はじめての呼吸法
 

はじめての呼吸法 雨宮隆太・橋逸郎 楊進監修 2010.9.24

第一章基礎編

腹式呼吸はおなかで呼吸することではない。呼吸に必要な駆動力の大部分は横隔膜である。

呼吸法はどこに効くか?

呼吸法は心に効く。目は心の窓といわれるが、呼吸は目以上に心の窓として機能する。

呼吸をコントロールすることは、心を平静で健康な状態に保つための最良な方法といえる。

呼吸法は体に効く。肺全体をバランスよく伸縮させる呼吸法等に注目すべきである。

呼吸法は動きに効く。私たちの動きは呼吸の先導で行われる。運動と呼吸の連携が食い違うと、うまく動けなかったり、ムダな動きが多くなったりする。

体に良い呼吸の条件とは?

呼吸は意識的にすべきである。心のコントロールには「意識的にする深い呼吸」が基本中の基本といえる。

意識的な深い呼吸は胴体の深部筋を活動させる。このような胴体運動としての感覚は、意識して呼吸することで得られる。型を習得したのち技に昇華させるステップとして呼吸が有効である。

ゆっくり呼吸は隅々に達する。呼吸回数が多いほど肺胞まで流入しない。ゆっくり呼吸するほど肺胞は均等に使われる。

呼吸法の目安は、一日一回の目標では3040分がよい。最低3分。

セロトニン神経(平常心を強化、ストレスに動じない)を呼吸が活発化して、運動神経の反応が良く足腰が強くなり、顔にしまりが出るなど健康にとってさまざまな利点がある。

セロトニン神経を鍛えるには、リズム運動なら動作を、呼吸法なら呼吸そのものを意識して、ゆっくり時間をかけたい。

第二章始める前に知っておきたい呼吸の知識

呼吸の手動力は胸部、横隔膜、腹筋の3ケ所

胸郭は1224本の肋骨でできた鳥かごのような構造になっている。肋骨と肋骨の間は肋間筋があり、胸郭自体が膨らんだり縮んだりす力を持っている。

横隔膜は、胸郭の底にある筋肉膜だ。息を吸うとき下に、吐くときは上に動く。これは呼吸の仕方に関わらずいつも同じだ。「横隔膜は息を吸うときだけ働き、息を吐くときには働かない。吐くときにきただ弛緩するだけである」

腹筋お腹をへこませたり、胸郭を下へ引っ張る力を出す。横隔膜を押し上げる力が息を吐く力となる。

まとめ:息を吸うときには、胸郭と横隔膜が関わる。息を吐くときには、胸郭と腹筋が関わる。

胸式、腹式、逆腹式…どこが違うか?

腹式呼吸はお腹を意識する。吸うときお腹が膨らみ、吐くと元にもどる。

使われる筋肉:吸気=横隔膜 呼気=胸郭の弾力、腹筋(強く吐くとき)

逆腹式呼吸

胸とお腹の境目(胸郭下端)を意識する呼吸

息を吸うときは胸が膨らむ

息を吐くときには肋骨の下端が収縮し、下腹は膨らんだように見える。

逆腹式呼吸は、胸で息を吸い、吐くときに上腹部をへこませるこのとき下腹は膨らむ

誤解していませんか?逆腹式呼吸

一般的に「腹式呼吸の逆で、息を吸ったときにお腹がへこみ、息を吐いたときにお腹が膨らむ」と説明されている。

筆者らは「逆腹式呼吸」という名称の意味合いに新しい解釈を提案したい。

逆腹式呼吸と呼ばれる呼吸の形態は、息を吐くことに重点をおいた呼吸といえるのだ。逆というのは、実際の機能としては吸うことではなく吐くことを重視するという意味合いとも解釈できる

誤解されやすい横隔膜

呼吸の主役は横隔膜である。

「息を吸うとき腹がへこみ横隔膜が上がる…」息を吸うと横隔膜は下がる。

無意識の呼吸は吸うときに力を使うが、吐くことから始める呼吸は意識しないとできない。意識呼吸を続けるには、吐く息主体のほうが長続きしやすい。

吐いて始める呼吸のメリット

呼吸筋を効果的に鍛えることができる。

呼吸法に入る前に知っておきたい知識

横隔膜は、腹式、逆腹式とも息を吸ったときに収縮して下がり、吐くときに弛緩して上がることには変わりない。

胸式呼吸:肋骨筋と横隔膜前側を使う

腹式呼吸:横隔膜前側を使う

逆腹式呼吸:肋骨筋と横隔膜前側、横隔膜後ろ側も使う

意識的に呼気筋を使って息を吐いた場合は、呼気筋が弛緩して息を吸う。このとき意識的に息を吸うと、前半は呼気筋の弛緩により、後半は吸気筋の収縮により、肺内に空気が取り込まれる。この方法が五段錦の体の回転と呼吸の配合である。

アゴを引け!

ガス交換、換気量が2割増える。

第三章

チャレンジ呼吸法

動きが先か、呼吸が先か、パーツで知る呼吸の基本

ひざを上げる・足を後ろに上げる→息を吸う

足を降ろすときは吐く。

右ひねりは右胸で吸う意識を持つ

左ひねりは右胸で吐く意識を持つ

呼吸筋のストレッチ

前胸部の筋肉のストレッチ

側胸部のストレッチ

胸背部のストレッチ

肩のストレッチ

首の運動

逆腹式呼吸

おへそを中心に両手をお腹におき、親指をみぞおちの下で屈曲線に重ねる。

    軽く息を吐いてから、息を吸いながらみぞおちの下をへこませるように親指で押さえ、下腹を出しておへそが斜め上に向くようにする。骨盤は後傾する。(6)

    せなかを伸ばしながら、おなかを戻して息を吐く。骨盤は前傾する。(8)

スワイショウ=呼吸を意識しない呼吸運動

回転スワイショウ=セロトニン神経を活性化させる。