<荻虫の100映画2014年版>
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☆5.0 |
☆4.5 |
☆4.0 | |||||
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No.4 |
暗殺の森* |
No.2 |
東京家族* |
No.3 |
スタンリーのお弁当箱* |
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No.8 |
光にふれる |
No.5 |
連合艦隊司令長官山本五十六* |
No.7 |
危険がいっぱい* |
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No.10 |
アンコール |
No.9 |
少年H* |
No.11 |
リンカーン* |
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No.12 |
アメリカ、家族のいる風景* |
No.15 |
華麗なるギャッツビー* |
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No.18 |
嘆きのピエタ* |
No.19 |
カフカの「城」* |
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☆3.5 |
☆3.0 | ||||||
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No.1 |
終戦のエンペラー* |
No.6 |
ニューイヤーズ・イヴ* |
No.13 |
パリオペラ座のすべて* |
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No.14 |
ノン子36歳(家事手伝い)* |
No.16 |
最後のマイ・ウエイ* |
No.17 |
孤独な天使たち* |
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No.20 |
私の愛した大統領* |
No.21 |
オン・ザ・ロード* |
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No.21 オン・ザ・ロード 2012/139 仏・ブラジル dvd 0402
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ウオルター・サレス 監督 ジャック・ケルアック 原作 サム・ライリー、ギャレット・ヘドランド、クリスチャンスチュワート |
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米国文学史で、ビート・ジェネレーションと呼ばれる作家の一群が居る。 生まれは第1次大戦〜狂乱の20年代で、活躍したのは1955〜64。 退廃的な若者を描き、ヒッピーに支持されたらしい。 その代表格がケルアック。 フランス系カナダ人で母国語がフランス語、英語が第2外国語。 監督もブラジル出身だから、異邦人同士の組み合わせ。 * この作品は難しい。 アメリカ中を旅して回る。 父親探しが目的だが、父は何を意味しているのだろう。 月並みなアイデンティティー探しのようでもあるし、 デンバーという大西部の都市に何か失われた開拓時代の夢を探しているようにも見える。 人生は旅のようなものだと言っているのか、監督や原作者と同じように登場人物もすべてその場所では異邦人。 安住の場所がない。 * テーマの深刻さと裏腹に、まるでポルノ映画のように激しいセックス・シーンが多い。 3人のベッド、男同士 ・・・・・。 ** エンディングは奔放な友人との別れを意味すると思われるが、かといって真面目に戻ったサルが奔放な生活を懐かしみ、肯定するくだりはどう解釈すればよいのだろう。 過ぎ去った激しい青春の輝きをノスタルジックに描いたにしては、後味が良くない。
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No.20 私の愛した大統領 2012/94分 米 dvd 03.30
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ロジャー・ミッシェル 監督 ビル・マーレイ、ローラ・リニー、サムエル・ウエスト |
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フランクリン・ルーズベルト の裏側を描いた映画。 大統領を4期も務めた。(45/4に死んでいるから、原爆投下にOKを出したのは彼ではない) ニューディール政策が有名だが、小児麻痺で車椅子の生活だったとはこの映画を見るまで知らなかった。 多分秘密にしていたのだろう。 秘密が守られたのも凄い。 よほどの実力者だった証左。 * 大統領と従妹とのラブストーリーだが、何と他にも、過去数多くの女性と関係があったことが彼女の死後の日記であからさまになり、今日は秘密では無いらしい。 下半身麻痺で恋愛、さすが英雄は凄い。 この映画で一番良かったのは、英国国王ジョージ6世(吃音が映画化された)とルーズベルトが二人だけで話し合う場面。 吃音と下半身麻痺という障害を持つもの同士の会話が胸を打つ。 これで、アメリカのヨーロッパ参戦が決まった。 外交交渉は技術や戦術が大事だと思っていたが、最後はお互いの気持ちが合うか否かの人間的要素が絡んでくることを知らされる。 女性関係面では身勝手な大統領だったが、その女性同士も彼をシェアーすることに馴れていたというのも、やはり凄い人物だったのであろう。 | |
