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たまには、エロゲーの王道(?)学園ものでもプレイしてみようと思い、手に取ったのがこのゲーム。私にとっては初めてのメーカーだ。フロントウィングの「カナリア」製作チームが独立して(このゲームの企画ごと独立というウワサもあり)作ったらしいが、フロントウィングもカナリアも全然知らないので、どうでもいい話。まあ、こういった合従連衡はどの企業でもよくある話だから別に驚かないけど、制作者にスポットライトが当たるのは、悪い話ではないと思う。マンガ、小説、映画、音楽…。こういったものの出来は、当たり前だが、制作者次第だし。
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主人公高崎祐介
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全寮学園『私立鐘ノ音学園』の二年生。悪事の発想力、行動力などはほとんどない。事なかれ主義だし、要領悪いしで全く魅力を感じない。優しいらしいが、ただの優柔不断だと思う。周りが悪すぎて、相対的にもてただけなんじゃ…。
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千歳みどり
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たぶんメインヒロイン。時をかける少女よろしく、遠い未来から主人公に会うためにやってきた。転入手続きなどで、いろいろと足取り隠滅工作をやっていたらしいが、ホントにこの娘にできたのか?天然ぼけはヒロインのお約束なのかな。
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朽木双葉
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京都出身で、代々伝わる陰陽師の家系。陰陽師としては優秀で、花を使った式神を自由に操れる。気が強い女の子が、男のよってかわいい娘に変化するというのは、古今東西老若男女問わず人気のあるパターンだね。「男に負けたくない」「古いしきたりに反発」あたりは、味付けとしてはまあまあ。
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朽木若葉
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双葉の「妹」。気立てがよく、明るく、人のお手伝いをすることが大好きという女の子。ただ、望まれると下着だろうが、裸だろうが、見せてしまうのはちょっと…。いつもサボテンを持っていて、サボテンに含まれるアルカロイド系の麻薬を使い、「姉」の双葉に害する人間に対し幻覚を見せるワザを持つ。まあ、なんだかんだ言ったって、記号付きヒロイン。
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美南早苗
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病弱、学校には余り通っていない、妹キャラでちょっとダウン系…。主人公と接触することで、明るくなる、犬とのイベントあり…。なんか、これに該当するゲームのヒロインなんて凡百といそうだ。ただ、この娘の声が、ちょっと気が強そう(ぶっきらぼう?)だったのが印象的。ミスキャスト?声優の力不足?狙ってる?その辺は謎だ。
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飯野千種
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「Eのちぶさ」には笑った。保健室の先生(養護教諭)なのに、相談に来た生徒にはキビシイ。とはいえ、「先生だって人間よ」的なストーリーはなかなか好感を持てた。ただ、何で主人公のことを好きになったのか、さっぱりわからなかった。主人公の恋愛観を聞いて感心したわけでもないだろうし…。それとも、重要なイベントを、私がまるまる忘れている?
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3バカトリオ
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この欄で、男を紹介することは非常に珍しい。しかし、彼らなくしてこのゲームなし。柔道部で女のことを全然知らない「天神」。ロン毛、ナルシスト、チャラ男系「一番星」。そして、諸悪の根元で、ちょっとした間違えからブスとつき合う「バッチグー」。いや〜、高校生の男って(ゲームのため、ちょっと誇張されているが)こんな感じだったよ。頭の中は女のことばっかり。人生の一大事は女のこと。童貞と非童貞の圧倒的な身分の差。いやはや、楽しませてもらいました。
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結論から言ってしまうと、「まあまあ楽しめた」。そこかしこにつっこみどころがたくさんあるので、その話は後述するが、上のカコミでもあるように、このゲームは3バカトリオのためのゲームだった。学園ものをやりたかった一番の理由としては、こういうノリを堪能したかったためだったので、その部分には非常に満足している。
もう一つ、気に入ったところは、単純なハッピーエンドではないところ。特に若葉、早苗などはたぶん永遠の別れになってしまったのだろう。高校生の時の恋愛なんて、長い目で見ると大したことではない。だけど、こういった別れを経験すると、大人になったときにどうなるんだろうか…。まあ、そういった話は『君が望む永遠』か。
しかし、しかしだ。すべてのヒロインのストーリーは何とかならなかったのだろうか。みどりストーリーでは、ほとんど最初から。若葉ストーリーでも中盤から。物語の核となるべきネタがすぐにわかってしまう。その他のヒロインもどこかで見たことのあるストーリー展開は、商品としてどうかと思う。
このシナリオライター(もしかしたらディレクター級か?)って、エロゲーしかしたことがないんじゃないか?映画とか小説とか全然見たことがないんじゃないか?見たことがあるにしても、ハリウッド映画とか、ジュニア小説とか、とてつもなくくだらないものしか見たことがないんじゃないか?って思ってしまう。確かにレトリックは悪くなかったものの、肝心のストーリーがこれだと、シナリオライターとして失格。
それに、Hシーンがほとんど外だったのも、ちょっと引いた。青カンって、周りを気にしながらだから、集中できないんだよね。しかも、女の子は処女だろ(1部除く)?そりゃあ、あまりにも荒唐無稽すぎ。制作者にひと言いうと、「おまえらエロゲーのやりすぎ」。みどりと早苗くらいかな、その場所でのHの必然性を感じたのは。それ以外はなんでそこなの?という印象。でも、みどりは裸のままタイムスリップしちゃったけど、大丈夫だったのかなぁ。ちょっと心配。
最後に、早苗ストーリーについて。非常に評判がいいこのストーリーだが、私は全く楽しめなかった。たぶん、現実社会だと、主人公は殺人罪で告訴されるよ、きっと。まず不思議なのが、早苗が近くの病院に入院しているにも関わらず、全然見舞いに行かないこと。そして、主人公が早苗の病気について興味を持たないこと。普通、惚れた女の病気だったら、徹底的に調べると思う。少なくとも私はそうする。そして、手術の前日の主人公の行動。私は「コイツ正気か?」と思った。ああいう医療機器って、必要があるからつけているわけで、それを外すという行為は、殺人以外何ものでもない。しかも、患者、患者の家族、医師などに許可も取らずに。
「最期の時を、好きな人と一緒に過ごせたから早苗は幸せだった」というのは、完全に思い上がり。早苗には、家族もいれば、彼女を治そうと一生懸命だった医師もいたはず。彼らの気持ちを無視して、自己陶酔に浸る主人公は絶対に許すことはできない。
一応、演出的に良かったところとして、死にそうな早苗の画はよかった。若くして死にそうな少女というのは、今までのエロゲーにもよく出てきたが、みんな殺しても死ななそうなくらい元気な画だった。ところが、ゲームでは珍しく、やつれた早苗の画が用意されていた。あまりお目にかかることがないので、なかなか鮮烈な印象があり、エンディングへのいいつなぎになっていた。また、メールの予約送信も良かった。展開は読めてたけどね。
(記:2003年11月17日)
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