CEO女子進出時代

 世は正にCEO女子進出化と思わせる実態を知った。CEOのスペルは下記の通り。
Chief Executives Officerと称し、最高経営責任者という意味。ダイエーが事実上倒産しかけたときから、事後の事業整理または引き受け手の選択が暫く続いた。
結果として林文子氏が選ばれたが、他に社長その他スタッフも決まり、新しい再建のスタートを切った様子だ。

 最近のニュースとして大きく取り上げられたが、その優秀な経歴と華々しい今後の方針を述べている。産経新聞のインタービューにダイエーの次期会長に就任する林文子顧問が応じていた。彼女は「一年後には売り上げ、利益とも目にみえるかたちで上げたい。今年後半には新型の食品スーパーを出店する」と語った。

 また月一回の全国店長会議を開くなど、これまでのダイエーになかった施策や若手登用で現場を活性化させる考えを示した。

 三洋電機のCEOに元NHKに勤務経験があり、現在は自由な立場でキャスターを務めていた野中ともよさんの例などもある。野中さんの場合、彼女は事業経営体験はないが、三洋電機は彼女のネーミングを採用し、本業の電機業界へのイメージチェンジを図るのが目的ではないのか。この業界の競争はまことに激しいものがあり、ソニーのCEOも交代しているところを見ると、素人の私の知るところではない。

 CEOは文字通り企業の企業のトップ。1980年以降、アメリカで取締役会(監視側)と執行部(業務執行部)との分離が進む中で普及した制度だ。CEOが会長を兼務し、社長がCOO(最高執行者)を兼務するケースが多く、アメリカでは多くの場合、CEOとしての会長に権限を集中させている。

 翻って日本では、会長はステークホルダー利害関係者の調整役という意味合いが強く一般的に「名誉職」とされてきた。ここ数年、日本でも多くの企業がCEO職を採用しているが伝統的に社長が経営トップである上、取締役会と執行部の線引きがあいまいなケースが多く中途半端な役職ともいえる。社長に権限を集中する目的で、CEOやCOOを廃止する企業も出てきているダイエーのCEOに就任した林 文子氏の経歴を見ると、激しい仕事振りが紹介されている。BMWという自動車会社の東京株式会社代表取締役社長からの転進。

 1946年生まれ。東レ、松下電器産業、77年ホンダのセールスとして勤務。
彼女の経過を見ると、学歴ではなく、実に驚くべき自分の使命感を持った、セールス・マインドである。当時としては珍しい女性セールスとなり、入社翌月にはトップセールスとして約五年後にトップセールスに。87年BMWに入社。入社二年目に年間98台のBMW車の販売を達成。約五年間に400台の販売を達成し営業管理職に入る。93年度新宿支店長に抜擢される。業務低迷していた同支店を最優秀店に育てる。
98年中央支店長に就任。同支店も最優秀支店に。在任中フオルクスワーゲン・グループにスカウトされ、99年度直営であるファーレン東京株式会社取締代表就任・4年間で総売上販売台数とも倍増させる。

 2003年8月BMW東京株式会社に取締役社長として復帰。彼女のモットーは
「ホーレンソウ」(報告。連絡、相談)は上司から」が持論で、ビジネスの基本はコミュニケーションを経営理念に捧げ、自動車販売業界で数少ない女性経営者として活躍。
自動車販売はセールスマンとして、一番難儀なものと従来聞いていた。この激しい販売競争に挑戦し見事な成績を上げた彼女の存在は、この業界では有名だったらしい。17年4月1日ダイエー顧問になった彼女はこれまでに6店舗を視察し、担当者らと意見を交換してきた。

 『前向きな投資が出来ないなかでも、工夫して頑張っている。優秀な人材が多い』との感想を持ったといい、現場への権限委譲も積極化する考えを明らかにした。創業者の中内功氏によるトップダウンの風土が残っており、同社が産業再生機構を活用して金銭支援や丸紅などの支援を受けることについて社内でも「よく分かっていない人もいる」という。このために社員とのコミュニケーションを重視する考えで、地区毎の店員会議を始め、月一回の全国店長会議を開き、役員も出席し意見交換するなど、新規の方針を打ち出している。

 惣菜などを重視した食品スーパーを今後五年かけて首都圏と関西圏で計百店舗出すことを再生の柱にする。ダイエーが変わったと強く印象付けるには、新店を出すことが一番。スピードをもってやりたい」と語った。「下半期には前年割れから脱却したい。
一年後には売り上げも利益も目に見えてあがってくる」との見通しを示した。

さすが自動車販売で一流の成績を残した彼女の方針が実現するだろう事は、大いに関心の度合いを持たせるだろう。

 さて、以上に記載した最近の新聞紙上に見かけることが多くなったCEOとは、どうやら
ホリエモンの名前で一時時期話題になった事柄が関連しているらしい。

17年5月1日産経新聞の正論に慶応大学榊原英資氏がホリエモン騒動について注目すべきコラムが出ていた。題名は「本質に迫れぬ浮き足立ち症候群」というサブタイトルで次の記事で注告記事を書いていた。例として米国で幾多のベンチャービジネスを育ててきた原丈入氏の著書から、CEOの危険性と内容を述べていた。

 振り子は戻りつつある・・・ここで留意したいのはアメリカでは少数派ではなく、既に社外取締役制度、ストックオプシオン見直しなどアメリカ型コーポレート・ガバナンスの修正は始まっており、極端に株主資本主義に傾いた振り子は戻りつつあるということである。そしてホリエモン君などは、それほど学識はないのであろうが、本能的にアメリカ型コーポレート・ガバナンスを理解し、アメリカ型マネーゲームとして日本の資本主義を市場を荒らしまくっているわけである。

 時価会計導入に反対と言ったら、守旧派扱いされ、馬鹿にされるのが落ちだが、本当にそうだろうか。すべての会社が資産運用会社であれば、それもいいだろうが、製造業やサービス業にそれを導入することが本当に妥当なのかどうかを真剣に議論した人がどれほどいるのだろうか。ものを基本から考えなくて来た知識人、専門家たちと「浮き足立った」経済人やメデイアが主流になっている日本は危うい。
今度のライブドアー事件から,透けて見える日本は,誠に軽薄でしかも幼稚であると断罪せざるをえない。CEO型の批判はなかなかな厳しいものがあるが、製造業、サービス業には当てはまらないとの見通しもあるので、ダイエー問題は直接の批判は当たらないのではないだろうか。              

                         石 井 立 夫