No.19 カフカの「城」 1997/125分 独 dvd 03.29
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ミハエル・ハネケ 監督 フランツ・カフカ 原作 ウルリッヒ・ミューレ、スザンヌ・ロタール、フランク・ギーリング |
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カフカ未完の長編小説の映画化。 監督は「白いリボン」で観客を長時間推敲の坩堝に陥れた鬼才。 カフカも難解な作家である。 だから、ハネケ以外にはこの作品の映画化は成功しないだろう。 * この作品はどこか異次元の世界、いや夢の中に出てくる世界のような、異様な雰囲気で語られる。 外は何時も吹雪、寒く、部屋の中は汚く暗く、人物は顔も服装も醜い。 登場人物は謎に満ちている。 主人公のKを除いて、観客の味方と思える人物は一人も出てこない。 悪意、猜疑、狡猾、・・・それらが着物を着ているようだ。 恐ろしく、不気味そのもの。 独特な画面。 内容の理解を超えて、この雰囲気が撮れる監督は間違いなく彼しか居ない。 ** カフカの作品は読者が勝手に想像できるように、分からなく作ってある。 実存主義の影響を受けたらしい。 不条理が日常。 「人間はいかに生きるべきか」ギリシャ以来の哲学テーマ。 ちょっと前までは、神の教えを守れば良いと皆信じていた。 日本では例えば「武士道」みたいな、あるいは「修身」みたいな、生きる指針。 *** ではこれでは「個」が埋没する。 人は生まれながら自由である。 目的があって作られた茶碗や電車と根本的に違う。 後天的に、その時の社会が生き方を強制して、「個」が作られる。 では社会とは何か。 そこで、社会を変えようとサルトルたちは主張した。 **** 科学の進歩で「神」が遠のき、第一次大戦で科学文明が不幸をもたらすことも学んだ。 新しい生き方を求め、「個」の生き方に埋没していけば、不条理な世界に不条理な自分、自殺しかないか・・・。 結局、実存主義は何も解決してくれないのではと、思われる。 だから、カフカも未完の作品が多いのでは? ***** でも「城」という作品が現に目の前にあるのだから、それに対し反応しなければいけない。 Kは「城」には最後までたどり着けない。 じつは「城」は実在しないで、官僚制度、社会制度みたいな目に見えないシステムではないか(安直だがこの作品をメタファーとして理解すれば)。 「城主」は居ないのだが、「城主」から測量士に仕事の招聘状が届く不思議。 城の外には、多くの取次ぎ役人がいて、形式が整っているかや、前例があるか否かなどなど、複雑怪奇な動きをするが、全体として整合しない。 ばらばらで、此処には真理が通用しない、というより真理という概念が無い。 だから、この作品は近代社会の社会制度の矛盾、不条理を描いたのかもしれない。 ****** 全く突然に、頼みもしない無能な二人の助手が現れる。 Kは高級役人の愛人と恋仲になるが、それを助手に取られたり、愛に対しても冷たい。 小学校の教室の隣でセックスしたり、ある家に行っただけで淫売だと決め付けられたり、物語が不連続に無意味に続く。 でもこの雪に閉じ込められた小さな村から、逃げ出すすべも無い。 これが人生と言いたいのだろう。 暗い、しかしKは悲しくないし、感情をあらわにしない、常に淡々としている。 その分悲惨である。 大きな声で叫んで欲しい、現状を打開して欲しい、そんないらいらが長く残った。
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No.18 嘆きのピエタ 2012/104 韓 dvd 03.28
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キム・ギドク 監督 チョ・ミンス、イ・ジョジン、ウ・ギホン |
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国際的に注目されている韓国の気鋭監督。 本作で、ベネチア金獅子賞を獲得。 前半は表現が直接的過ぎで、もっと間接的な方が上品なのに、と他韓国映画と同じ感じを受けるが、後半急に良くなる。 前半の布石がビシビシ効いてきて、意外な結末も予想を超えている。 久々に度肝を抜かれた韓国映画。 タケシ作品に似た暴力描写、崔監督が描いたゲテモノ食材、汚い性描写、このドギツさがこの人の持ち味かもしれないが、 息子への愛というウエットなテーマに結実させた事により、全体としてバランスが取れている。 二人の主演者も秀逸。
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No.17 孤独な天使たち 2012/97分 伊 03.27
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ベルナルド・ベルトリッチ 監督 ヤコボ・オルモ・アンティノーリ、テア・ファルコ、ソニア・ベルガスコ |
