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両者間には直接関係のないものであったが、場
所が北茨城海岸の磯原・五浦歴史めぐりの観光コ
ースに組み込まれ、その双方の歴史的、運命的、
情緒的、革新的、の全てを含む、誠に珍しい講義
を受けるチャンスに恵まれたのである。このコー
ス選定は石井先生の発案で、おそらくこの二つの
組み合わせは、容易なものでなく、深い歴史感覚
の教養があってこそのものであろう。“野口雨情
のふるさとを訪ねて”さて、最初の車中の講義内
容は「野口雨情」から始められた。現代子供界の
不幸の一つは、子供のための童謡が創作されない
ことによるといっても過言ではあるまい。その昔
世代の差は若干あっても、必ず歌い継がれた子供
の歌があったのである。人は誰しも、その時代の
傾向が何であれ、純朴な歌が必ず生活の傍にあり
その多くは母親によって、直接歌って聞かされ、
覚えたものである。
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