いぎたない(寝稼)
軍隊にいる時にも、友人が(お前はよく寝る男)だと言われていた。木製のベッドの間に潜りこんで,良く寝たものである。暇さえあれば・・・・・・・。 その友人は永遠に寝てしまったが、惜しい友人を失ったものだ。
広辞林によれば、①目がさめるのがおそい・寝坊だ・ねむたがりやだ・眠りをむさぼっている等・・・・・・・。 なぜ眠りにこだわっているのか?
理由はわらない。ともかく眠いのだ。 一転して自分の若き日を思い出してみる。特別の子供ではなかったが、必ず純真な心は失わなかった。別の言い方をすれば、まことにお人よしに育った。 損得を言えば大変損をした人生だった。 しかし、それが人に迷惑をかけたことはなかった。むしろ人から騙されたことはあったのかもしれない。特別大きな騙され方をしたわけではないが、いつも人を騙すよりは、騙されることのほうが、優先するような人柄だった。このことが、お人よしの典型的な姿かも知れない。
軍隊で経験したことは残念ながら、お人良しの経験が数多くあった。入隊した晩に支給された営内靴(上履き)を盗まれてしまった。班長に報告したら、馬鹿野郎自分で探して来いと言われた。つまり人のものを盗んでこいという意味だ。
これを軍隊では、員数合わせ(いんずう合わせ)という言葉になるのだ。つまり数を合わせて、その場を凌ぐことなのだ。いう意味だ。つまり最初の晩から泥棒の真似ごとを教わったのだ。
幹部候補生の教官(二次)が、終戦になった日に、トラックを兵隊に運転させて如何にも仕事のような顔をして、軍隊の物資を積んでいるところを連隊長が見つけて、注意されていた場面を思い出している。
教養がない人だったが、このような嫌な場面を多く見たが、日本軍が戦争に負けた理由をまじかに見た覚えがある。今でも覚えているが、自分は果たしてまじめな軍人だったかは、はるか昔のことだから忘れてしまったが、空しい思い出ばかり残る軍隊生活だった。