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「暗殺の森」の影像美には参ったが、本作はあまり拘っては居ない。 と言うより、殆ど室内劇、それも物置小屋の中だからだろう、工夫のし様もない。 これはイタリヤの少年の話だが、日本はじめ世界中に似た青年は居る。 団体生活が苦手で、学校でも居場所が無い。 両親は社会性をつけさせようとヤキモキ心配するが、それが過保護となり、親子関係も上手くいかない。 結果、一人でいる事以外に自分が自分でいられる場所が無い。 イヤホンで音楽を聴き、ゲームなどするだけ。 それで、誰かに依存しているかと言えばそうではなく、身の回りのことは自分一人でも出来る、意外としっかりしている。 こんな少年は最近珍しくない、最近の若者のひとつの典型で、異常では無いらしい。 * こんな少年がスキー合宿に行くと称して、1週間物置に隠れて生活を始める。 そこへ、家出ヤク中の異母姉が転がり込んでくる。 薬絶ちで苦しむ姉と孤独癖の少年が助け合いながら奇妙な1週間を過ごして別れていく。 最後に、姉が楽しかったねと隠れ生活を振り返る、少年もウンという。 このラストが泣かせる。 地味な映画だが、こんな映画を撮ろうという監督はやはり立派。 世評悪い作品だが、私は好きな作品だ。
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No.16 最後のマイ・ウエイ 2012/149分 仏 dvd 03.24
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フローラン・エミリア・シリ 監督 ジェレミー・レニェ、ブノア・マジメル、モニカ・スカッティーニ |
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日本では余り知られていないがフランスの国民的歌手、ジャンクロード・フランソワの半生記。 何と、生涯に6700万枚のレコードが売れたとのこと。 名前は知らなくても、シナトラの持ち歌「マイ・ウエイ」は世界中の人が知っている。 この原曲を作った人。 シャンソンではなく、ロックっぽいポピュラーで、踊りながら歌う、エンターテナー。 芸能人にありがちな、女性関係が乱脈で、私生活も派手、歌以外の商売にも手を出し、金銭感覚はゼロ。 お決まりの筋書きなのに、149分という力作。 父親との確執、チビで声も悪いという劣等感、などと舞台での活躍を対比させ、陰影を濃くはしているが、好きになれない人物像で、感動しなかった。 でも、一般的にはかなり評価の高い作品なので、お断りしておく。 | |
No.15 華麗なるギャッツビー 2012/142分 米 dvd 0323
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バズ・ラーマン 監督(ムーラン・ルージュ) F・S・フィッツジェラルド 原作 レオナルド・ディカプリオ、トビー・マクガイアー、キャリー・マリガン |
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1920〜30年代欧米には、「失われた世代」と呼ばれた芸術家の一群がいた。 米国の作家では、ヘミングウエイやフィッツジェラルドなど。 第一次世界大戦による価値観の変化が若者を退廃的で自堕落な方向へ流していった。 音楽ではジャズ、踊りはチャールストン、ファッションではフラッパーに代表される文化である。 古い道徳を捨て、自由を求める若者は世紀末のパリの再現のように爛熟度を増し、パリには優れた画家達が集った。 * 経済的には、大戦後の復興景気(賠償金に苦しんだドイツを除き)で、20年代は又「狂乱の20年代 Roaring Twenties」 と呼ばれるように、過度な好景気が続き世界中が「バブル」に酔った。 しかし、その反動で、有名な29年のウォール街暴落による、世界大不況が始まったことは周知の事実である。 これもまた、従来の価値観からの転換を強いる大事件だった。 ** 本作の原作者もアルコールに溺れ、女と酒に苦しんだ「lost generation」。 金の為に駄文を書きまくったが、「great gatsby」は代表作として評価されている小説である。 一言で言えば、バブルで成り上がった青年のラブ・ストーリーなのだが、彼のロングアイランドの「城」で毎晩繰り広げられる数百人規模のパーティに、「狂った20年代」が象徴的に描かれているのが特徴。 そこで、1980年代の日本のバブルを経験したものとして、その持つ今日的意義を考えて見たい。 *** この小説は1925年の作品である。 映画化も本作が5作目で、1〜3作は日本のバブル期以前の作品だから(特にレッドフォードによる3作目はかなり見られている)、「狂乱の20年代」の実態はかなり知られていたはずだ。 いや、小説や映画を離れても、歴史などで好景気のあとの大恐慌ぐらい知っていたはずだ。 少なくとも、金融学者や日銀という専門家が知らないはずは無い。 では何故、過熱する前に引き締め策をとらずに、暴走させたのだろうか。 **** あの時は土地は下がらないと誰しも信じ、土地転がしはたった1ヶ月で莫大な利を生んだ。 ドンペリを若者がラッパ飲みしても、景気は永遠に続くと思っていた。 要するに、学者を含む全日本人が完全に化かされていた。 それは何故か? 人間は過去のことは理解出来ても、現在の立ち位置がなかなか分からない動物ではなかろうか。 又それが判れば、株取引でも売り買いの時が分かるから、そうはいかないのが普通だろう。 関東軍が満州に進出しても、その時には誰もアメリカと戦争になるなどと思わなかったであろう。 今考えれば、世相は戦争へ、戦争へと変化して行ったことがよく分かる。 でもその中に居ると分からなくなってしまうのである。 ***** でも何人かは、バブル期にこれはおかしいと思った。 よくよく目、と耳を働かせれば、おかしいことはおかしいと 思うことは出来たはずだが。 ****** 今、安倍政権は右翼回帰をしている。 中国と韓国との反目が強くなっている。 未だ誰も、戦争まで行かないと思っているが、今の日本の「立ち位置」は本当のところ何処にあるのだろう。 今一度、国民が現在の日本の立ち位置を考えて、おかしいことはおかしい と言うべきではなかろうか。
