Special Paperbacked Essays, Vol.55 驚愕の東武東上線 - When I was stayed at Asaka city -
今回の話は絶対に食事中に読まないでほしいのである。というのも、久々にして今回もぼくの定番・ゲロネタなのだが、先日お酒を飲んで家に帰る電車の中で、つり革につかまっていてふとあることを思い出したので、それを書いてみようと思った次第である。
しかし断っておくが、これはぼくが今まで生きてきた人生の中でこんな真似は絶対にできない、またそういうことが二度とあってはならないという叫びにも似た思いで書いていることを受け止めてほしいのである。
* その昔・・・前にも書いたが、ぼくの仕事の関係で埼玉県の朝霞市というところで研修に行ったのであるが、その研修中に仲間たちと池袋に遊びに出た帰りのことである。
「どう?帰ってからも部屋の中で飲む?」
「あったりまえよ〜わしゃあ飲むで〜」
「もう寝たほうええんちゃうん?」
「なんば言うとるごたらしか、注意一秒ケガ一生っちゃ(意味不明)」
などと、東武東上線の車内で、みんなでつり革につかまりながらまるで全国から集まった高校生のように、各地方の方言丸出しでギャアギャアと盛り上がっているときである。目的地の朝霞駅までおよそ10分という地点の出来事であった。
車内は長イス式対面型シ−トで、つり革に沿って横一列に並ぶぼくらの目の前にはサラリ−マンがやはり横一列に並んでほとんどがおやすみなさい状態であった。
ところが、そんなマグロ状態で座って寝ていたうちの一人の年配の男性が突如目を覚まし、顔を上げて目をくわっと大きく目を見開いたのである。そして次の瞬間、彼は自分の口に手を当て、その顔は誰が見ても今にもゲロを吐きそうな表情に変わった。
ぼくらもそれに気づいたものの、東武東上線の車両にトイレがあるのかどうかは知らないし、さしあたって周囲にも吐けるような場所もない。鮨詰め状態ではないにせよ車内は満員である。これは一体どうなるのか、もしや噴水のように我々に放出されるのではあるまいかと戦々恐々として全員固まって顔をこわばらせていると、ほどなくして彼は吐いたのである。
いや、正確には吐いたというべきではないのかもしれない。なんと彼は自分の体内から放出させず、自分自身の口の中に自分の吐瀉物を受け止めたのである。そのせいで彼の口と顔ははちきれんばかりに大きく膨らんでいた。口にあてがった手の隙間からなにやら吐瀉物らしきものが溢れている。
それからほんの少しだけ時間が経った。経ったのだと思う。ぼくらは絶句のまま一歩後ずさりしつつも彼を凝視し、彼の血走った目は虚空を見つめていた。おそらく彼はそのままの姿勢でその後の嘔吐感が過ぎ去るのを待っていたのであろう。
と、次の瞬間、なんと彼は意を決したように口の中の吐瀉物をゴクンと飲んでしまったのである(!)。
「う・・・」
「むおう・・・」
「うぬう・・・」
ぼくらは声に出せない声で唖然とした。あろうことか自分の吐瀉物を飲み込むなんて。その後のぼくらの感情についてはあえて書く必要なしと思量するのである。
* ほどなく電車は朝霞駅に着き、ぼくらは目を点にしたままそそくさとその車両をあとにした。ふと気になって振り返ってみると、やはり彼はそのままその席に座っていた。すぐに電車は発車してしまい、やがて彼の姿も見えなくなった。
その後ぼくらはしばらくホ−ムに立ちすくんでいたのは言うまでもない。
それからしばらくの間、ぼくらの間ではゲロネタはご法度となった。当たり前といえば当たり前であるが、自分の極限まで気持ち悪くなって吐いたゲロを飲み込むなんて信じられないのである。
でもまあしかし、それでも彼の、車内を汚さずそれを飲み込むという強靱な意志があることは評価しよう。
う〜む、今回は久々だったせいか、結局何を言おうとしたのか訳わからくなってしまったぞ。許してくれい。
Published 2003.4.28
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