涼宮ハルヒの憂鬱  サムデイインザレイン 前編

 

配役比率 ♂2:♀2=四名

 

 

 

 

 

 

 

キョン:文化祭やその後にやってきたゴタゴタも終了し、

はや冬の足音が山風と共に聞こえてくる今は、もうそろそろ12月。

創立以来の古さを誇る旧館・この部室棟は、

その壁の薄さのせいもあって、屋内にいながら妙に寒々しい日のことである。

 

 

 

 

 

 

 

 

(部室。キョンと古泉はカードゲーム、

みくるは編み物、有希は読書をしている)

 

キョン:「・・・・・!」

 

キョン:毎度いろんなことに巻き込まれてきたSOS団。

・・・というより、もっぱら俺だったが。

しかし、そんな事態が毎日毎日律儀に訪れるわけはなく、

大体毎日のようにあれやこれやの非日常爆弾が炸裂していたら、

俺の身が持たず、心のほうはもっと持たない。

 

キョン:「ズズズ・・・(お茶をすする)・・・ハァ~」

 

キョン:しかし、ハルヒがいないとホント静かでいいなぁ。

でも少し・・・・・・静か過ぎるか?

・・・・・・よく考えたら、ハルヒや朝比奈さん達と出会って、もう半年経つのか。

・・・いろいろやらかしてきたもんだ。

ハルヒが原因なものもあれば、そうでないものも含めてなぁ。

ま、大抵はこうして俺たちがまったりと時を過ごしている最中に、

あいつが突然飛び込んできて始ま・・・

 

ハルヒ:「みんな~!!聞いて!朗報よ!」

 

キョン:また・・・か。

こいつの言う朗報というのが、

俺たち・・・特に俺と朝比奈さんにとって朗らかな報告となった事など、

実際ほとんどないのだが。

 

キョン:「今度は何だよ?」

 

ハルヒ:「部室に暖房器具を設置する手はずが整ったわ!」

 

(ハルヒがイスに座り、あぐらをかく)

 

みくる:「あ、はいはい!(お茶の準備をする)」

 

ハルヒ:「映画撮ったときにスポンサーになってくれた電器屋さんが、提供してくれるって!

去年の売れ残りを倉庫にしまったっきり忘れちゃってて、

処分に困ってる電気ストーブでよければって、さっき電話があったのっ」

 

キョン:ハルヒにわざわざ電話して、

そんな申し出をするほどヒマで親切な電器屋はないだろうから、

どうせこいつがゴリ押しでねじ込んだのだろう。

 

ハルヒ:「だからキョン?

あんたこれから店に行って、もらってきて頂戴」

 

キョン:「俺が?今から?」

 

ハルヒ:「そ!あんたが今から!」

 

キョン:「お前・・・俺が毎日往復してる山道をもう一回おりて、

しかも電車で二駅かかる電器店に行ってから、

おまけに荷物抱えてここまで戻って来いって言うのか?」

 

ハルヒ:「そうよ?

だって急がないと、おっちゃんの気が変わっちゃうかもしれないじゃない。

いいからさっさと行ってきなさい!どうせヒマなんでしょっ?」

 

キョン:この部屋にいる時点で、ヒマでない奴などいない気がするが・・・

 

キョン:「・・・お前はヒマじゃねえのかよ?」

 

ハルヒ:「あたしはこれからしないといけないことがあるからっ。・・・ひひっ」

 

(みくるに向かって笑う)

 

みくる:「?」

 

ハルヒ:「古泉くんは副団長で、あんたはヒラの団員なんだから、

階級の低いほうがキリキリ働くのはどこの組織だって同じよ!

もちろんSOS団はそのルールを採用してるわ!」

 

キョン:・・・まぁいいか。今回ばかりは、ハルヒもマシな用件を取り付けてきた。

ちょうど部室に暖房器具が欲しいと思っていたところだ。

 

古泉:「どうぞ、お気をつけて」

 

みくる:「あっ、あたしも行きましょうか?」

 

ハルヒ:「みくるちゃんはいいの。ここにいなさい?

雑用係はキョンの使命みたいなものなのよ!」

 

みくる:「はぁ・・・」

 

キョン:朝比奈さんや長門に行かせるくらいなら、俺が行くさ。

 

(コートを着て、席をたつキョン)

 

みくる:「あっ・・・待って!」

 

キョン:「・・・」

 

(みくるがキョンの首にマフラーを巻く)

 

みくる:「今日は冷えますから」

 

キョン:「あぁ・・・どうも」

 

ハルヒ:「はーやーく!行きなさいよ!!」

 

キョン:「ハァ・・・」

 

 

 

 

 

ハルヒ:「さ、邪魔者は消えたわ」

 

みくる:「え?」

 

ハルヒ:「みくるちゃん。写真撮りたいからポーズとってくれる?」

 

みくる:「えええっ!?なんの写真ですかぁ~!」

 

ハルヒ:「決まってるでしょ!