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No.14 ノン子36歳(家事手伝い) 2008/105分 dvd 03.22
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熊切 和嘉 監督 坂井真紀、星野源、津田寛治、斉木しげる,鶴見辰吾 |
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埼玉県寄居町の好ましい田舎風景が魅力。 又、鶴見辰吾が、生活力の無い「すけこまし」を演じているが、これが実に上手で、俳優とは大したものだと感じさせる。 脚本の主張ははっきりしないが、主張がなくても、職に就かないバツイチ女性36歳の生活実態みたいなものが良く描かれていて、社会断面として面白い。 実家に寄生した出戻り娘、田舎では就職も難しいし結局、家で悶々と不満だらけの時間を過ごしているのだろう。 これが、実家に力が無ければ、生活する為に際どい夜の商売までやらざるを得ないのだろうから、ノン子はまだ幸せと言えば言える。 ヒヨコが逃げて、数ヶ月したら成鳥になって野生していた、そのことがノン子の再生を暗示してはいるが、同様の身の上の女性にとって何の励ましにもなっていない。 漠然と諦めるな!と言っている様で、事態の深刻さに対比して軽いのでは。
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No.13 パリ、オペラ座のすべて 2009/160分 米 dvd 03.11
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フレデリック・ワイズマン 監督 |
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ドキュメンタリー作家として秀逸な人。 刑務所、精神病院、学校の裏面を暴いてきた。 未だにマサチュセッツ州では上映禁止の作品もあるらしい。 が、本作は芸術の裏面に迫ったドキュメンタリーだから、インパクトが少なく、長く退屈。 パリオペラ座は日本で言えば、国技館みたいな場所でフランス文化の中心として、348年間国がらみで、維持されてきた。 学校も併設されており、そのレベルは世界一と言う触れ込みだが、この映画で見るかぎり、集団舞踏は必ずしも手足が完全には揃っておらず、北朝鮮のマスゲームのほうが上ではないかと思わせる。(不謹慎か?) おもに、前衛的なモダンバレーの練習風景と裏方、コーチ、経営問題等が長々と撮られ苦痛だが、さすがラストの20分位の本当の舞台は迫力満点。 モダンバレーって凄いなと思わせてはくれる。 それだけの映画ではないか。 | |
No.12 アメリカ、家族のいる風景 2005/124分 米 dvd 03.10
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ヴィム・ヴェンダース 監督 脚本 監督、主演 サム・シェパード、ジェシカ・ラング(元恋人)、ガブリエル・マン(息子)、サラ・ポーリー(娘)、エヴァ・マリ・セント(母) |
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名画「パリ・テキサス」と似たテイスト。 同じアメリカ中西部の乾燥地帯が舞台で、主人公が同じで、孤独な男の愛を求めさまようのも同じ、さらに最後は幸せを掴めないのも同じ。 当然テーマも違うが、感激度にも差がある。 それはこちらの場合、主人公がやはり身勝手すぎて(酒、女、ドラッグ)、今更現実世界に戻ろうとしても無理な相談と言うことが、何となく予想できるからだろう。 でも「男の孤独」がよく描けている。 ヴェンダースは孤独な男なのだろう。 「健さんの孤独」と少し違う。 健さんはかっこ良いが、シェパードはボロボロで砂漠をさ迷う。 痛切な孤独感である。 * 辛いことがあると、男は孤独に逃避する。 だからと言って、人間は現実と違うところにず〜と居続ける訳にはいかない。 孤独は寂しいと同居している。 人間はサルと同じ類的動物だから、他人に何かを求めたくなる。 特に、捨てて忘れたはずの家族。 血が呼ぶのかもしれない。 ** 老境に差し掛かったサムは自分の落とし種を求め旅に出る。 ついに探し出すが、突然現れた父に混乱の極みを示す息子、その母親も今更元の鞘に戻る気は無い。 d’ont come knocking (原題) それぞれ、生活を確立し、もう入り込む余地が無い。 男は又非現実の世界に戻るしかない。 現実に戻ることの出来なかった哀れな男が乾いた西部の大地に戻っていく。 *** この作品は、アメリカ西部又は西部劇に対するオマージュでもある。 撮影中のカットはシェーンのラストシーンそのもの、モニュメントヴァレーも出てくる。 これを最後に、ヴェンダースはヨーロッパに戻っていく。 彼の人生も又、ロードムーヴィーのように流離って行く。 **** ヴエンダースの作品はすべて好きだ。 テンポが合うのかもしれない。 この寂しさが好きなのかも知れない。 よくは自分でも分からないが。
