太極拳が体に良い理由(わけ) ヘタでも大丈夫! 健康になりますよ

  楊進監修 雨宮隆太 橋 逸郎

Part1 寝たきりにならないための太極拳

効果的に足腰を鍛える法則はこれだ!

1 転倒防止、骨折を防ぐ三つの力
(1)体を支える力をつけるには

太極拳の特徴は下半身にあり
・体を支える、ヒザを守る、両方に活躍する膝伸筋~もっとも強力なのが大腿四頭筋

(2)足を上げる力をつけるには
・脛の筋~つま先を上げることにより前脛骨筋を鍛える

(3)平衡を保つ力をつけるには
・太極拳は骨盤の平衡力を鍛える~中臀筋、大腿筋などお尻から腿の外側の筋群

(4)三つの力をつける最短コースは後ろ歩き

2太極拳は骨と関節を強化する
・筋肉を動かすことで骨内の血流が増加し、骨芽細胞を活性化する
・膝を守る

Part2 生活習慣病を予防する

 四の四重奏から身を守る~高血圧・高脂圧症・肥満
・軽い運動が血圧を下げる
・脂肪を燃焼させる
・下肢の運動が効く
・肥満の解消・予防
・血液循環の促進~脚は第二の心臓
・認知症の予防
・癌の予防的対策

Part3 太極拳が頭を活性化する理由
・太極拳で記憶力を高める
・記憶の中枢、海馬を活性化する軽運動

Part4 太極拳が心を鍛える理由
・太極拳ですばらしいセロトニン環境を~不安、衝動、食欲などを調節する。

Part5 太極拳の利点、こんなところも注目
・胴体を鍛える運動はメリットが多い~胴体のたわみやひねりを使わなければ健康法として効果が薄い。

Part6 いつ、どれだけやれば効果的?
・週3回の運動を進める理由はケガとボケ
・早朝高血圧の疑いのある人は午前中要注意

太極拳で大切なもの
・収臀とターヤオ、腰のひねり、踏実、
理論勉強こそ健康法の基礎
 本当に体に良い効果を得るには武術性を理解するしかない。

 

太極拳で大切なもの  太極拳が体に良い理由P134

1収臀と搨腰(ターヤオ) 規範教程P62

①収臀

 骨盤を後退させて背中を下に伸ばし、腰部の前弯が平坦になる姿勢。吸気時、防御時の身型である。腰椎は前に向かって反っているのが普通だ。これを真っ直ぐにして平坦化するお尻を少し前に引っ込む。教えるときに「尻を引っ込めろ」と表現されるが、動きの主体は尻ではなく腰である。

②搨腰

 収臀を経て腰椎の前弯が自然な弯曲にもどった姿勢呼気時、攻撃時の身型。

 これができないと、健康法の効能、太極拳の美味しいところを半分以上捨てているようなものだ。

2腰のひねり

 体幹のひねり

 体幹のひねりは太極拳動作のすべてに含まれ、手法と歩法のまとめ役である。

3「踏実」で重力と親しむ 規範教程P107

 太極拳では、しっかりと立つことなく軽く動きながらその実安定する方法を「踏実」という。踏実は主に片方の足の内での虚実と力の使い方を指している。太極拳は拇指球で踏ん張ることをよしとしない。その方法論が踏実である。常に自己の質量を垂直に落とすことを考え、それができる位置をキープすることで時を選ばず攻撃と防御を可能にする。

太極拳は拇指球に力を入れず、踵に重心をかけて足の裏をのびやかに、まるで吸盤のよう足裏が地面に吸いつくように使うことを良しとする。これによって足の裏には垂直に体重がかかり、伸筋を緩めれば垂直に緩むことができる。この状態を踏実という。

①足の感覚は立禅と起勢で鍛える

弓歩に移るときも前足が踵に重心

この歩法に慣れてくると、前脛(ぜんけい)骨筋(こつきん)などの足関節屈筋の働きが増す。