文化祭で上映した『朝比奈ミクルの冒険』をDVDにするから、そのジャケット撮影よ!」

 

みくる:「ぇええ~~っ。

あれ本当に作るつもりなんですかぁっ?あ、諦めてくれたんじゃ・・・?」

 

ハルヒ:「あん時はキョンがうるさかったから・・・今なら反対する奴もいないしね~?」

 

(古泉の後ろに隠れるみくる)

 

古泉:「・・・ん~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キョン:最初にこの坂道を登って登校した日にはウンザリさせられたが、

半年以上通っているとすっかり慣れちまった。

ハイキングコースみたいな登下校にも、そして・・・SOS団にもな。

・・・今頃、俺のいない部室でハルヒは何をやってんだろう?

ヒマだからとかなんとか言って、朝比奈さんをオモチャにしてなければいいんだが・・・

 

 

 

 

ハルヒ:「古泉くん?レフ板係お願いね?」

 

古泉:「わかりました」

 

ハルヒ:「みくるちゃんっ。

ボーっとしてないで、ポーズをとりなさい!ほらほら!」

 

みくる:「・・・は、はぁ~い」

 

ハルヒ:「・・・もっと媚びるように笑って!・・・もっと物欲しそうに!

そんなんじゃ男子ユーザーを満足させられないわよ!?」

 

みくる:「ふぇ~っ・・・」

 

 

 

 

 

ハルヒ:「・・・そろそろ衣装チェンジしましょっ?

次は・・・これ!(バニーの衣装を取り出す)」

 

みくる:「え、えぇ~っ」

 

ハルヒ:「いいからいいから!」

 

(古泉がお茶を持って外に出る)

 

みくる:「やはぁ~ん!自分でやりますぅー!」

 

ハルヒ:「いいの!あたしが手伝ったほうが早いでしょ?!」

 

みくる:「ぶ、ブラまで一緒にぃ~~!」

 

ハルヒ:「どうせとるんだし、いいでしょ・・っ!」

 

みくる:「ひゃっ!」

 

ハルヒ:「あ、みくるちゃん、またおっきくなったんじゃないの!?

ますますダイナマイトね!」

 

みくる:「ど、ど、ど、どこ触ってるんですかぁ~!!いやぁぁ~~んっ」

 

古泉:「あ・・・もう冷たくなってる」

 

 

 

 

 

みくる:「うぅ・・・さむいですぅ。それに恥ずかしいですよぉ・・・」

 

ハルヒ:「みくるちゃん?あなたはもっと自信を持つべきよ。

なんといっても、このあたしが選んだ学校一のマスコットキャラなんだから!

ねっ、古泉くん?」

 

古泉:「まったく、その通りかと」

 

ハルヒ:「ほんじゃあ次!これ着て!(ナース服を取り出す)」

 

みくる:「えっ、また?ノー!! ・・・だ、だ、だから、自分でや・・・」

 

ハルヒ:「んしょ、んっ!」

 

みくる:「あ、う、うぁっ・・・うぅ~~」

 

ハルヒ:「今日中に全て撮り終えないといけないんだから!急ぐわよっ?」

 

みくる:「ふぃ・・・」

 

 

 

 

 

ハルヒ:「はい次、これ!(かえるの着ぐるみを出す)」

 

みくる:「あの・・・

このナース服もそれも、映画の中で着たりしてないんですけどぉ・・・。

ホントにこれ、ジャケットの撮影なんですかぁ?」

 

ハルヒ:「うん、そうよ!でも今アイディアがひらめいたわ!

この分だと写真集だって作れそうね・・・!

どう?古泉くん、このアイディア!」

 

古泉:「誠に結構なアイディアかと」

 

みくる:「ぇ~・・・」

 

ハルヒ:「いや、待って!

どうせDVDにするなら、特典としてオマケ映像をつけるべきよねぇ!

どう?古泉くん、このアイディア!」

 

古泉:「非常によいアイディアかと」

 

みくる:「ひぇ~~っ」

 

 

 

 

ハルヒ:「さ、後ろ向いて!」

 

みくる:「んぅ~~!!」

 

古泉:「・・・どうやら、一雨来そうですね・・・」

 

 

 

 

ハルヒ:「ほら脱いで脱いで!動かないでね~?」

 

みくる:「ふぇ~っ、まだやるんですかぁ~?」

 

ハルヒ:「ふふふんふん~♪うりゃ~!」

 

みくる:「ふわぁ~!脱がさなくてもいいですよぉっ!!」

 

ハルヒ:「見せパンはくんだから、これはいらないでしょっと!」

 

みくる:「Boooonっ!」

 

ハルヒ:「~ループなこの想いはぁ~♪」

 

みくる:「やぁぁ~~~!」

 

ハルヒ:「ふふっ、楽しい!」

 

 

 

 

 

 

 続