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No.11 リンカーン 2012/150分 米 dvd 0217
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スティーヴン・スティルバーグ 監督 ダエル・デイ=ルイス、サリー・フィールド、デヴィッド・ストラザーン、トミーリー・ジョーンズ |
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リンカーンは奴隷解放論者だったから、その大統領就任をよしとしない南部諸州が連邦を脱退し盟邦を結成、これを認めない連邦と戦争になった。 では、連邦側は奴隷解放でまとまっていたかというと そうではなく、下院は反対の議員が多かった。 この逆境を打開する為の多数派工作の苦労と、リンカーンの鉄の意志が本作のモチーフとなっている。 要するに政治劇である。 * 奴隷開放の為の憲法修正案の採決の間際に、南軍との和平が可能になっていたが、和平が先に決まるとその後の議会では反対派が絶対多数になるので、間一髪のタイミングで法案を通してしまう駆け引きが面白く語られる。 大統領の独走を許さない民主主義のルールが戦時にも生きていたというのはやはり本家であろう。 ** 三大悪妻とは、ソクラテス、モーツアルト、トルストイの奥さんらしいが、リンカーンも相当だったことが知られている。 息子を亡くしてから、精神を病んで日々リンカーンを苦しめた。 政治面でも敵が多く、苦難の連続だったから、リンカーンという人は不幸に見える。 しかし、今日尚、ワシントンに次ぐ神話的大統領として語り継がれ、ゲティスバーグの演説は世界の人が知っている。 個人生活が不幸でも業績が燦然と輝いているのは、三代悪妻の夫に共通しているから、良妻の方が問題なのかも知れない。 *** ダニエル・デイ=ルイスは本作で3回目の主演オスカーを獲得した。 やや長く暗い作品だが、彼のおかげで重厚な作品になっている。
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No.10 アンコール 2012/94分 英 dvd 02.15
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ポール・アンドリュー・ウイリアムズ 監督 テレンス・スタンプ(アーサー)、ヴァネッサ・レッドグレーブ(マリオン)、ジェマ・アータートン(エリザベス) |
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老人が合唱する話は他にもある。 決まって誰かが死に、奇跡が起きて聴衆の喝采を浴びる。 本作も其処までは同じ。 でも主題が違う。 これはアーサーという気難しい頑固親父が、エリザベスというヴォランティアの指導者によって、心を開かれ、再生するという話である。 エリザベスが魔術師のように手なずけるやり方がまずアイデアものである。 * 頑固親父をスタンプが上手に演じ過ぎて、もうこれは変えられないなと思わせられる。 ところがこれが作戦、抑えた分だけエンデングの調和が盛り上がる仕組み。 ** 思えば月並みな脚本なのだが、泣けてくる(少し)。 それは息子を持った多くの父親が少なからず息子と上手くいってないという世間一般の関係に心を動かされる事もあると思う。 妻が死に、息子と絶縁では、老人は生きる屍。 *** 英国社会は個人が独立しすぎて、皆寂しい。 家族間にも壁がある。 だから頑固で無いと生きられないという側面もあるかもしれない。 **** スタンプの再生は、その意味でカッコつきの喜びなのだろう。 老いることはやはり生きにくい。 恥をかいて何が悪い、馬鹿なこと大いにやろう、そんな捨て鉢なセリフがキツイ。
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No.9 少年H 2012/122分 dvd 02.12
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降旗 康男 監督 妹尾 河童 原作 水谷 豊、伊藤 蘭、吉岡竜輝 |
