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乗馬の達人であった建川はうまくコントロールしながら走っていたが、私の場合は全くその逆で、へたをすると転びそうな姿だった。どうやら馬のほうが勝手に自分の場所を覚えていると言わんばかり・はしり続けて厩舎に収まったのだ。
全く様(サマ)にならないとはこの事だ。さてこの晩の空襲は後世に伝えられる誠に酷いものだった。東京地区一円の大空襲だった。幸いにも厩(ウマや)ではなく、連隊の庭先に集中的に落として行った。
塹壕に避難していた我々は中隊長の突撃の掛け声で火消しに集中出来たのである。
米軍はこの連隊の跡地利用を考えていたようだ。そのころは・すっかり米軍の飛行機になめられていた格好だ。
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