戦時中の貴重な食べ物 戦時中よく食べたサツマイモ
.川柳に見る日本の還暦

 戦後は既に60年を迎え、還暦に当たる年でもあるので、メデイア、テレビ、などで盛んに日本の戦争への反省を込め、戦後の歴史が多く語られている。その多くは、選挙もあることだし、単なる歴史だけではなく、失われた日本から、如何にして立ち直るか、外交面、憲法改正、年金問題、少子化問題、など問題が山積しているが、時代の変化にどう立ち直るか喧々諤々の討論が盛んである。

 今朝(平成17年9月4日朝刊)を読んでいたら、和歌、詩歌、短歌、川柳のページをふと読んでみた。特に川柳には季語は不要だが、ウイットがなければ浮かんでこない、面白いものが目に止まった。短い川柳に、戦後の苦しい時代を、しなやかに、気取らずに、過ごしてきた実感に満ち溢れていた。

  選者は神奈川大学教授腹本一郎氏で、テーマは「昭和」となっていた。選者が選んだ川柳だが、我々戦争の体験者を唸らせる歌が選ばれていたので、私の想いもこめて読んで見た。

@「昭和史のところどころが 焦げている」群馬・富士見村・小林達也選者の批評・ところどころが焦げているーー見事な表明ですね。思わず唸ってしまいました。満州事変、日中戦争、第二   次世界大戦といった「昭和史」の抱え込んでいる負の部分(必ずしも戦争に限定されませんが)を、 このように表現し、後世に警鐘を鳴らしているのです。

私と同じ年齢の人が歌ったのでしょう。同じ苦労をしてきた人でなければ、このような川柳は出てこない。

A昭和とは生年月日を書くのみに・・・・東京杉並 渡辺 敏夫
B日の丸を虚(むな)しい旗にした昭和・・・・・西東京市 神山 勢陵C平成が引きずっている昭和かな・・・・豊中市  大椿こうせいD敵国と仲良くなって大国へ・・・・・・川西市  駒井 かおる

現在の豪華なメニュー

E八月になると昭和が疼(うず)きだす・・・・・和歌山市 武本 碧
Fああ昭和食へない食へる食い飽きる・・交野市  田岡 九好

G闇市で命つないで今肥満・・・・・・・箕面市  村松 正子
H偏差値の昭和ゆとりの平成へ・・・・・西東京市 矢ケ崎 耕一

 以上九首の川柳が発表されていた。私には、どれもこれも胸に迫る川柳ばかりだが、詠み人たちは、どの方も戦後の苦労をされた方々だと思う。それらの苦しみをウィットに富んだセンスで、何気ない表情で出てくることは素晴らしいではないか。最近痛感するのはG番の日本人は食い道楽になっているのではないだろうか。

 世界中で、あらゆる国々の食材を揃え、現実性に乏しく、品性も伴わない番組を毎日のように出てくる。肥満問題も語られるが、それが、糖尿病患者を増やし、眼疾を患い、老いてその付けが回ってくると言う現象が増えているような気がしてならない。筑波大学名誉教授村上和夫氏の論文を拝見した。

日本人の毎日の食事は、かっての王侯貴族をしのぐ世界中の豊富な食材からなっており、カロリーの過剰摂取による肥満が健康を脅かしている。その一方で、世界には飢餓で苦しむ約八億三千万人の人々がいるという。

 ひところ「世界がもし百人の村だったら」という本がベストセラーになった。「世界の人口を百人の村に縮小したら、大学教育を受けているのはたった一人で、なんと七十人は文字さえ読めないのである。もし冷蔵庫に食糧があり、着る服があり、頭の上に屋根があり、眠る場所があるなら、あなたは世界の75%の人より恵まれています。


 日本人は世界の貧しい国の人々から見れば、物質レベルでは理想的である。果たして私たちに、その自覚があるだろうか・・・・・川柳から大きく話題が反れてしまったが、世界中に多くの貧しい人々が現存し、敗戦後の日本の何もない貧しい頃を思い出すではないか。

                        石 井 立 夫