セルフエステイーム

 この英語の言葉を最近知った。Self-esteemというスペルだ。この意味するところは、辞書を引いてみると、「自尊、うぬぼれ、自負心」と出ている。アメリカに留学した或る女性が、最初は英語が出来ない、喋れないので、自己嫌悪に陥り、自分を賤しめていた。留学当初は「大学に入り」自分なりに勉強するために決心してきたのに・・・
アメリカ人に「あなたは、セルフエステイームが低過ぎる。

 英語が出来ないのは、それが原因かもしれない」日本で教育を受けてくれば、「惻隠の情」「能ある鷹は爪を隠す」謙遜、遠慮、控え目、反省、慎み深い、などなど、古い人間ほどこの種教育を受けてきている。日本人にとって自尊心は勿論心得ているが、うぬぼれは、むしろ反対の意味として、なるべく、うぬぼれは控えるべきものとして考えてしまう。

 国情に違いがはっきりと異なっているのだ。アメリカ人は全く反対の意味で、この言葉を理解しているのだ。つまり、セルフエステイームの価値判断は、いかに自分を生きるためには、強く主張し、高く評価するように勤めるのが、生きるための途になるのだという。世界は広いと言う実感を今更ながら感じる。

 アメリカという国は、人種が多く、広大な国で、生きるためには極端な差別のあることは承知しているが、日本人から見ると、まるで反対の価値観を持っている国である。例えば、自動車事故を起こした場合、お互い絶対に謝らない、即座に保険会社で解決するから、相手の保険会社を確認し、その方法で事故を解決する。相手に謝るという習慣がないのである。

 例え自分が悪い場合でも、謝るという言葉を吐けば、自分の責任、負担が重くなるのみで、損害を受けやすくなるから・・・という理由らしい。
日本人も最近はこの種の人が増えているようだが・・・・
貧富の差は誠に厳しい実態を過日テレビで観た。極端な金持ちは、想像を越えた贅沢な生活を維持している。反対に従来は貧しい階級の人は、黒人クラスの人が最低の生活をしているのをよく見かけたが、最近は白人でも生活が苦しい人が増えてきている。

 離婚した女性の例を見たが、就職は出来ない、子供は学資が足りないから、退学して遊んでいる。寡婦手当ては最低の額は出るらしいが、生活は出来ない。ギリギリの生活に対して、政府の保護はない。最近はゴミ拾いのアルバイトがやっと見つかり、その収入で生活をしている。

相田みつを 富 士 山

 さらに、白人の例で、この人は癌を患っているが、最低生活を余儀なくされている。
例えば、救急車を呼び、病院へ緊急の入院をしたが、救急車の料金を請求され、それも払えない、勿論入院費用も払えない、しかし無理を承知で、働いているという惨めな状態が放送されていた。
我々の印象では、アメリカは富める国で、世界的に威力を発揮しているように思えるが、実際はこの様な特殊な例もあるようだ。貧富の差が激しい社会の一面を見た。

 それに比較して、日本の場合は、救急車をタクシーのように簡単に呼び、横浜市では、余りにも出動回数が多いので、実態から、出来る限りの制限するというニュースが出ていた。しかも日本では無料だから、余計にそのような甘えが出るのだろう。
比較すれば、日本ほど恵まれた国はないと言えるだろう。

 話題が反れてしまったが、題名のようなセルフエステイームを主張するような日本にはなって欲しくないというのが、私の意見である。美術館を経営し、独特の著述を発行している相田みつをさんがいる。私はこの人のフアンであるが、18日の日めくりに、「自信はなくて、うぬぼればかり、ああはずかしい、はずかしい・・・」この言葉は日本人が大いに参考すべき、代表的な心情である。まさに世界は様々だというのが、結論になるようだ。

                       石 井 立 夫