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300万部のベストセラーが映画化された。 主演を実際の夫婦が演じたことでも注目された。 妹尾河童氏が神戸二中(兵庫高校)を卒業し、自立するまでの自伝である。 * 昭和5年生まれだから、最悪の少年時代に育った。 ただ、さらに10年ほど前に生まれていたら確実に戦地で死んでいただろうことを思うと、生まれた世代としてはまだましだったと言えるのだが。 戦時下の思想統制、軍事教練、食糧難、そして敗戦後の混乱やご都合主義の思想転換など、時代の生き証人として若い人に伝えるべく筆を執ったのだろう。 こんな地味なテーマが何故こんなに読まれたのかは、国民を戦争に導いた為政者や付和雷同した民衆を真正面から批判するのではなく、あくまでもホームドラマ仕立てにし、困難を乗り越える家族愛の物語の為と思われる。 ** 現在放送中のNHKの朝ドラ「ごちそうさん」でも扱われているが、戦時体制で怖いのは特高だけではない、実は町内会をはじめとした「世間」が一番怖い。 「ごちそうさん」では、近所の子供達におやつを工面してやる行為が、やっかみを生み、配給で差別されたり、防火訓練でわざと頭から水をかけられるし、この作品では家がクリスチャンだから、敵国宗教ということで近所からあらぬスパイ容疑で、密告、逮捕拷問される。 学校のイジメの根源も似ている。 加害者は多数派なので罪の意識が薄い。 「世間」は怖い、それは大多数が「間違った流れ」に乗って、同胞を裏切るからである。 それは、常日頃から自分の目で見て、自分で判断しないで、絶えず「世間」に合わせて生きてきた倣いせいだと思う。 今日尚、心すべき大事な事だろう。 *** 河童さんのご両親は実に素晴らしい。 お母さんはひもじい人をほっとけない。自分達のご飯を分けてあげる。 少年H(河童さんの本名、肇のイニシアル)は自分達の分が無くなるし、きりが無いからと反対する。 その時、父は何故か黙して語らない。 このテーマは今日尚難しい。 他人にどこまで尽くすべきか、利己と他利の接点はどうすればよいのだろ。 自分さえ良ければという考えは、それでは社会がギスギスしてそこに生きる自分を苦しめることにもなるし、 自己嫌悪もついてくるだろう。 かといっていざその時になったら生存本能を否定できない気もする。 ぎりぎり苦しんで自分の答えを出すしかない。 **** 父はHを大人として扱う。 ユダヤ人も日本人も区別しない。(杉原千畝氏によるユダヤ人救助の為、当時神戸には乞食のようなユダヤ人がいて、その臭い上着を修理してあげる) 意見の違う人も、理解しようとする。 クリスチャンは博愛を、イスラムは平等を、仏教は慈悲を説く。 いずれの場合も他人への愛を忘れるなと言うことだろう。 貧富の差や考え方の違いで、間違っても自分の方が上と思ってはいけない。 そんな宗教的な匂いを感じた父親像であった。 ***** 両親がこんなに立派な人だから、それが何か架空の話で、非現実的な匂いを感じさせるところが、この作品の欠点であることは否定しないが。
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No.8 光にふれる 2012/110分 台 ヒューマントラスト有楽町上映中 02.11
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チャン・ロンジー 監督 ホアン・ユイシアン、サンドリーナ・ビンナ |
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(原題 touchi of the right,逆行飛翔) 台湾の盲目のピアニスト ホアン・ユイシアンの実話が映画化された。 彼自身が主演しているから、嘘は無いと思う。 最近、朝日新聞で彼のことが紹介されていた。 ハンデを負った人は人の痛みも感じるのだろう、 東日本大震災の支援活動も熱心にしているようだ、そんな人の半生記だ。 * 梯 剛之 さんのリサイタルに行ったことがある。 目が見えないと言うことは、雑念が少ないということで、純粋に音楽と素直に向き合っていけるということではないか、辻井さんもそうだけれども よりピュアーな音を感じる。 暗闇の中で、音楽とだけ向き合って生きてきた梯さんの狭すぎる世界を思い、思わず涙を流してしまったが、隣の人もクスンとしていたようなので、どこか引き付けるものがあるのは確か。 ** 盲目だから何時も入賞するのだと言われ、それがトラウマとなりコンクールに出ない。 そんなことがこの映画で語られる。 我々も盲目というフィルターを取り払って、思い込みなく聞いてあげる態度が必要なのだろう。 それで、クスンとくれば彼らもうれしいに違いない。 反省である。 *** 差別を乗り越た天才ピアニストがクロージングで、ショパンやラフマニーノフを弾き聴衆の喝采を浴びるという、お決まりの筋書きは無い。 有名になる前までの話である。 寮から教室に手助けなく行く為に、どれほどのことを覚えなければいけないかなど、想像したことが無いが、手と杖で現在の位置を確認する膨大な手間がイチイチ語られ、びっくりであった。 **** この作品は、等身大の学生生活を描くことに徹したところに価値がある。 友情物語であり、ラブストーリーなのだがサクセスストーリーにしなかったところが、すがすがしい感じをかもしだした。
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No.7 危険がいっぱい 1964/99分 仏 モノクロ cs 0207
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ルネ・クレマン 監督 アラン・ドロン、ジェーン・フォンダ、ローラ・オルブライト |
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おしい。 ハッピーエンドだったら☆4.5〜。 エンディングの脚本が懲りすぎて失敗ではないか。 これ以外は、パーフェクトの作品、恐れ多くも。 各カットに無駄がなく、はっとする画面の展開はエスプリ本家、さすが大御所。 技巧に走りすぎで、感動を薄めたきらいがあるが。 フランス人と思っていたら、ジェ−ン・フォンダだった。 馬鹿な女が実は策略家、主人に続き「女は恐ろしい」。 男に喚起をうながしているのも、フランス映画らしいコメディー。 | |
