脳脊髄液減少症という病


7章 3.これから

 

自分が通った病院の待合いにこの病の患者はもういない。

他の患者は一体どうなったのだろう。

 

 自分にはもう主治医はいない。

自分が自分の主治医となって歩いていく。

自分の状態を診ながら歩いていく。

 

毎日が苦痛だった自分。

浅い小刻みの眠りの中で耐え続けた日々。

見えない出口。

歩けなかった道が歩けるようになる。

できなかったことができるようになる。

その一方で、不安と向き合っている。

昔の身体に戻れないやるせなさ。

自分の先が分からないまま。

けれど、歩けるようになったことを宝物のように今大事にしている。

そして、辛くても外へすこしずつ出かけようとしている。

鍵を閉めて。


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