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| 巣鴨お地蔵さん |
| 完全無敵の老人学 |
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この題名に驚いてこの本を購入した。著者は和田秀樹氏と大月隆寛氏の共著である。 |
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老年者である私の溜飲を下げる内容で世間に媚びないものであり、かねて尊敬していたお二人である。まだ40歳代の若者である。先ず大変面白かったのは、老人を二段階に分けて語っていた。七十五歳までは、ヤング・オールド、それ以上の老人をオールド・オールドと分類して、それぞれの健康状態、知能、その他格差が出てくる実情を語り合っていた。 |
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私の場合は勿論オールド・オールドの分類に入るのだ。残念ながらオールド・オールドの内容は割合に語られていなかったが、この部類に入った人達は既に人生の大部分を経てきたのであり、むしろ高所から読むべき記事が語られていた。 |
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さて、ジャーナリズムで目下話題の中心になっている団塊の世代は、この本では問題視されていない。75歳までは老人ではないとのタイトルで語られており、当然のことだと思われるからである。団塊の世代論は色々な形があるらしいが、ご丁寧な紹介記事が多い。各人の差があり、天下りして、再びサラリーを稼ぐ人もあり、田舎のある人は、田舎での再出発を計画している人もあるだろう。 |
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まるで商品のサンプル見たいなものだが、その他大勢の人たちは、戦後生まれが対象だから、平和な時代が始まってからの世代だ。最近の驚くべき現象としてリタイヤーした主人に離婚を申し入れるケースがあることだ。従来の思考は、ともに白髪になるまで、と老人は思うが、最近の奥様族の中には、待ってましたとばかり,旦那の退職金の半分を寄越せとばかり、宣告し、またそれに同意する旦那もいるらしい。 |
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離婚を申し入れた奥方の心境も理解はできるが、老人の域に達した時の想像はつくのだろうか?つまり茲に語られている、ヤング・オールド、オールド・オールドになった時の自分の姿がどのようなものになっているか、誰も想像はできない。 |
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| 和 田 秀 樹 | 大 月 隆 寛 |
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しかしこの本には、その時の在り姿を、真正面から解説しているではないか。私も老齢に達するまで、予測は出来なかったのだから、人様の奥様の将来まで言えたものではないかと思うが・・・・・・バブル時代を経験し、社用族という名の遊びは経験しただろうが、著者の言うには、おそらく引退した後は、自費で遊ぶことはないだろう。 |
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自前で遊んでこそ、初めて遊びの本質を学ぶのである。オールド・オールドの部類に入る人でも、元気な人で、金を惜しみなく使える人の中には、粋な遊びをしている旦那衆がいるらしい。私のような年金暮らしの老人から見ると、誠に垂涎の的のような存在である。 |
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ヤング・オールドの人達は、戦争の体験した人はいただろうが、戦争時代の苦しい体験を踏んだ人達も多いだろう。例えば都会の下町で育ち、疎開を余儀なくされた人達だ。今から思えば大変貴重な体験者と言えるだろう。反面戦後の急激な社会の変化の影響を受け、例えば教科書に墨(スミ)をぬって、貧しい思いを体験した人達だ。 |
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その人達もヤング・オ−ルドの域に達している。世の中ご丁寧なハウツーものが親切がましく書かれたものが多いが、この本にはまだ現役で活躍している人の例の、在り姿が書かれている。 |
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最初に印象深い人の中に阿久 悠氏がいる。作詞家、作家として紹介されているが、時々彼のコラムを読む機会がある。彼が作詞した曲を多く語るまでも無く、現代の芸風に相応しい作詞があるのだろうか、単純に考えてしまう。反面コラムを読む機会があるが、ボキャブラリー、表現の仕方、内容の取り上げ方、どれもこれも感じ入るばかりだ。 |
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終戦の年齢が八歳と言うから、ヤング・オールドの部類に入る年齢になる。 |
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世に蔓延る拝金主義、社会に存在した確固たる常識、正義、礼節の欠如、七十歳になっても治らない幼児性も、醜怪なほどの公徳心のなさも、みんな、ここ五年ほどで始まったことだと言う。世論になりそうな気がする。アブナイ アブナイ・・・・・・ |
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| 大 橋 巨 泉 | 阿 久 悠 |
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この書き出しから始まっていた。彼が終戦の時、経験を素直に語っていた。気弱な敗者で、諦観しかない庶民は、いい気持ちで酔ったふりをして、混乱の時代を過ごした日本人の弱さを表現している。昨日までと今日からを考えると、今日の方が正しい。昨日までの価値観を反転させると民主主義になる。国より個人が大事になる。 |
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先生より生徒,巡査より泥棒が偉くなることになる。遠慮入らん、勝手が勝ち、何でも自由、迷惑なんて言葉はなくなり、どうだ、いいだろう。このようなギャグのようなことが、事実今日まで当たり前に続いてきたのであり、現在国際的には通用しない、異様な形で、外国人から見ても理解できない形で、どうやら平和が続いてきた。 |
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ひたすら外国に謝りながら、卑屈な形ながらもどうやら人の悪口、小泉首相の所為にして何とかしながら継続してきた。オールド・オールドから観ても、情けないのを承知で、口も閉ざされてきた感じだ。もう一つの例として、大橋巨泉が取り上げられている。彼の評価は30歳の若き日から、将来を考慮して、計画し、しかも成功を収めた。 |
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反面これは誰にでも出来るものではないと書かれていた。確かに彼の成功は他の真似を許さない才能を持ち、計画性を持っていたので、成功した。国会の議員にも当選しながら、半年もしないうちに辞職した。お蔭様で湯河原町町会議員から、二度も国会へ挑戦し、大橋巨泉の次点で落選したのだが、大橋巨泉の辞職のお蔭で、見事国会議員へ当選した。 |
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国籍はフインランド人だが、日本国籍を取得し、見事に当選を果たしている。 |
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本書に登場する痛快老人の紹介がなされていたが、人様々で私の条件には必ずしも適合した人ばかりではなかったが、この本を大変興味を持って読み終わったのは事実だ。 |
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どっこい生きているオールド・オールドから観れば、団塊世代なんかどう生きて行くのか群れるだけで生きてきた甘えで、果たして一人暮しの自信すらもてない連中が多いと聞く。これから始まる冒険は避けて通れないんだよ・・・・・・ |
| 石 井 立 夫 |