抗議派との対話――暫定Q&A

2ちゃんねるにおける『コンクリート』についての討論を纏めたものです。

問題について理解を深める一助になってくれれば幸いです。

 

・実際の凄惨な殺人事件を映画化!? なんと不謹慎なのだろう!
死ぬほどよくある話です。『サイコ』、『エド・ゲイン』、『ヘンリー』、『ディレンジド』、 『悪魔のいけにえ』、
『羊たちの沈黙』、『ロベルト・スッコ』、『黒い太陽七三一』、『復讐するは我にあり』、 『丑三つの村』、
『八つ墓村』、……まだ足りませんか?

 

・しかし、この事件は特別なんだ!

コンクリ事件を題材にした作品も決して初めてではありません。
   すでに1995年、『女子高生コンクリ詰め殺人事件』というビデオが発売されました。

漫画では氏賀Y太作画でコミック夢雅に掲載された『真・現代猟奇伝』と漫画アクションの『17歳。』、

『コンクリート少女』なんて露骨なアダルトビデオも存在しているのです。

というか、何が特別なんですか? 他の事件の被害者は映画にされてもいいんですか?

 

・事件を元にした映画なのに、一方ではフィクションと銘打ったのは「逃げ」ではないのか?
事実を元にしていても、設定やストーリーを事実から変更すれば当然フィクションですね。
極端な話、『ドラえもん のび太と竜の騎士』は恐竜絶滅という実在事件を元にしています。
製作側の本当の動機はともかく、フィクションと書いたことを何らかの作為の証拠だというのは無理です。

     のび太と竜の騎士の例はまったく的外れ。なぜなら恐竜絶滅は事件ではない、事象だ!
本当にこう言って反論した人がいるんです。『大辞林』より「事件」の定義を見てみましょう。
(1)争い・犯罪・騒ぎ・事故など、人々の関心をひく出来事。「―が起こる」
(2)「訴訟事件」の略。
要するに「人々の関心をひく出来事」ならば事件です。恐竜絶滅は多くの人々の関心を引いています。

     どうせエログロ映画だろう?
いいえ。単なる「青春映画」で、エログロはほとんど入ってないらしいです。
邪な期待した人は、氏賀先生の単行本でも待ちましょう(出ろよ)。
二次元はちょっと……という人は入手困難ですがビデオ『女子高生コンクリ詰め殺人事件』をどうぞ。
さて。まじめに答えますと、試写を見た評論家のコメントのなかで、
『コンクリート』がエログロ作品だなどといった意見はひとつもありません
逆に「まじめに作ったという印象を
受ける」「一部で心配されたようなエログロではない」
などの意見が主流です。詳しくは参考リンクから評論家のコメントを辿ってください。

 

・遺族の許可を取っていない!!
法的には必要ありませんし、別に珍しくない話です。

そもそも会いたかったにもかかわらず居所が分からなかったのかもしれません。

脚本家の菅乃氏によれば、被害者の墓地も分からなかったためにお墓参りを断念したそうです。

 

・我々(抗議派)は映画化自体ではなくその宣伝方法を問題視したのだ!
彼らは宣伝内容の撤回や宣伝HP閉鎖を求めたのではありません
映画そのものの公開中止とDVD取扱い中止を要求したのです
また抗議派が2chに立てたスレの多くは『女子高生コンクリ詰め殺人事件映画化に抗議』という題でした。
まとめサイトに貼られた抗議FAXテンプレでも態度ではなく映画化を問題視しています。

とか言ってる間に、上映が再開が決まるや製作会社のBBSは「映画化自体への非難」の嵐ですね。
このような発言は、抗議に疑問を持つ人に論破されたことによる路線変更です。

     論破したと映画擁護派が言い張っているだけ。議論を重ねて主張に訂正を加えたのだ。
→自らの過去の行動の動機について「訂正を加えた」と言うのですか?
それは最初に嘘をついていたか、現に嘘をついているかのいずれかでしかないのですが。

     実害がないとか映画が普通とかは問題ではなく、映画の製作姿勢を問題視したのだから抗議派は正当。
そんなことに熱烈な抗議する人が抗議派の主力だとしたら、ますますキモイだけです。
しかも、例によって自己正当化のための後付けと思われます。

「なぜ氏賀Y太のエロ漫画を攻撃しないのか」と聞かれた時に決まって返って来る答えが、

無辜の被害者が受けた残虐が描かれているからだという、製作姿勢でなく内容に関する答えでした。

「罪もない女性が陵辱・暴行を受け肉体を破壊される」というのは彼のエロ漫画本来の性癖です。
なにも今回に限って義憤や正義感から出たものではないでしょう。

姿勢が不謹慎というならこちらのほうがよほど不謹慎です(嫌いじゃないけど)。

そもそも、製作者の姿勢を問題視するのに本人達でなく劇場に集中攻撃するんですか?

 

     中村拓のようなAV監督が撮るなんて不謹慎!

