涼宮ハルヒの憂鬱 涼宮ハルヒの退屈 ―後編―

 

配役比率 ♂4:♀3:♂or♀1=八名

 

 

 

 

 

 

 

ハルヒ:「しまっていこー!」

 

谷口(&全員):「おぉー!」

 

審判:「プレイ!」

 

ハルヒ:「ふっ!」

 

審判:「ストラックアウト!」

 

古泉:「ナイスピー!」

 

ハルヒ:「余裕よ、余裕!」

 

審判:「ファールボール!」

 

バッター:「フッ。へぇやっ!」

 

ハルヒ:「っぇえ!?」

 

 

 

キョン:ストライクゾーンに直球しか投げないもんだから・・・

バレてしまえばそりゃあ打たれるだろう。

しかも俺達の守備はサバンナのアリ塚以上に穴だらけと来ている。ザルだ!

 

みくる:「え、えっと、あの・・・」

 

(カキーン)

 

鶴屋:「(滑り込んでキャッチ)やったーい!」

 

キョン:この回なんとか無失点で抑えられたのは、

相手チームの勝利の女神が遅刻しているからに違いない。

日曜くらいはゆっくりしたいだろうからなぁ。

 

 

 

キョン:続く二回表の攻撃はあっけなく終了し、その裏の攻撃であっさり追加点をとられた。

どうやら、次の回で終わりに出来そうだ。

 

鶴屋:「ふっ!」

 

審判:「アーウト!」

 

鶴屋:「むずいわねえ。バットに当てるだけで精一杯」

 

ハルヒ:「・・・やはりアレが必要のようね」

 

みくる:「え、ええぇ~っ」

 

ハルヒ:「ちょっとタイム!」

 

みくる:「え、ちょ、ちょっと!涼宮さん、や、やめてぇえええ~~っ!」

 

ハルヒ:「ほら、さっさと脱いで着替えるのよ!」

 

みくる:「ううう~」

 

ハルヒ:「ふふん♪」

 

(ハルヒとみくるがチアガールの衣装に着替えて登場)

 

国木田:「似合うなぁ~」

 

鶴屋:「みくる!写メとっていーい?ふはっは、あっはっは!」

 

妹:「かわいい~」

 

ハルヒ:「ポニーの方がいいかしら?」

 

みくる:「え、ええ・・・」

 

ハルヒ:「さ、応援しなさい!」

 

みくる:「えっと、どうやってですか?」

 

ハルヒ:「こうやってよ!さ、大きな声で言いなさい!」

 

みくる:「み、みなさ~んっ、打ってくださぁ~い!」

 

谷口:「おう!まかせてください!」

 

妹:「谷口くん、がんばってー!」

 

審判:「ストラックアウト!」

 

谷口:「・・・ありゃ打てねえな」

 

ハルヒ:「いいわ。あんたには期待してないから」

 

キャッチャー:「あ、あ・・・」

 

ハルヒ:「みくるちゃん!今度こそ絶対打つのよ!」

 

妹:「がんばれー!」

 

谷口:「朝比奈さーん!」

 

ピッチャー:「ふっ、あっ!」

 

みくる:「えぇーい!」

 

審判:「ストラーイク!」

 

ハルヒ:「みくるちゃん!これよ、これ!」(ジェスチャーをするハルヒ)

 

キョン:ありゃ何やってんだ?

 

キョン:「相手ピッチャーのマジックポイントを減らそうとでもしているのか?」

 

古泉:「どうやら、ブロックサインを出しているようですね」

 

キョン:「サインなんか、決めてたか?」

 

古泉:「いいえ。

ですが・・・あれは多分、スクイズをせよ、と言っているんでしょう」

 

キョン:「ツーアウトからスリーバントスクイズのサインか?

