映画『コンクリート』問題を報じた記事
引用コンテンツのデザインこればっかですね<俺
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スポーツ報知 2004年4月28日 |
「女子高生コンクリ殺人」映画公開中止
5月29日から東京・銀座シネパトスで封切られる予定だった映画「コンクリート」(中村拓監督)が、急きょ公開中止になることが27日、分かった。 |
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中日新聞 2004年4月28日 |
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女子高生 コンクリート詰め映画 |
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毎日新聞 2004年4月30日 |
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「コンクリート」に抗議相次ぎ、公開中止 29日から東京・銀座シネパトスで公開予定だった映画「コンクリート」が、公開への抗議が相次いだため中止となったことが、30日分かった。 映画は、渥美饒兒(じょうじ)さんのノンフィクション・ノベル「十七歳、悪の履歴書」を原作に、1989年に起きた女子高校生コンクリ詰め殺人事件を描いた。4月半ばに映画化を報じた記事がスポーツ紙に掲載された後、公開に抗議するファクスや手紙が相次ぎ、中止を決めた。製作会社のアムモは「作品を見る前からエロ、グロと思い込んだようだ。少年犯罪を社会問題として描く意図が伝わらず残念」と話している。6月のビデオ発売は中止しないという。 |
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中日新聞 2004年5月16日 |
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今一生 「ネット万華鏡 ”人のあいだ”新時代」 6祭りを煽るもの
上映反対運動の機運を作った呼びかけ人には、『コンクリート』を試写会あるいは製作段階で観た可能性がある。それならば、映画の内容をふまえてBBSで嫌悪を露わにするのもわかる。だが、彼ら以外の不特定多数の人間は、既に先に書き込まれた内容を鵜呑みにして事態のアウトラインを把握し、上映反対の騒ぎを面白がって事態を煽る書き込みを続けていた。彼らだってオフライン(日常生活)では、自分が観てない映画のことを顔も知らない誰かから教えられても「ふぅん」という冷めた関心しか示さないだろう。ところが、ネットで祭りのように熱く語られているニュースを発見すると、「踊る阿呆に観る阿呆、同じ阿呆なら・・・」とばかりにヒマにまかせて煽り記事を書き込む輩も少なくないのだ。 |
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映画秘宝2004年7月号 |
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綾瀬市女子高生コンクリート詰め殺人事件の映画化『コンクリート』上映中止問題を追う インターネット上で上映阻止運動が起こり、5月下旬からのレイト・ロードショーが急遽とりやめになってしまった映画『コンクリート』。1989年に東京都綾瀬市で起こった通称・女子高生コンクリ詰め殺人事件を映像化したことに反応した「2ちゃんねる」有志が起こしたアクションに正当性はあるのか? 文責・田野辺尚人(編集部) 『コンクリート』上映反対の主だった理由 1.
被害者の遺族への了解も無く、事件を映画化したのは問題ではないか? 2.
監督の中村拓は犯人と同じ歳で元暴走族という経歴を持つ。この題材を撮らせるにはあまりに不適ではないのか? 3.
被害者の女子高生を演じる小森未来は「新体操ヌード」を披露した“脱ぎ系”であり、また別名でAVに出演している。被害者は極めて酷い殺され方をしているというのに配慮は無かったのか? 4.
主演は『バトル・ロワイアル』や『青い春』に出演した高岡蒼祐。鬼畜のような振る舞いをした犯人を美化していないか? 5.
