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| 阿久悠という人 |
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この人は70歳で突然この世を去った。平成19年8月3日NHKの番組で「ありがとう阿久悠さん」という番組を観た。有名な歌手が続々とテレビの番組に出てきたが、テロップを観ていたら、予想もつかない詩が出てくるではないか。従来私は歌番組は観ていない、しかし歌手の名前は知っていたが、歌の中味を聴いていなかった。 |
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タイトルは知っていたが、歌の中味は殆ど知らなかった。はっきり申せば、この種番組は何となく聴いていた、つまり真剣味が薄かったのだ。ところが、彼の死を惜しむ記事が続いており、彼の人生の在り方を、讃える記事の多いことは、近頃珍しい現象ではないかと思っている。不可思議な人だ。 |
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特に私は、産経新聞に平成19年6月9日まで書いていた独特のコラムに毎回、独特の言葉で、表現していた名文を楽しみに読んでいた。“阿久悠書く言う”という命題で書いていたコラムを引っ張り出して見たら、なんと平成18年10月14日の「阿部首相が親任された直後に政権のテーマー美しい国」に既に取り上げていた。その一部をもう一度書かせて貰いたい |
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「節度というのはそれに触れないことではなく触れながら品性を保つこと・・・・・」と書いてあった。何気なく書いていて、しかも読み人に緊張を与えるタイトルだ。平成19年7月29日に行われた参議院議員選挙で阿部政権は大敗した。平成19年8月6日の民放の放送によると、支持率は20%台にまで落ちたと報道されていた。 |
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阿部さんは自分の責任上から、続投を述べている。当然の決意だと思う。岡崎久彦氏(著名な評論家)石原慎太郎氏(応援弁論に立った)小堀圭一郎氏(東大名誉教授)その他、多くの著名人は阿部政権の続投を支持している。 |
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阿久悠氏なら、どのような応援文章を書いただろうか?惜しいかな、惜しいかな・・カラオケの人気番組のナンバーワンは「居酒屋」彼の作詞のものだ。通信カラオケ大手の第一興商が、最近カラオケでリクエストされたランキング(七月)を緊急発表した。 |
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阿久さんの曲は、同社のカラオケシステムに計514曲登録されており、その中で五木、木の実ナナさんがデユエットで歌った「居酒屋」。同社の累計ランキング(平成6年〜19年7月)でも綜合4位に位置する「カラオケの人気・定番曲」と言う。私はこれすら知らない・・・・・恥かしながら。 |
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さて、阿久悠さんへの追悼文は更に続く日本の明日を見据えて・・・という産経新聞のコラムに、音楽ジャヤーナリストが書いていた。それの一部を引用させてもらう「書いてみたい気にさせる企画なら受けるよ」平成13年暮れ東京・ミッドタウンの欠片(カケラ)もない街を見下ろしながら、しやがれ声で阿久さんは言われた。 |
| 阿久悠さんの愛犬と、ともに |
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快諾いただいた。そして14年4月、連載「阿久悠の歌人もよう」がスタートした。2年後阿久さんから「連載のコンセプトを変えたい。次はどんな手でくるのかな?」と問われたのは赤坂の居酒屋。今度はこう提案させてもらった。「阿久さんの詩や文には現代社会への警鐘がたっぷり。 |
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それらをまとめて「阿久悠事典」を作りましょうよ。明快に日本を斬るのはいかがでしょう」こうした16年4月、連載「阿久悠 書く言う」が始った。痛快無比、一刀両断、拍手喝采。風刺や警句、教訓に富んだ内容が、美しい日本語で毎週送られてきた。ややあって、「このコラムは、今まで最も体力と気力を使うよ」と、ニヤリとされたのだった。 |
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今日、いろいろな“品格”が取り沙汰されているが、40年間にわたり、気品のある作詞・作家活動をされてきた阿久さんに、もっともっと語録を増やしてもらいたかった。こんな時代だから、日本を、明日を洞察していただきたかった。 |
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中学3年で結核を患った阿久さん。「生まれ変わったらアベベのごとく走り、ゴールした瞬間に42・195`の間で感じた詩をよむことができれば、とてもカッコいい」と平成9年夏元箱根駅伝ランナーでもある篠田正浩監督との対談の最後の最後に語っておられた夢を、来世で実現してください。ありがとうございました。合掌。 |
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映画監督の阿久悠追悼の記事があったが、次回に機会があったら書きたい。 |
| 石 井 立 夫 |