台 北 市 街

日本人の情緒性の欠如

 この命題について奇しくも外国人の二人が語っている。二人の外国人といっても、そのうちの金美麗さんは、かねて日本人として同様の発言を常に語っておられる。国籍は台湾であるが来日して42年以上になり、日本人に対する厳しい批判はむしろ大いに歓迎されている。例えば、諸君と言う雑誌(3月号)には、日本の若者、ハッキリ言って(甘えすぎ)です。

 誠に厳しい批判を堂々と書いておられる。産経新聞26日の記事によれば、大不況フッ飛ばせと言う、大きな写真入が出ていた。その顔ぶれを見て、やや、か細い学生の写真が出ていた。これは私一人の印象ではないと思う。

 ムルエカさんと現在の塩谷文部科学相との教育に関する対談は次回にまわすことにする。まず金美麗さんの情緒に関する意見を聞いてみたいと思う。彼女はエッセイストで抜群の文書を書いている。

 華麗なエッセーの文書は他人の批判を寄せ付けない立派なものだ。また台湾からの旅行団体の55人の案内まで引き受け、青森県六ヶ所村の日本原燃株の再処理施設を案内し、雪は注文どおり降らなかったが、再処理施設は見学で来てよかったと報告している。

 原発について、彼女の亡夫は理系出身で「電力の消費が年々増えているのに、反対、反対と唱えるのは無責任。原発は一番クリーンなエネルギーなのだが」が持論だったらしい。
彼女の発言は「日本人は常に一歩引いた遠慮がちな批判が多いが」、彼女の場合は遠慮のないズバリ適合した批判を述べている。

 外国人だからではなく、信念として述べるので、心に響く言葉になるのだ。
資源の乏しい日本は「技術立国」の道しかない。常に半歩先、一歩先を歩いていなければ、低賃金の労働力を供給できる国々とは勝負ができない。便利で、快適な生活を供給するためどれだけ多くの人が、汗水流しているか、原燃の現場に立って改めて考えさせられたと言っている。

 忙しい旅立ちの一編は、出雲へは用心して前日入りのスケジュールを組んでいたので、一番確実な寝台特急に急遽変更、東京駅を22時発、出雲市駅翌朝958分着の「サンライズ出雲」に乗り込んだ。

 数年前、べネチアからパリまで乗ったオリエント急行に比べたら、快適さはかなり落ちるが、費用は十分の一。朝のカフエオレの焼きたてのクロヮツサンはなかったが、「ブラインド」を開けると雪国だった」鴨川の濃霧の先にはスペインの料理があった。苦あれば楽あり。苦を避けていたら楽はやってこない。

故 宮 博 物 院

 六ケ所村からの帰路、羽田空港は夕焼けに輝き、遠くに富士が映っていた。モノレールの沿線にも富士が見えた。普段、往路は新聞を読みし、復路は暗くなっていることが多い。数え切れない回数を乗っても、ついぞ気が付かなかった。

 日暮れ時のモノレール、浜松町に向かって左、出発まもなく、広々とした背景に、そのうちビルの合間に時々姿を現す。些細な発見だがうれしくなる。冠雪した富士は特に美しい。寒く晴れ渡った日、サロンの窓から眺めながら、熱々のロイヤル・ミルクテイーを飲む。「視界絶好」ハッピーな一日の始まりだ。明日7日、めでたく後期高齢者の仲間入りをする。

 なんと美しいエッセーを書く人だろう。数多くの旅行者が、これほどの感動・情緒を持つ人が果たして何人いるだろう。情緒性の人が少なくなった昨今の日本人に旅人の情緒が少しでもあれば・・・・・と思いを抱いたのだ。

  平成21年3月19日               石 井 立 夫