どこかの永世監督でももうちょっとマシな采配するぞ」

 

古泉:「察するに、朝比奈さんがヒットを打つ可能性はほとんどゼロですが・・・

まさかするわけないスクイズをして、相手チームの意表をつけば・・・

ひょっとすれば、内野手がエラーするかもしれず、

また朝比奈さんでもバットになんとかボールを当てるくらいなら出来るだろうと、

思ってたのではないですか?」

 

キョン:「完全にバレてるけどな」

 

みくる:「?」

 

審判:「ストライク! ストラックアウト!」

 

ハルヒ:「みくるちゃん!ちょっとこっちに来て歯を食いしばりなさい!」

 

みくる:「ひぃいー」

 

(みくるのほっぺをつねる)

 

ハルヒ:「罰よ、罰。

みんなにこの面白い顔を見てもらえばいいのよ!」

 

みくる:「やめてくらは~い!」

 

キョン:「アホか」

 

ハルヒ:「ん」

 

キョン:「意味不明なサインを出すお前が悪い!

一人でホームスチールでもなんでもしてろ!」

 

ハルヒ:「・・・」

 

(プルルル)

 

古泉:「!」

 

みくる:「・・・」

 

有希:「・・・」

 

古泉:「まずいことになりましたよ」

 

キョン:「聞きたくもないが言ってみろ」

 

古泉:「これまでにない規模の閉鎖空間が発生し始めました。

ものすごい速度で、拡大中のようです。

涼宮さんの機嫌が直らない限り拡大し続け、

例のアレも暴れ続ける、ということですね」

 

キョン:「単に負けてるって理由でか?なんてでたらめな野郎だ」

 

古泉:「他人事のように言っていますが、

これはあなたにも大いに関わっている事件ですよ?

なぜなら、打順を決める際、我々はくじを引きましたよね。

その結果、あなたは四番になった」

 

キョン:「別に嬉しくもないぞ」

 

古泉:「涼宮さんが望んだから・・・あなたは四番バッターになったのです。

偶然ではありません。

そして、あなたが全く四番らしからぬことに、失望を感じている」

 

キョン:「悪かったな」

 

古泉:「とにかく・・・この回でコールドゲームにならないように、全力を尽くしましょう。

ここで試合が終わるようなことがあれば、世界が終わってしまうことと同義です」

 

ハルヒ:「こらー!始まるわよー!」

 

古泉:「なんとしても、2点以内に抑えなければね」

 

キョン:「・・・」

 

 

 

 

キョン:ツーアウト、ランナー一二塁。現在0対9。あと一点で強制終了か。

 

ハルヒ:「ふっ!」

 

(カキーン)

 

みくる:「わ、わ、こっちに来るー!」

 

キョン:くっ・・・間に合え・・・間に合え!!

 

みくる:「わぁ、すごーい!」

 

鶴屋:「ナイスプレイ!やるなぁ!」

 

谷口:「さすが俺の親友!」

 

キョン:「・・・ふぃー」

 

古泉:「さっきの話の続きですが・・・」

 

キョン:「顔近いぞ。なんだ?」

 

古泉:「あなたが前回、

涼宮さんと共にあちらの世界に行った時、どうやって戻ってきました?」

 

キョン:「それを思い出させるな!」

 

古泉:「あの手を使えば、ひょっとしたらまたうまく行くかもしれません」

 

キョン:「断る」

 

古泉:「そう言うと思ってました。

では、勝つ方法をとることにしましょう。

彼女とは、利害が一致するはずですから・・・」

 

みくる:「長門さん、とうとう・・・」

 

キョン:「あいつが、どうかしましたか?」

 

みくる:「呪文を唱えているみたい」

 

キョン:「呪文?なんですか、それ」

 

みくる:「えっと・・・禁則事項です」

 

キョン:「呪文か・・・」

 

有希:「・・・」

 

(ホームランを打つ有希)

 

ハルヒ:「すごいじゃない!」

 

有希:「これ、属性情報をブースト変更」

 

キョン:「なに、それ」

 

有希:「ホーミングモード」

 

キョン「・・・?」

 

ピッチャー:「ふっ!」

 

キョン:うぉ!すごい飛んでる!! 