ノンフィクション・ノベル『十七歳、悪の履歴書』を原作としていながら、最終的に「この映画はフィクションです」と謳う曖昧な姿勢は、事件を金儲けの道具にしているとしか思えない。そんなことが許されるのか? 現在、インターネットに端を発した魔女狩りが日本の映画界に衝撃を与えている。今年の4月、BENTEN ENTERTAINMENTとAMUMOによる「映画『コンクリート』製作委員会」が、1989年に綾瀬市で起こった女子高生コンクリ詰め殺人事件、(以下、綾瀬事件)の映画『コンクリート』(中村拓監督)を製作、5月29日より銀座シネパトスにてレイトショー公開すると発表した。それに巨大掲示板「2ちゃんねる」に集う一部の人間が反発、上映中止を求めた。 彼らは銀座シネパトスへの上映中止嘆願書を作成し(右ページ参照)、誰でもファックスを送れるようにサイトに貼り付けた。また製作者サイドには、映画の製作意図を問いただす質問状を送った。マスコミから各種人権団体までアドレス・リストが掲げられ、先に記した5つの問題点を根拠に、『コンクリート』の上映を中止すべきだと主張した。 このネット上の動きに連動して、銀座シネパトスには無言電話や上映中止のファックスが次々と送られてきた。当初は困惑していた劇場サイドではあったが、連日にわたる無言電話はスタッフの恐怖心を煽った。そして4月26日、銀座シネパトスは『コンクリート』の上映中止を決定する。 綾瀬事件は、1989年1月23日に発覚した少年犯罪史上に残る凶悪事件だ。この日、別件の強姦事件で逮捕された少年Aはじめ綾瀬市にたむろしていた不良グループに、取調官が「人殺しもしているんじゃないのか?」とカマをかけたところ、メンバーの1人が「殺しています」と白状、コンクリ詰めの女子高生の死体が発見された。彼らは前年の冬に彼女を誘拐、仲間の部屋に監禁して陵辱、暴行を繰り返し、1月4日、しに至らしめた。彼らは死体をドラム缶に入れコンクリを流し込み、反抗の隠滅を図った。 この事件は日本中を戦慄させる残酷なものだったが、犯人達は逮捕当時いずれも未成年だったので、そのプライバシーは少年法によって保護された。反抗に憤り、実名報道をした週刊誌はバッシングにあった。その後も多発する少年犯罪や、後の少年法改正のきっかけとなる論議も呼んだ。そして犯行グループは主犯のAを残して刑期を終え出所したことも、その犯した罪の重さを考えれば軽すぎるのではないかと「2ちゃんねる」の「少年犯罪板」をはじめ、インターネットの世界では延々と語り継がれてきた。 「遺族の心の傷がまだ癒えていない悲惨な事件を、元暴走族の肩書きを持つ若手監督が、AV女優に犠牲者の高校生を演じさせて、5日で撮り上げた」『コンクリート』に対して、善意の2ちゃんねる有志たちは立ち上がった。映画の公式HPや原作者のサイトにも抗議し、これを一時閉鎖に追い込む。こうした動きに対応して、上映反対サイトの掲示板に中村監督が発言を出す。そこで彼はこの映画に取り組む上での自分の考えを述べた上で、「遺族への配慮が欠けたことは反省している」「この作品は今現在の東京を背景にして描いた」「エロ描写が多いという意見に対して、実際に(ネットなどの)文面で書かれているものに比べるとないに等しい」といったことを釈明した。 『コンクリート』上映中止騒動は魔女狩りとなった。「犯罪被害者の気持ちを踏みにじる映画は許せない」という正義の旗の元に集った人々が、ミニシアターやまだ実績の乏しい新人監督を吊るし上げたのである。上映阻止運動には顔がない。代表者もいないし、スローガンもない。「個人が勝手にお願いいているだけだ」と言う。誰も責任を背負おうとはせず、匿名のままで正義を遂行するのである。匿名の正義ほど気分がいいものはないだろう。その結果がシネパトスの業務をストップさせた大量の無言電話だ。 だが、最大の問題は、彼らが『コンクリート』を観ずに、テーマだけを挙げつらい弾圧したことだ。 THE REVIEW OF CONCRETE 実際に観てみた『コンクリート』の問題点 本誌編集子(ママ)は『コンクリート』の最初の試写を見ることができた。そこで以下に作品レビューをする。 率直に書けば、問題作ではない。よくある監禁モノに綾瀬事件のフレーバーが加わっただけのジャンル映画だ。たとえば主犯の少年A(高岡蒼祐)が住む部屋の描写。結婚を迫る彼女(三船美佳)が彼の部屋に入ると壁に「レッドシャーク」と描かれたチームフラッグが飾られている。“烈怒斜悪”とか根性入れたフラッグを作るだろ、元暴走族なら、と思った。それほど『コンクリート』は不良性感度に欠けている。数ある綾瀬事件に関する本の中で、『十七歳、悪の履歴書』が原作に選ばれたのは、犯人グループの生い立ちや実際の行動を主軸に書かれていたためだろう。主犯のAが柔道部で苛めにあい、高校中退後はヤクザにこき使われ(映画では露天商だったが、実際には花屋)、さらに仲間と下部組織を作って人さらいや窃盗に流れ、遂には殺人事件を起こすまでを描いている。 『コンクリート』はこの原作をモデルにした「フィクション」になっている。舞台も1989年の綾瀬市ではなく、現在の東京に変更された(ロケは高田馬場から永福町まで脈絡なく行われた。実際に事件が起こった綾瀬市でロケをすることは、この作品の規模とテーマからすると無理だろう)。エンドロールには「俺たちが街を歩けば皆が避ける」といったような内容のB−BOYラップが流される。