No.6 ニューイヤーズ・イヴ 2011/118分 bs 01.17
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ゲーリー・マーシャル 監督 サラ・ジェシカ・パーカー、ミシェル・ファイファー、ヒラリー・スワンク、ハル・ベリー、ロバート・デ・ニーロ |
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姉 ペニー・マーシャルは名作「レナードの朝」の監督。 彼も「プリティー・ウーマン」で名をなした。 姉の元夫は「スタン・バイ・ミー」のロブ・ライナーというから、何か凄い血縁集団である。 * この作品は見る者を「来年こそ幸せになれそう」と希望を灯してくれる明るい映画である。 色々なカップルが夫々苦境を越えて、大晦日に再生を果たすという群集劇だから。 ** NYのタイムズ・スクエアーには毎年大晦日24:00に 電飾ボールが落下するというイヴェントがあるらしい。 大勢の人が集まり、カウントダウンがはじまり、鐘が鳴り響くと誰にでもキスが出来る。 映画はこの大晦日という進行時限性を利用し、テンポ良く進行し、退屈しない。 *** 更に、女優陣が豪華キャストでファッションも見せるので、映画全体が豪華に見える。 肩がこらないハリウッド映画の本流とも言うべき楽しい作品。 さすがの監督である。 | |
No.5 連合艦隊司令長官 山本五十六 1968/128分 dvd 01.15
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丸山 誠治 監督 特撮 円谷英二 三船敏郎、藤田進、黒沢年男、加山雄三、辰巳柳太郎、先代松本幸四郎、司葉子、酒井和歌子 |
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45年前の作品である。 CGとかの技術も無かった時代、精巧なプラモデルで艦船や飛行機を作り、臨場感をそれなりに出している努力はさすが円谷である。 それにキャスティングが豪華。 既に映画産業が斜陽に入った時代で、制作費節約が求められた環境下、逆張りで起死回生を狙った力作として一見の価値ありと評価する。 * 見所はもうひとつ。 それは三船である。 清廉な人情長官を堂々と演じ、彼の作品中bestかもしれない。 彼を超える五十六は出ないかも。
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No.4 暗殺の森 1970/107分 dvd 伊 01.09
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ベルナルド・ベルトルッチ 監督 ジャ=ルイ・トランティニアン(マルチェロ)、ドミニク・サンダ(教授の妻/アンナ)、ステファニア・サンドレッリ(マルチェロの妻/ジュリア) |
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この作品は何といっても影像そのものが美しい。 ・アンナとジュリアが9頭身のマネキンに血を通わせたと思うほどプロポーションが良く、肌は卵のように滑らかに輝いている。 ・離合集散するダンスパーティーの輪舞も躍動感で目が回りそう。 ・使われている建物も、死の世界を思わせるような冷たく無機質なものから、ギリシャ悲劇の背景でも使われそうな異様なもの、蔦の絡んだクラシカルなもの・・・凝りに凝っている。 ・それに夜明け前のパリの風景とか、寝台車の窓を過ぎ行く夕陽や湖のめくりめく美しさには、思わずため息が出てしまいそうだ。 * マルチェロは少年の頃、ホモの運転手に犯されそうになり(犯されたかも)ピストルで射殺してしまった。 実際は殺してなかったのだがそう思い込み、終世罪の意識に苛まれた。 このような場合、警察を恐れるから国家に刃向かう側にはつかない意識が働くのだろう、時は、くしくもムッソリーニのファシズムの時代、彼は秘密警察に入りリベラリストの暗殺繰り返す。 恩師も恋人も殺してしまうが、戦争が終わり、ムッソリーニが引退し時代は一変する。 そして、自分をファシストに変えたホモの運転手を街で偶然発見し、生存していたことが分かると、自分の過去の無意味さに茫然自失、狂ったみたいに仲間を裏切り叫ぶ。 「こいつはファシストだ!」と。 ** 恋人を殺さなければ自分が殺される という恐怖で犯行に及ぶ彼の気持ちはどんなものだったのだろう。 秘密警察員だって人間だから、苦しむ。 そして結局、凍てついた霧深い暗殺の森にピストルの乾いた音が響く。 *** 余談:ファシズムには秘密警察が付きものである。 秘密警察はヤクザの殺し屋より怖い、なぜなら絶対捕まらないからやりたい放題。 今日尚、わが国においても要警戒と思量す。 |
No.3 スタンリーのお弁当箱 2011/96分 dvd 印 01.08
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アモール・クプラ 監督 パルソー、ディヴィア・ダッタ、ラジェンドラナート・ズーチー |
