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戦後暫くして偶然にも私の結婚の荷物を
運ぶために彼が運輸業を始めていたのを知らずに依頼したことがあった。
その後同期会で何回か会う機会があったのである。彼は粋な男で、そのたびに座を愉快にした男であった。軍隊時代の中隊長の真似をしたり、唄を歌わせると一流の声で唄い、愉快な座を保った男であった。
其の彼の逝去の通知を受けたときは、さすがショックを受けたのである。
奥様からの通知だったが、老衰のためと書いてあった。彼の老衰の姿には想像が出来ないが、お互い九十歳を超すと老衰の扱いを受けるのだろうか。私は断固として衰えを知らずに自分の最後をまっとうしたいものだ。残りの友人とも偶には連絡を取っているが、幸いにもお互いに衰えを感じる人はなく、お互いの健康を確かめあうことが出来る間柄になっている。
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