主犯Aが犠牲者の女子高生(小森未来)の持つ携帯電話(事件当時は普及していなかった)を奪い取るという描写も盛り込まれている。 『コンクリート』のクライマックスはやはり部屋の中での監禁・陵辱シーンになるが、これはドラマの後半になって描かれる。それまでは顔見知りになったヤクザに「コンクリ漬けにして沈めるぞ」と脅され、婚約者から「結婚資金が足りない」とせっつかれるAの狼狽ばかりが延々と描かれる。 そこから自棄になったAとその仲間たちは拉致した女子高生を顔が変形するほど殴り、足に火をつけて燃やし、腹に鉄アレイを落とす。こうした残酷ショーになるとカメラが遠慮がちな位置から撮っているため、迫力もなければ、おぞましさも伝わってこない。要は演出の腰が引けているのだ(なにしろ被害者を誘拐するシーンでは後ろでボーッと様子を見ている通行人まで画面に映り込んでいる!)。 この映画は安い。そして無神経だ。しかし、だからといって上映を中止するほど問題があるとは言えないだろう。 IT HAS BEGUN WITH “NEWS STATION” 抗議の根拠は『ニュース・ステーション』 綾瀬事件の映像化は『コンクリート』が最初ではない。『オールナイトロング』の松村克弥監督による『女子高生コンクリート詰め殺人事件』が1995年にビデオ安売り王からセル作品として発表されている。これは遺族側の要請から回収され、現在では観ることは難しい。松村監督は「事件に忠実に撮影したが、遺族側への配慮からカットした拷問シーンもあった」と騙っている(本誌25号)。また時期前後して、『コンクリート美少女』など、綾瀬事件にヒントを得たAVが何本か作られている。 |
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AERA 6月14日号 |
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2ちゃんバッシングで一度は上映中止「コンクリート」への封圧
<上映を決めたからには抗議や脅かしがあっても上映中止という“自主規制”をするつもりはありません> 東京・渋谷のシアター「アップリンク・ファクトリー」の主催者は6月1日、自社のホームページで宣言した。こんな「決意表明」のもとで上映されることになったのが映画「コンクリート」だ。東京仇四区で1989年に起きた女子高生コンクリート詰め殺人事件を題材にしたもので、ことの経緯はこうだ。 矛先はレンタル屋へも 映画は当初、5月末に銀座の映画館「銀座シネパトス」で公開が決まっていた。だが4月中旬にそれが報道されると、直後からネット掲示板の2ちゃんねるで「不愉快」「不謹慎」などの意見が飛び交い、監督や製作会社、劇場への批判や中傷が次々と書き込まれた。 「外野が軽々しく取り上げていい事件じゃないんだよ!遺族の心情考えろ」 「(被害者役に)AV女優使うのは被害者に失礼なんじゃないか?」 ネット上にとどまらず、「直接行動」もあおった。劇場などに電話やファクスによる多数の抗議が寄せられた。「劇場に火をつける」「スクリーンをナイフで切り裂く」といった脅迫めいた内容もあった。ほとんどが匿名で、上映中止を求めるファクスに記された「署名」には、実在しない住所の名前もあったという。 1週間後、銀座シネパトス側は上映を取りやめたいと、製作者側に伝えた。 「トラブルが起きてはいけないので……」(銀座シネパトス) それでも、抗議運動は沈静化しなかった。「ビデオとDVDは予定通り6月に発売する」との報道から、今度は大手のレンタルチェーン店などにメールを出し、商品の入荷取りやめを働きかける書き込みも続いた。 背景には「被害者」感情も 実際にあった犯罪をモデルに作られた映画は、連続幼女誘拐殺人事件を取り上げた「地獄」(99年)など、数多い。今回だけ、これほど騒ぎになったのはなぜか。 「あまりにも凄惨な事件で、強い嫌悪感を持っている人が多い」と、事件の特殊性をあげるのが、映画評論家の前田有一さんだ。16歳から18歳の少年たちが集団で女子高生を誘拐、監禁し、40日間にわたって暴行を続けて、死なせた事件。当時、メディアは実名や写真を掲載し、原因が被害者側にもあったとする報道もあるなど、昨今、世論の高まりを見せている「犯罪被害者の人権問題」や「遺族の感情」が問われる契機にもなった。 今回の件では遺族からの抗議を受けてはいないものの、そうした背景が、2ちゃんねるなどでの上映反対行動に重なっている面があるのは間違いない。 映画は、渥美饒兒さんのノンフィクションノベル『17歳、悪の履歴書』が原作。だが、映画の公式サイトで被害者役の下着姿の写真が使われるなど、宣伝にセンセーショナルな演出があったのも確かで、「製作サイドが事件の重みを見誤り、宣伝の仕方などに色気が見えたことが反感を買った」と前出の前田さんは言う。 一方で、こうした形での封じ込めに、イラク人質問題などでもあったバッシングと共通する不気味さがあるのも事実。試写会を見た映画評論家の服部弘一郎さんは、上映反対派の「エログロだろう」といった推測は外れていると感じた。 「見る前から中身を勝手に推測し、映画作品を抹殺することを正義だと考える風潮はいかがなものか」 ネット上の「匿名言論」は、もはや侮れない「力」を持ち始めている。 編集部 杉山麻里子 |