脳脊髄液減少症という病


6章 4. 自律神経

 

 この病の患者は、時に体調が天候に左右される。

天候が悪化するとき、つまり気圧が変動するときに症状が悪化したり出現したりする。

頭蓋骨の体積が増えるためと聞いたことがある。

容積が増える分、脊髄液が足りなくなるということか。

気圧が変化するときが一番辛く、いったん下がってしまえば

それはそれで体調の悪化も止まり安定する。

変動するときが一番辛い。

雨の降り始める前の方が辛く、雨が続いている方がましというわけだ。

ましなだけで雨の最中はやはり具合は悪い。

晴れの方が楽だ。

治療前の麻子の体調は、天候が崩れ始める数日前から不調になった。

台風がどこかで出来ただけで晴れているのに、麻子の具合が悪くなった。

麻子は、きっとそのうち雨が降ると晴天時に人に話したが、誰にも信じてもらえない。

こんなに晴れているよ、と言われるだけであった。

しかし必ず後に雨になった。

雨になるという麻子の天気予報はほとんど狂わなかった。

麻子には、にわか雨ですらはっきりと事前に分かった。

 

(脳脊髄液減少症の患者は、お天気予報屋になれるかもしれない)

知識など何もいらない。

自分の体一つで、天気の下りが分かる。

 

ところが麻子はブラッドパッチ治療をしてから天候悪化で具合は悪くなるのだが、

以前のような法則がはっきりしなくなった。

天気の悪化が、数日前から分かることは麻子にはなくなった。

麻子は予報士でなくなった。

今や、ただの天候で体調不良気味になる人にしかすぎない。

 

気圧変動で症状が出ることを気象病といわれるらしく、

目の下や眉間の所にある副鼻腔膨張して頭痛が起こるそうだ。

気圧の変動は耳で感知するとか言われたりしている。

天候で不調になる人はこの病の人だけでない。

骨折した人や痛めた人が天候悪化時にうずくと聞いたこともある。

頭痛持ちが悪化するとも聞いたことがある。

先の副鼻腔の話以外に、自律神経が天候に関係するらしい。

気圧が下がると交感神経が興奮し末梢神経の収縮により血行が低下し、痛覚繊維が興奮する。

副交感神経が優位になる時に、交感神経が興奮する。

天候悪化時、痛みの感受性が上がり、おまけに副交感神経が動いているのに、

一方では交感神経が興奮して、影響を及ぼすということか。

(副交感神経と交感神経の両立状態って、自律神経が狂っているということかなぁ)

 

自律神経失調症という病名はないらしい。

正式病名ではないのに一般によく使われるのだ。

実際は他のいろんな病名が付くらしい。

が、自律神経失調症ですといえば、なぜか世間的には通用する。

 

女性が月経前や月経中に頭痛が多いのは、

女性ホルモンのエストロゲンの影響で血管が拡張するためらしい。

女性ホルモンは2種類があるが、どちらも生理中は減少する。

また生理中は身体の保水量が増えるらしい。

それがどう影響するのかは分からない。


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