 ここまでしっかりと準備をすれば、志望理由書については心配ないと思います。

なお、ロースクールによっては推薦文を提出できるところもありますが、教授や上司に推薦文を書いてもらう場合はまず自分の志望理由書を見せ、その内容と矛盾しないようにしてもらいましょう。 また志望理由書では書き足りなかった点などについて補強するというのも有効な手段であると思います。 なので推薦文を書いて頂く方に、どういった内容でどこに重点を置いた文章を書いてほしいのか、しっかりと意志を伝えるようにしましょう。

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