→AVではありません。ピンク映画ではありますが。
日本では映画監督は売れるまではピンクから入っていくのがほとんどなのです。

現在では巨匠・名監督と呼ばれている人でも、過去にエロ作品を撮っているというのはむしろ普通の経歴です。

中村監督が特別にピンクなわけではありません。

 

     被害者役にAV女優を起用すると、被害者自身がAV女優に重ねられてしまうのではないか?
現在、抗議派のなかには「小森未来のような演技力の無い女優を起用したことを責めたのだ」とか

「宣伝HPの文章が悪いんだ」と誤魔化そうとする人がいます。でもまとめサイトにはそう書いてますよね?
  
あ、答えがまだでしたね。そんなわけありません。

 

     でも「宣伝HPではいい体したグラビアアイドルと小森未来を紹介している」以上、エロ層狙いのはずだ。
正確にはこう書いてあります。
また被害者の少女に、元新体操選手というしなやかな肢体を活かして数々のグラビアを飾り、
>「目指せ!!金メダル 新体操物語」シリーズ主演など活躍の場を広げる小森未来。
……意外と普通ですね。「エロい人」ではなく、「広範に活動している人」という印象しか受けません。
本当に文章が問題だと思ってるなら、なぜわざわざ実際より下品めいた表現に改変して紹介するんでしょう?

     AV女優に対する差別だという抗議派がいるがとんでもない!適切な演技力を持つ女優を使えと言っただけだ!
→演技力を問題にするのにAV女優を云々する必要はどこにもありません。
しかも時系列的に、職業差別を非難されるまでは、小森未来がAV女優なのを罵るレスはあっても
演技力を問題視するレスは抗議派からは全くと言っていいほど出されていませんでした。

 

     だが、宣伝HPにわざわざブラジャーやビンバイブシーンを出しているのはエロ狙いが明白ではないか!
映画宣伝にクライマックスシーンを入れるのは当然ですし、元の事件が事件ですから単なる必然でしょう。
そもそもエロ狙いの嘘宣伝をするくらいなら、本当にエロくすれば良かったはずです。
出演者がAV女優という利点があるにも関わらずそうしなかったことは、エロ狙いでない証拠と言えます。

 

     被害者に落ち度があったかのように描いて貶め、加害者を擁護する内容ではないのか?
不明ですが評論家のレビューには、被害女性を貶めているという指摘はありません
加害者擁護という指摘もありませんでした。加害者視点ではありますが。

 

     ラストシーンが「手の中の小鳥を握り締めたら死んでしまった」というものらしいな?
脚本家の菅乃廣氏によりますと、確かにラストはこういうものだそうです。

 

     監督が「被害者に人権はありません。だって死んでるんですよ」と言い放った?
監督から否定声明が出たわけではありませんが、十中八九、単なる「騙り」です。

なお監督が否定しなかったのは、監督のBBSは数年前から放置状態で見ていなかったからだそうです。

 

     抗議がかえって宣伝になっちゃったってマジですか?
実際『バトルロワイヤル』など、そういう結果になった問題作はかなり存在します。
関係者が2chで叩かれたと喜んでいたという話もあり、未解決のテーマです。しかし、
それによる利益はTSUTAYAGEOなど大手の入荷中止により相殺されたというのが抗議派の主張です。

 

     TSUTAYAなど大手の入荷中止は抗議運動の勝利ですよね?
見解が分かれています。元々、大手ではあまり扱わないマイナーな会社の作品です。
販路はもっと小規模のチェーンやビデオも置いている小書店なのでダメージにならないという意見も、
そもそもセルメインだからレンタル中止の損害はほとんどないという意見もあります
なお映画板の考察によれば推定製作費5002000万。で、ベンテンの過去作は一本4000円ほどなので
1000
5000本で儲かることになりますが、売れそうかどうかは意見が分かれます。

 

     そもそも『コンクリート』って面白いの?
「最低」「可もなく不可もない」「特殊メイクは出来がいい」「小森未来の演技力なし」
RAPが意外と合っている」「脚本を読んだら叫び出したくなるほどすごい話(出演者)」などの評価があります。
要するに分かりません。

     製作会社のBBSが書き込みを削除するのは「表現の自由」に矛盾している。これこそ弾圧だ!
→自分が管理する媒体をコントロールするのは表現の自由の弾圧ではなく、表現の自由の行使です。
新聞社は全ての読者投稿を紙面に掲載しなければ表現の弾圧になりますか?

 

     結局は上映中止にされてしまったということは、やっぱり問題があった証拠なんじゃない?
上映中止が決定されたのは試写の前で、当時シネパトス側は作品を見てません。

 

     なぜ公開停止したの?
シネパトスが「多量の電話やFAXを送りつけられ続けたら機能が麻痺してしまう」程度の小規模な
ところだったからでしょう。製作側としても抗議・中止を宣伝に使うつもりで受け入れたのでは?
という説もあります。

 

     でも、上映されたらDQNが見て模倣など悪影響を受ける可能性があったのでは?

