生業という言葉

 ナリワイと読マセル 今時この言葉を使うのは限られている感じがする。
一般には職業は?・・・・という言葉が使われているようだ。
生業という言葉は一般には世渡りの仕事、すぎわい。よすぎ。なり。家業。源氏物語【夕顔】「今年こそ生業にも頼む所すくなく」「八百屋を生業とする」と広辞苑には説明書きで出ている。

  例えばサラリーマンの場合御職業は?という聞き方をするようだ。その場合は大抵の場合サラリーマンでございますと応えるだろう。これ以外の答える方法はない。大抵の場合いはこの様に答える。

 一般的にはこの職業別は別に法律で決まっているのではないが、落語などでは敢えてこの言葉を使う場合があるようだ、例えばお前さんの生業は何ですかと問われる場合は、大工【デーク】ですと応える場合が多いようだ。粋筋の人などは、へりくだって自分の職業をナリワイと言ったものである。戦前の粋な街筋で新内節を三味線でながしていた風景を思い出した。待合という家並みがあって、その街筋を粋な三味線を爪弾きながら流していた風景を今でも覚えている。いつ頃無くなってしまったのか知らないが・・・これも生業と言う言葉が似合う。職業に貴賎はないと言われたものだが、軍隊・サリーマンを経て、今日があるのだが、その間一度も職業を卑下したような事は言われた覚えはない。

 自分を卑下して言った覚えもないが、日本には割合くだらない言葉があるようだ。たとえば、大阪に転勤して最初に忠告された言葉があった。現在はないだろうが、決して言ってはならい言葉として、エツタと言う言葉は絶対に言ってはならないと言われたことがあった。
自分を卑下して言った覚えもないが、日本には割合くだらない言葉があるようだ。たとえば大阪に転勤して最初に忠告された言葉があった。

 初めて聞く言葉だったが、東京にはそのような差別言葉は聞いた事がなかったので、最初はいささか抵抗を感じたが、別に使うことも無かったので、今では覚えていない。
世間ではこの様な差別語があるとは思わないが、もともと差別語が出てきたのは一体いつ頃のことだろうか。おそらく江戸時代に差別されたケースがあったのではないか。あの頃は人権云々という言葉さえ無かったのだから・・・・・・・

 現在はむしろ自分の仕事に誰でも誇りを持つような時代になったようだ。
この区別がない時代に生まれ合わせた私には誠にありがたい時代に巡りあったものだと今では思っている。

      平成23年5月26日             石井 立夫