なるほど、ホーミングモードね。やれやれ。でたらめにもほどがあるなぁ。

 

キョン:「ん・・・?」

 

キョン:いくらなんでも、これ以上やるとヤバイ。何かこう・・・いろいろな意味で。

 

キョン:「もう、充分だ」

 

有希:「・・・・・そう」

 

キョン:忘れていたが・・・一回戦は90分の時間制限がある。

よって次の回はなく、この回を抑えきれば俺達の勝ちとなる。

 

キョン:「いいのか?勝っちまって」

 

古泉:「勝たなくてはならないでしょう。

おかげ様でいまのところ、閉鎖空間の拡大は抑えられているようですからね」

 

キョン:「しかし、ここで逆点されたらサヨナラ負けだ」

 

キョン:その場合、ハルヒの機嫌がどうなるか、考えるだけ無駄だ。

 

古泉:「そこで提案です。・・・(耳打ち)」

 

キョン:「・・・マジか?」

 

古泉:「えらくマジです。

この回を最小失点で切り抜けるには、それしか残されていません」

 

キョン:やれやれ・・・。(キョンがピッチャーとなり、ボールを投げる)

 

審判:「ボール!」

 

ハルヒ:「こらー!真面目にやれ!

せっかく代わってあげたんだから、負けたら全員におごりだからね!」

 

キョン:分かってるさ。

なにしろ俺の投球に、世界の運命がかかっているのだ。

ずいぶん安くなっちまったなぁ、世界。

 

バッター:「フッ」

 

審判:「ストラーイク!」

 

キョン:このミステリアスボール(命名・俺)のおかげで、どうやら破滅は免れそうだ。

 

審判:「ス、ストライクツー!」

 

バッター:「・・・」

 

審判:「ストラックアウト!」

 

キョン:続くバッターもあっけなく三振にしとめ、

おそらく最後であるバッターもツーストライクとなった。

 

ハルヒ:「キョーン!あと一球で決めちゃいなさーい!!」

 

キョン:言われなくてもこれで決まってしまうだろう。

すまん、上ヶ原パイレーツ。

 

(ボールはミットに収まらずにこぼれる)

 

バッター:「ラッキー!」

 

キョン:「振り逃げだ、長門!球を拾って投げろ!」

 

ハルヒ:「はやく~~~!!」

 

キョン:「セカンド!」

 

ハルヒ:「こっち!!」

 

キョン:「へ?」

 

ハルヒ:「あれっ」

 

バッター:「あ、あ・・・」

 

古泉:「どうもすみません。我々、少しばかり非常識な存在なんですよ」

 

審判:「ゲ、ゲームセット!」

 

キョン:長門のインチキマジックのおかげで、俺達は勝っちまったわけだが・・・。

 

古泉:「これからどうします?二回戦」

 

キョン:「このまま二回戦出場は、上ヶ原パイレーツに申し訳ない。それに・・・」

 

古泉:「実は僕も、そろそろ仲間の手伝いに行かなくてはならないんですよ」

 

キョン:「メンバーも足りなくなるし、棄権しよう」

 

古泉:「それがいいでしょう。

どうやら、涼宮さんを暇にさせていてはダメのようですね。

今後の課題として、篇等の余地があります」

 

キョン:「充分楽しんだだろ?古泉は急用入ったっていうし、

俺も脚とか腕とか、もうガタガタのボロボロなんだ」

 

ハルヒ:「・・・あんたがそれでいいなら、まぁいいわ。

お腹すいたし、昼ごはん食べに行きましょ!」

 

キョン:「ハイハイ」

 

キャッチャー:「本当にありがとう!」

 

キョン:「いえいえ。では、これで・・・」

 

キャッチャー:「ああ、君。そのバッドだが・・・」

 

 

 

~レストラン~

 

ハルヒ:「みんなじゃんじゃん食べてよね!ここはキョンのおごりだから!」

 

キョン:まぁいいか。

思わぬ臨時収入もあったことだしなぁ。上ヶ原パイレーツの健闘を祈る。

 

 

 

 

 

 

~部室~

 

ハルヒ:「遅れてごっめーん!ねえ!

今度はどっちがいーい?サッカーとアメフトって、何人でやるスポーツ!?」

 

みくる:「ひぃぃ・・・」

 

ハルヒ:「この前の人数だけで足りる!?」

 

キョン:ハルヒの極上スマイルを眺めながら、

俺はどっちが少人数で済むのだろうかと考えていた・・・。

アメフト、いやゲートボールにしなさい!

 

 

 

 

 

 終