研究題目

学校における

アレルギーの原因となるダニの研究


動機および目的

科学部では花粉アレルギーの原因となる空中スギ花粉をシーズン中、毎日測 定してきた。アレルギーの原因として花粉以外にダニが特に注目されている。 平川中は開校4年目の新しい学校で、ワークスペースというカーペット敷の 広い空間が各階にある。学校のカーペットのダニは大丈夫だろうかと疑問に思い 調べてみることにした。


研究内容(方法・結果)
(方法)

 掃除機のホース途中に紙フィルターをはさみ、調査地点1m2を3分間吸引 し、室内塵を集める。フィルターの塵を、アルコールと水でビーカーに洗い落 とした後、メチレンブルーで染色(ダニ以外の塵は青く染まる)し、35と200 メッシュのふるいにかけると、ダニとそれに近い大きさの塵だけが200メッシュのふる いの上に残る。ブフナーロートで5mmの方眼を書いたろ紙上にこしとる。  ろ紙上のダニを、双眼実体顕微鏡を使ってカウントしながら柄つき針でひら い、ガムクロラールでプレパラート標本を作成し生物顕微鏡で同定した。


 (結果)


1.ダ ニ調査の概要

 7月と9月の調査で、カーペットの部屋・廊下20ヶ所、畳の部屋1ヶ所、生 徒用昇降口マット1ヶ所、板張りの職員室1ヶ所の、延べ29ヶ所から室内塵を 7.3g採集し、合計3354匹のダニを見つけた。これは塵1gに460匹のダニがい ることになる。ダニの種類は8種類(チリダニ、イエササラダニ、ツメダニ、 テングダニ、マヨイダニ、カザリヒワダニ、ホコリダニ、トリサシダニ)を確 認した。

(ダニの写真の説明)


















2.ダ ニの最高値と分布(1m2あたり)

 最も多かったのは畳の部屋で2120匹。2番は校長室の会議用机の下で92匹。 3番は1階ワークスペース東で、44匹。同じく2階ワークスペース東で43匹。 生徒が座ってくつろぐワークスペースは1、2階が平均26匹なのに対して、 3階は平均11匹と少なめであった。ワークスペースの全平均は20匹で、板張 りの職員室12匹と比べると、今の所、カーペットにダニはいるにはいるが、特 に多いとは言えない状況である。
























3.ダニの 種類内訳

 カーペットのダニは90〜96%がチリダニで、他に、ホコリダニ、イエササラ ダニ、カザリヒワダニがいた。板張りの職員室はダニの数は12匹と少ない割に 種類が多く、チリダニが58%で、他にマヨイダニ、人から吸血するトリサシダ ニ、そしてダニの幼虫が見つかった。




























4.畳 の部屋のダニの変化

 7月調査では2120匹のダニのうち90%以上がイエササラダニだったのに、9 月には686匹のダニのうち80%以上がツメダニであった。ツメダニは他のダニ を捕らえて食べる性質があり、この2ヶ月の間に「食う食われる」の関係で移 り変わったようである。


























(まとめ)

 今回のダニ調査で、ダニ防止のしてあるカーペットでも、いつまでもダニの 発生がゼロとはいかないことがわかった。現在、カーペットに特に多いとはい えないが、掃除機を使ったていねいな掃除や、予防対策が必要と思われる。  今後も、ダニの生活環境条件や掃除、予防の効果について調べてゆきたい。



平成5年度 山口県科学研究発表会 (山口県教育委員会主催)にて発表

(於:山口県教育会館)


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