上海・崇明島の開発

 かねて中国の高度経済成長は偉大なものがあると承知していたが、偶然の機会に崇明島の現状を見て一驚した。私は昭和十五年(1940)ごろ父親がこの島で二つの紡績工場の経営を委託され、この島を二度訪れたことがあった。当時の島はいわゆる未開発の単なる島であった。

 揚子江から流れ出る砂、おそらく何万年と積み重なった、自然に出来上がった島だったと思っていた。その後の調査で確認できた。写真で確かめた・・・・・・。しかも写真をみて更に驚いたの、完全に様子が変わっていたのだ。この島の大きいことを今更知ったのだ。

 戦前は単なる平地であり、上海に近いので、現地で土地の所有者と交渉して牧場を経営し上海には当時有名なカーネーションという世界的有名な牛乳会社があったので、タイアップしたいなど、まるで暢気なことを考えたこともあった。最近の調査によると既に上海とこの島との間に橋梁で結ばれており、ゴルフ場や、金持ちクラスの別荘地帯が出来ているそうだ。尚新規開発は進んでいるらしい。
尚驚いたことには、奥地には渡り鳥が生息している地区があり、中国政府はこの地区の保存計画もあるそうだ。上海の正面にある浦東には立派な国際的な航空地やビル街が出来ており、直接繁華街につながっていることは承知していたが、この地区と崇明島との間に地下のトンネル計画があり、これが出来るとますますこの島の付加価値が上がることは容易な条件になるだろう。

昔揚子江の出口に高橋(カオチャオ)という名の海水浴場があったが、この地下にくぐることになるらしい。戦前のこの地区に詳しい人は、上海から大きな客船が出入りしていたことは記憶にあるだろうが、地下のトンネルであれば、この心配はなさそうである。

 とにかく中国の大都市に対する計画はとどまるところを知らず、まさに騎虎の勢いとはこのことだろう。過日は米国のオバマ大統領が34日の訪問をしらしいが、日本訪問を一応儀礼的に一日の訪問をして、中国との差をつけられた恰好だが、両国の親密度はますます深まる予定らしい従来のわが国との関係は続くだろうが、国際的な関係は日に日に変貌してゆくことを如実に見た思いをするばかりだ今後の国際的の見遠しは計り知れないものがあるが、日本政府は今後の計画はどのように進んでゆくのか、はなはだ興味がある。

  平成21年11月19日               石 井 立 夫