研究題目

車の排ガスが環境に及ぼす影響について(2年次)

ーーーー排ガスの主に浮遊じんの測定についてーーーー


動機および目的  

 私たちは昨年山口県科学発表会で「排ガスの主に窒素酸化物の測定について」発表した。発表の あとの質疑応答の中で、試薬による測定もいいが、もっと五感を使った測定はできないものかとの アドバイスをもらった。確かに試薬まかせの測定で実感が伴いにくい。そこで大気汚染物質の一 つ、「浮遊じん」の量を視覚的に測定し、昨年の試薬測定値と比較してみようと考えた。


研究内容(方法、結果)

(方法)

 セロテープの粘着面で浮遊じんを採集し、双眼実体顕微鏡で10ミクロン以上のものをカウント した。部員みんなで五感でとらえられる排ガスの研究方法を見つけるまでが大変だったが、この方 法が確立してからは、場所を変えよう、時間を変えよう、高さを変えようといろいろな測定のアイ ディアが次々と生まれた。


(結果)

(表1)「環境基準のもうけてある5つの大気汚染物質の発生源と悪影響」

 硫黄酸化物、窒素酸 化物、一酸化炭素、浮遊粒子状物質、光化学オキシダントで、発生源は主に 工場と自動車である。今年は顕微鏡で測定できる浮遊粒子状物質に着目した。しかし、浮遊粒子状 物質は10ミクロン以下と定義されていて、非常に小さく扱いにくいので、10ミクロンより大き い煤塵(ばいじん)を測定することにした。


(表2)「ばいじん(煤塵)と測定方法の説明」

 自動車や工場のえん とつから出る「ばい煙」や「すす」のうち、10ミクロン以下のものを浮遊 粒子状物質といい、それより大きいものをばいじんとよんでいる。測定方法は、セロテープの粘着 面をばいじん捕集器とし、方眼TPシートを重ねて、双眼実体顕微鏡で1平方センチメートルあたり をカウントした。10ミクロンの区別はスギ花粉の30ミクロンを基準にした。悪影響としては、 人の気道や肺胞に沈着し、呼吸器疾患の増加につながるそうだ。


(表3)「ザルツマン試薬による窒素酸化物の測定値」

 高かったのは、山口 中央高校交差点、七尾山トンネル内、吉敷洋服の青山店交差点であったが、 どのポイントも環境基準の0.04ppm以下だった。


(表4)「各地点のばいじん測定」

 7月の下旬に24時 間の捕集を2回おこなった。その測定結果は平川中学校前48,17 スー パーマリン平川店前504,455 山大通り元日石石油三差路266,342 山口中央高交差 点311,276 白石中央ダイシン店交差点180,94 七尾山トンネル内473,487  天花(てんげ)地下道52,109 吉敷洋服の青山店交差点252,250であった。もっとも 多かったトンネルの中は、測定で入ったときからにおいとばいじんが舞っている感じで測定値とよ く一致していた。次に多かったのが、マリン平川店前で他の交差点よりも多く、意外な結果だっ た。窒素酸化物とばいじんの両方が多かったのはトンネル内、中央高校交差点、洋服の青山店交差 点で、平川中学校あたりは両方の測定値から見て、大変にいい環境だといえる。


(表5)「1時間ごとの1日のばいじん測定」

 横軸が時刻、縦軸が ばいじん量で、青が平川小学校交差点、緑がスーパーマリン平川店前の測定 グラフである。朝夕の通勤時間との関係があるのではないかと予想を立てたが、小学校交差点では 午前から午後にかけて増加の傾向が見られた。マリンの前では午前、午後ともに似たような上下の 変化で、傾向が読みとりにくい結果となった。午前6時から夕方の6時まで1時間ごとの測定のた めのセロテープ交換は大変であったが、この研究を通して一番思い出に残った一日となった。


(表6)「高さによるばいじん測定」

 9月の上旬と中旬の 2回、平川小学校交差点の電柱にセロテープを25センチごとに2メートル 25センチまでにセットして捕集した。横軸はばいじん量、縦軸は高さで、青のグラフは一日中晴 れた日であったが、オレンジのグラフの日は夜少し雨が降ったので洗い流されて少なめになった。 青のグラフからわかるように低い位置ほどばいじんは多く、特に1メートルより低い位置は多く飛 んでいた。背の低い小さな子どもなどは信号待ちの間に大人よりも多くのばいじんを吸ってしまう ことになる。子ども連れの歩道は、親が車道側を歩くというルールはばいじんの観点からも言えそうだ。


(まとめ)

 大気汚染物質のばいじんについてセロテープ捕集器で窒素酸化物濃度や時間帯や高さでの違いを 考察できた。昨年、参加した大分県の工業高校主催のザルツマン試薬による窒素酸化物の全国調査 に、今年も参加依頼が電子メールであった。今後もいろいろな方法で大気汚染物質を測定したい。


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