
- When you buy the items something-
誰しもその時は、
「あっ、これ最高ッ! 買うしかない!」
と思って購入したものが、あとになって
「う〜む、俺はなんでこんなものを?」
と、後悔にも似た感情を沸き上がらせる場合がある。
ぼくの場合、好奇心からか新しもの好きだからか、そういうモノを初めて見たときから、
「おおっ。これは一体何なのだ? う〜む、買ってみたい、そうだ買おうッ」
となり、後先考えずにすぐに購入してしまうのだが、たいていの場合すぐに飽きてチェストの隅にでも収めてしまうのである。そして、数年後にチェストの掃除などをしててそいつが顔をのぞかせると、
「むう・・・こんなものを一体誰が買ったのだ? こんなもの捨ててしまえばいいのに」
などと、無責任きわまりない感想を漏らすのである。
ある作家も書いているが、たいていこのようなモノを買う場面は、旅行先で起こることが多い。
例えば、その土地のネーム入りのペナント(というのだろうか、三角形の旗のこと)しかり、その土地のネーム入りの湯飲みしかり、である。これらを旅先で買うときには、
「イイじゃないの、コレ。よおし、ぼく一生この湯呑み使っちゃうもんね」
などと、意気軒高として帰途につくのであるが、いざ家に帰ってみると購買時のボルテージは下がり、たいていは2、3日経った時点でその湯呑みは食器棚の奥底へお蔵入り、となるのである。かくいうぼくも、このような湯呑みは5個以上あるのである。
まあ、旅行先では感情も高ぶっているだろうから、こうした現象は一概に非難できないのであるが、ぼくの場合、日常においてもその様なことが見受けられるのである。
* 今、身近なものを見渡してみると、その典型的な例が、映画「ジュラシック・パーク」に出てきた恐竜達の模型。当時その映画にはティラノサウルス・レックス、トリケラトプス、ヴェロキラプトルがスクリーン狭しと登場し、ぼくは大変な感動を覚えた記憶がある。そして我が国における商売というのは実にタイミングよく行われるものであって、ほどなくしてそれらの模型が通信販売で登場したのである。
「あの興奮と感動、よみがえる古代の生物たちっ!」
「専門家の手により細部に渡る完全復元ッ!」
などともっともらしいキャッチコピーの羅列、しかもれっきとした「ジュラシック・パーク」のライセンス・ロゴ付きであるらしいから、当然値段も1万円と高い。
「これはもう買うしかないだろう」
と、好奇心と購買欲から一も二もなくぼくは注文し、大枚をはたいた。
しばらくして商品が届き、全長約50cmのティラノサウルス・レックスを手にしたとき、ぼくは
「よしよし」
と一人悦に入ったものである。そして、毎日ためつすがめつしてははるか古代の生き物の姿に思いをはせたものである。
ところが。
やがてあっけなく恐竜ブームは去り、ぼくもまた他のブームに熱中し始めると、あわれティラノサウルス・レックスは単なる家の飾り物になってしまった。それどころか、だんだんと置き場所に困るようになり、とうとうぼくのパソコンラックの一番上に置いてあるスキャナの上に置かれるようになった。
最近ではあれほど熱中したぼくでさえ、
「う〜ん、パソコンの上に恐竜とは・・アンバランスな。どこかほかに置くトコないかなあ」
と、無責任きわまりないことを思うようになった今日この頃である。
* もっと他に言えば車。
車といっても車自体のことではなく、要するにアクセサリー類のこと。
思えば、ぼくもまだ若かったころ、例えば女の子を横に乗せたときに、
「わ〜、この車ってカワイイ!」
と言わせるため、またムード作りに一役買ってもらうために、さまざまなアクセサリーを車の内外に取り付けたものである。
まず、車外には定番、「ホタル」。
ホタルとは、定期的な周期で淡い光を発する装置で、車の後方下部に取り付ける。すると、いわばお尻の部分が、
「チカッ・・・・チカッ・・・」
と、まるで車がホタルになったように光り、これでもって、
「カワイイ〜」
と言われることを狙う装置である。
その他、車内ムードを高めるため、天井に取り付けたシャンデリア類やうっすら光る星型のライト、無意味なぬいぐるみ、シートに着せた(かぶせた)ペアTシャツ、助手席前方のダッシュには「LОVE」の文字が浮かび上がる蛍光ライト・・・・。
まあ、当時の写真を見ると、もはや絶句するほかなく、
「ううう・・・オイラはなんであんなことしてしまったんだあ」
と、後悔と反省しきりなのである。
やはり、モノを買うときには、その必要性を十分認識したうえで買うべし、なのである。流行や一時の感情に任せて買えば、ぼくのようにそれらを見て赤面しっぱなしになるのは必定なのである。
Published 2001.8.10
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