→DQNは見ません。シネパトスのレイトショーなんか見に行く人間は映画ヲタだけだからです。

映画板によれば、一度に来る人数は一桁。2週間上映したとしても動員数は述べ200人がせいぜいという実態のようです。

 

 

     95年製作のコンクリビデオが遺族に訴訟を起こされてお蔵入りになったってマジですか?
未確認情報です。お蔵入りというか、単に会社がつぶれただけとも言われています。
本当だとしたら「遺族が精神的に参って映画に抗議する気力もない」というのは嘘になるでしょう。

 

     上映予定日と同時期に小森未来がAVを出したって?
他の会社のAVの発売時期なんかに責任を持てというのは無茶でしょう。注文くらいはすることがありますが。
というかそれを報告したコピペ、被害者の実名晒してるんですけど・・・宣伝だよね?抗議派じゃないよね?

 

     脚本家の方が抗議運動にコンタクトを取っているという話は?
抗議運動の人は接触を拒否。脚本家の方によれば、返信は一切なかったそうです。

2chで弁明した人によれば「逆恨みしている可能性が高い」から「怖くて会えない」んだとかw

 

     製作会社が中小企業創造活動促進法の助成金虚偽申請をしていたというけど文書偽造?
文書偽造罪というのは「名義を偽って文書を作成する罪」なので内容の嘘だけでは該当しません。
公正証書原本不実記載罪の第2項が考えられますが、公訴時効3年をすでに経過しています。
そもそも、虚偽申請自体が事実無根の可能性があります
言い出した人はオブジェプロダクションの「中国人向けのテレビ番組編成やソフトの開発」をしているという
申請理由を嘘ではないかと言っていたのですが、なぜかこの人は『日本映画データベース』で
その有無を調べており、これには劇場公開作かビデオ化作品しか載っていないそうです。

 

     抗議運動は法律に反していますか?
掲示板やまとめサイトに嘘を書いて虚偽の風説を流した場合は名誉毀損罪・偽計業務妨害罪
「公開したら殺してやる」というような脅迫的な言辞を使った場合は脅迫罪
一人で大量の送りつけを行ったり、多くの人を煽ったりすれば偽計または威力業務妨害罪
などが考えられます。
穏当な文章で「道徳的に問題がある」程度の内容かつ一人一回なら、その人は大丈夫でしょう。

     この映画の方こそ被害者女性に対する名誉毀損罪になるんじゃないの?
→なりません。刑法230条第2項「死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした
場合でなければ、罰しない。」とあり、虚偽の事実を指摘とは要するに「嘘をつく」ということです。
『コンクリート』は最初からフィクションなので嘘のつきようがありません。
事実を摘示しなくても侮辱罪なら成立しますが、死者に対して侮辱罪はありません。

 

     抗議派はほとんどが実名を名乗り、誹謗中傷なんか全くなかったって本当?

騒ぎが起こった当時のスレや関係者のBBSの荒らされっぷりは到底そんな雰囲気じゃありませんでした。

現在のベンテンBBSをごらんください、ちょうど似たような感じです。

菅乃廣さんから教えていただいたところによると、電話に応対した係員が名前を覚えられ執拗にターゲットにされたり、

「劇場に火をつける」「スクリーンをナイフで切り裂く」のような脅迫や、無言電話もあったそうです。

なお、「ほとんどが実名で誹謗中傷なし」と主張する人がソースを出したことは一度もありません。

 

     2ちゃん外の世界の反応は?
公開中止を報じただけの新聞など「嫌がらせによって中止になった」で終わりがほとんど。
日刊ゲンダイ「公開にこぎつけて欲しい話題作」、映画秘宝は抗議運動を叩きました。
抗議派は「誰からも叩かれているクソ映画!」と主張しますが、

実際は「叩かれたり、観ていないために判断を保留されたり、特に問題のない凡作と判断されたり」です。
本当に誰からも叩かれているのは抗議派の方なんです。

 

     この作品だけがバッシングを受けたからには、何かこの映画が悪質である理由があるはずです!
抗議反対派は、その理由がなんなのか常に聞いてきました。なぜ他の殺人事件は映画になっても良いのか?

なぜ同じ事件を扱った他の作品――たとえば『真・現代猟奇伝』や『17歳。』などの漫画は非難しないのか?

ですがこれらの質問にまともな答えが返ってきたことはありません。

そもそも祭りが起こったからには相手に非があるはずだというのは、田代祭りはTIME誌に
  非があるから
発生したはずだというのと同じくらい無理があります。

 

     騒動になるのは予測できなかったのですか?
多数の(実在事件ネタ含む)犯罪映画が存在し、騒動になる確率は実は極めて小さいからです。
殺人をひたすらカッコ良く描いた映画、被監禁女性が犯人を愛するなんて映画であってもです。
ましてや特に悪質なところのないコンクリートだけ叩かれるなんてぶっちゃけ理不尽ですし、
予想外であっても不思議ではありません。

 

     万一、製作側が宣伝のために抗議を煽っていたら?

→覚悟の上です。製作会社が儲けても我々は別に困りませんが、

今後、無実の作品が抗議に晒された場合に役立ってくれれば満足です。少なくとも、私は。