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学校に弁当を持って来れない生徒(スタンリー)の話である。 スタンリーは皆から弁当を分けて貰っていたが、担任の先生が自分の分け前が無くなるからと言って、弁当の無い子の登校を禁止してしまう。 この窮地をどう乗り越えるか・・・。 * お腹がすくので水をいっぱい飲む可愛そうな場面もあるが、貧乏の悲惨さはそれほど描かれておらず、明るく有能なスタンリーをクラスメートや心ある教師が支援していく様子がインド映画特有の音楽つきの陽気さで、微笑ましく描いてとても気持ちが良い。 暗いテーマでありながら、気持ちが良いのは何故だろうか。 ひとつには、決して挫けないスタンリーの根性から未来が開けているように見える事と、何せ登場する子供は全員素人ということだから、演技っぽく無いという理由かもしれない。(写真の子供達の笑顔の素晴らしさを見てもらいたい) 演技する子役は時に興ざめだから。 ボリウッド映画は観客動員数が絶対だから、楽しく面白くなければならない。 その意に沿った作品でしかも品がある。
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No.2 東京家族 2012/146分 dvd 01.08
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山田 洋次 監督 橋爪 功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中島朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優 |
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「東京物語」を忘れて見ろ!と言われても無理である。 どのシーンでも比べてしまう。 そして小津の凄さを再認識させられる。 文化勲章を貰って、勘違いした訳でもなかろうが、取り上げたことがすでに失敗。 強いて言えば、母の優しさは本作の方が上だが。(主役が母になっている) * 小津というのは社会の変化により家族関係も変化した過程で、その犠牲者となった親を「冷徹なリアリズム」で描いた。 そして、人生の虚しさ、哀感にまで迫った。 ところが、本作は時代を置き換えた為、時代の変化が嘘っぽくなってしまった。 現代、田舎から上京する親は、子供が生活に追われているぐらい知っているから、ホテルに泊まるか、例え子供の家に泊まるにせよ、2〜3日で帰るに違いない。 こんな長期居候は無いと思う。 ** 役者の違いが決定的。 同じ役柄の杉村春子と中島朋子を比較しても、中島は杉村のいやらしさが無く映画としての陰影を浅くしているし、橋爪功は笠智衆と違う父親を模索しているが分かり難くく、感情移入出来ないのでラストに哀感を感じない。 結局監督の人生観の違いが作品の違いに出たのだろうか。 小津は腹が減れば子供も食ってしまうのが人間と思い、山田はそんなことは無いと人間性を信じているのだろうか。 考えれば私も良くは分からない。
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No.1 終戦のエンペラー 米 2012/107分 dvd 01.07
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ピーター・ウェーバー 監督 マシュー・フォックス、トミーリー・ジョーンズ、初音映莉子、西田敏行 |
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連合国は戦争犯罪人として天皇を裁判にかけるべきだと考えていたが、マッカーサーの右腕だった知日派のボナー・フェラーズ准将の働きによって、責任を問わなかったという話。 原作は日本人である(岡本嗣郎)から、事実に近いと思われる。 開戦に当たっての天皇の態度は調査したが不明(1000年調べても分からないだろうという結論になっている)だが、終戦たらしめたのは天皇であるとの証拠は、玉音放送レコード盤奪取を目指した陸軍皇居反乱の事実からして整っていたので、これが連合国側を納得させる表面的な根拠になった。 実質的な理由は、もし絞首刑にでもなれば本土決戦が起こり、ゲリラ的な人的被害を連合国側にもたらすであろうという思惑がマッカーサーに働いたのは間違いないだろう。 * 国民と天皇との関係は時代と共に変化していくことに留意する必要がある。 終戦時、天皇は未だ国民が崇める神であったので、確かに何が起こるか予断がつかなかったと思う。 その意味でマッカーサーは正しかった、とは思う。 ** 天皇は神であった為、国民はその御旗のもとで過酷な戦争を戦い、そして神であったが為に生き残ったという、矛盾した結果となった。 しかし、天皇は人間となり、国民との関係が変化した。 歴史は決して繰り返さないだろう。 *** 外国人監督からみた天皇は不可解で、基本的には本作も「謎の人物」として(日本文化そのものも謎)描かれているが、ソクーロフの「太陽」の方がより深く実態に近く印象深いと感じた。 本作は調度品や町並みなど何処か中国と混同しているような場面もあり残念。 さらに、知日の根拠が彼の彼女が日本人だったと言うのも、薄っぺらな気がする。 ただ、天皇の側近(河井直)の証言が天皇を守ったということに光を当てたのはさすがで、もっと評価されても良いだろう。
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