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政冷経熱という言葉を新聞で知った。どうやら中国側から出た言葉らしい。しかし、文字の印
象から、何となく、日本と中国の間に横たわっている問題点を指摘している意味は読み取れる
最近の中国の文字は略字が多く使われているので、読みにくいのもあるが、この文字は崩して
いないので、現在おかれている両国の立場、主張がはっきり読めるのである。
南米チリ国で国際会議があり、日本の小泉首相と中国の主席との間で、果たして靖国神社参拝
の言葉が出るか、どうかジャナリストが注目していたが、やはり出た。
ラオスで外務大臣クラスのACIAN会議があり、日本の外務大臣が出席し、中国側の外務大
臣クラスの代表が出たが、やはりこの問題が出たらしい。
日本の有名な評論家がコラムを書いていたが、靖国神社は中国側から見たら、ODAの「打ち
出の小槌」だと断定的に書いていた。
私もその意見に賛成だ。過去のODAの数字は新聞報道から拾ってみると、24年間で日本から
中国へ3兆3千億円になり中国の復興資金に寄与しているのである。
ところが、中国の内政の安定成長が進み、中国から東南アジア諸国へ、中国からODA資金が
6年の間に4,250億円も供与している実態が分かった。
見事な成長ぶりを示し、実力のついた中国の勢いは予想以上のものらしい。
そこで、最早中国へはODAの支援は要らないのではないか、むしろ他の最貧国へ回すべきで
はないかとの政府内での声が上がってきた。この情報にもとづいた中国側から当然のごとく反
対論が出ているらしい。この事情から、政冷経熱という言葉が出てきた根拠らしい。
中国経済の発展振りはすさましいものがあり、併せて軍備力増強も進み、過日も中国の原子力
潜水艦が日本の領海内に密かに侵入したというニュースがあった。弱腰の日本政府の対応は、
日本の領海から出た段階で、その対応策が騒がれている。中国政府はとっくに日本ののろい対
応策を見透かして、悠々と雲隠れした。
その他新聞報道で騒がれる問題は、完全に中国側では承知の上で、しかも堂々とやっているの
である。さて、深田 祐介という作家が12月6日産経新聞に書いているコラムの題名は「中
国は20年後の転機を生き残れるか」副題として、「北京政府と親中派の愚かさ競演」大変面
白い内容だ。その中身で驚嘆すべき記事が書かれていた。藤野文紹氏の異常なほどの熱狂的な
中国信奉者の発言だった。「太平洋地区、アジア地区はすべて近い将来に中国圏になる。
「中国圏の一国として生きてゆくのです」「要するに、日本は中国の属国、あるいは属領とし
て生きて行け」という正気の沙汰とは思えない発言をしている。
一方、本年七月十二日付けの人民日報に、任仲平氏という中国人の論説が究めて注目されてい
る。「中国は現在一千ドル程度に過ぎない国民一人当たりの年間所得を向こう二十年間で三千
ドル程度まで引き上げる必要があると主張し、中国にとっていま「もっとも『穏定』を維持す
ることだと説いている。穏定の意味は「敵対的な外交、緊張政策、恫喝から始まる恐れのある
戦争、それらの対極にあるところの平和」だと解説している。背景には日本の今日の姿に似て
いる二十年後を境に人口が中国の場合ピーク・アウトし、急速に進む超老齢化社会の到来があ
るという。現在でも膨大な農村の人々は医療保険、年金保険制度とは無縁で、都市人口の七割
が決して十分とはいえない恩恵を受けているだけ」 と指摘「向こう二十年が、専門家ができ
るかどうか、中国が先進国になることができるか。できないか、最後の機会となる」と述べて
いる。「政治最優先」が中国の国是だったはずではないかと、厳しく指摘する中国内の評論家
もいる。中国にとっても残る二十年しかない。台湾侵攻などもってのほかで、「安定圧倒一切」
(安定がすべてに優先する)でなければならない」中国はこの「二十年」問題を正面から通視
すべきだ・と書いてあった。日本が抱える諸問題と究めて似ている面があるが、中国の勢いは
当分の間おさまりそうもない。
いろいろの見方をする人があるが、さて、私は二十年後に、この姿を見ることが出来るかどう
か、運を天に任せるしかない。しかし、出来れば見たいものだ。
石 井 立 夫
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