涼宮ハルヒの憂鬱  サムデイインザレイン 後編

 

配役比率  ♂3:♀2=五名

 

 

 

 

 

 

 

 

電器屋:「これが、約束のストーブだよ。持って帰れるかい?」

 

キョン:「ええ、まぁ。なんとか」

 

電器屋:「あの可愛い娘さん達は元気かな?」

 

キョン:「一人が元気ありすぎて困ってますよ。

・・・CMの効果はありました?」

 

電器屋:「・・・正直言って、あまり変わってないね」

 

キョン:そりゃあそうだろうなぁ・・・。

高校の文化祭映画本編中のCMじゃあ、あまりに局地的すぎる。

よくスポンサーになってくれたものだ・・・

 

電器屋:「ところで、あの元気のいい娘さんが電話で言ってたんだが・・・

映画の続編を作るって本当かい?」

 

キョン:「あいつがそう言ってんだったら、そうなるんでしょうね」

 

電器屋:「次もスポンサーになるよう頼まれてしまったよ、ハッハッハ・・・。

このストーブは、次のスポンサー料の前渡しだと思ってくれ」

 

キョン:・・・そういうからくりだったのか。

 

キョン:「じゃあ、これで。・・・ありがとうございます」

 

電器屋:「ああ。気をつけて」

 

 

 

 

 

 

キョン:「・・・ふぅ」

 

谷口:「よぉ、キョン!何やってんだ?こんなところで」

 

キョン:「見てわからないのか?荷物運びだ」

 

谷口:「ご苦労なこった。どうせまた涼宮の命令だろ?」

 

キョン:どうやら半年もあれば、

クラスメイトが俺の立場を正しく認識するのに充分のようだった。

 

国木田:「これから学校に戻るの?本当にご苦労様だね」

 

キョン:「まったくだ」

 

谷口:「じゃあな!」

 

キョン:「おう」

 

国木田:「また明日!」

 

キョン:「ん! っと・・・ちぇ。降ってきやがった」

 

キョン:天気予報じゃ、降水確率10パーって言ってやがったのに。

当てにならん気象予報士だ・・・。本降りにならんことを祈ろう。

 

 

 

 

 

 

古泉:「・・・おや?雨のようですね」

 

みくる:「キョンくん大丈夫かなぁ・・・?」

 

 

 

キョン:今ほどあの部屋が恋しいと思ったことはない。

一刻も早く、朝比奈さんの淹れてくれるお茶にありついて、

心と体をあっためたいぜ・・・

 

 

 

鶴屋:「やっほーっ!!みくるいるーっ?ってアレ、長門っちだけ?

明日の掃除当番代わってほしくてさぁ・・・

それを頼みに来たんだけど、みくるは?」

 

(有希が別棟を指差す)

 

鶴屋:「おぉ。そっちのほうにいんのかい。あんがと!」

 

 

 

 

 

 

キョン:「っと・・・。やれやれ・・・」

 

鶴屋:「あれれ?キョンくんお使いだったのかい?」

 

キョン:「鶴屋さん」

 

鶴屋:「どうりで・・・」

 

キョン:「? 何がです?」

 

鶴屋:「コホン!何でもないさ!ご苦労さんっ。

・・・んー、濡れてるねぇ?

ぅいしょっと!(ポケットから出したハンカチをキョンの頭にのせる)」

 

キョン:「あ・・・ども」

 

鶴屋:「じゃねー!

ハンカチなら、これ(みくるのマフラー)と一緒にみくるに渡しといて!」

 

キョン:相変わらず・・・挙動のよく読めない人だ。

さばけた感じの、いい先輩だが。

 

 

 

 

 

(部室)

 

キョン:「よっと・・・。

・・・あれ?長門、お前だけか?・・・ハルヒ達は?」

 

有希:(無言)

 

 

 

 

(体育館。みくるが跳び箱をとぶ。それを撮るハルヒ)

 

みくる:「と~ぅ!」

 

ハルヒ:「そう!そこは尻餅をつくべきところよ!

なかなかわかってるじゃない!」

 

 

 

(バトンをまわすみくる)

 

みくる:「んぅー・・・とう!・・・あいたっ!(バトンが頭に落ちてくる)

・・・ふみぃ~~っ」

 

ハルヒ:「惚れ惚れするくらいのドジっ子っぷりね!ひょっとしてわざとやってない?

・・・古泉くん、ちょっとこれ持ってて!・・・こうするのよ、こう!」

 

 

 

 

キョン:三人が今どこで何をしているのか。少しくらいは気がかりだが・・・

さすがに、かさばる荷物を持っての坂道上りは堪えたぜ。

しかも同じ道を下校時に、また下りないといけないと来た日にはなおさらだ。

 

(ストーブをつけるキョン)

 

キョン:「こいこいこいこいっ」

 

キョン:ハァ~、手が冷てぇ。

 

キョン:「つかれた・・・・」

 

(机に突っ伏して寝に入る)

 

 

 

 

 

 

 

(寝ているキョンに、カーディガンがかかっている)

 

ハルヒ:「うぉあっ・・・!!あ、う・・・」

 

キョン:「(目を覚まし)・・・・・・ぁ?お前だけか・・・」

 

ハルヒ:「何よ!悪いの?」

 

キョン:「悪くはないが・・・・・・

お前、俺の顔にいたずら書きとかしてないだろうな?」

 

ハルヒ:「しないわよ!そんな幼稚なことっ」

 

キョン:「他の三人は?」

 

ハルヒ:「先に帰ったわ。アンタなかなか起きそうになかったから」

 

キョン:「・・・で、お前は帰らずに残ってたのか」

 

ハルヒ:「しょうがないでしょ!

あんた寝てるし、部室に鍵かけて帰らないとダメだし、

それに・・・雨も降ってるし!・・・かえしなさいっ」

 

キョン:「ほぇ?」

 

ハルヒ:「カーディガン!」

 

キョン:「あぁ・・・」

 

(キョンの肩からカーディガンをはぎとる)

 

キョン:一枚はハルヒのもので間違いない。

だが・・・このもう一枚のは誰のだ?・・・って待てよ?

ということは、朝比奈さんが俺が寝ている横で着替えをしてたのか?

くそう・・・!どうしてこんな時に寝ちまったんだ!寝たフリをしておけば・・・!!

 

ハルヒ:「さっ。とっくに下校時間だし、あたし達も帰るわよ?」

 

キョン:「あぁ・・・でも参ったなぁ。俺、傘持ってきてないぜ」

 

ハルヒ:「一本あれば充分でしょっ!」

 

(傘を差し出す)

 

 

 

 

 

 

 

ハルヒ:「・・・もっとこっちに寄せなさいよ。あたしが濡れるじゃないの」

 

キョン:「充分寄せてるだろ?

・・・あ!この傘お前のじゃねぇな?『職員用』って書いてあるぞ?」

 

ハルヒ:「学校の備品だもん。生徒が使って悪いことなんかないでしょ?

それとも何?濡れて帰りたいってんなら、入れてあげないわよっ!」

 

(傘を奪って先に行くハルヒ)

 

キョン:まったく・・・せっかくストーブをもらって来てやったってのに。

労わりの言葉もなしか・・・この団長様は。

 

キョン:「・・・待てよっ」

 

ハルヒ:「ふふっ!べーっ」

 

 

 

 

 

 

 終