Special Paperbacked Essays, Vol.48

macspin2

 

梅こそがすべて

- All you need is Plum -

 

 前回は、体の不調を薬でカバーしてますます体がボロボロになったゾ、みたいなお話であったが、今回はその後なぜぼくが薬を服用しなくなったかについてのお話である。

 前回の話を読んでいただければわかるのであるが、とにかく当時のぼくといったら、

「むっ、胃が痛いな。よし、サクロンを飲まなくてはっ」

「うっ、なんだか頭が痛いぞ。よおし、ここはバファリンで押さえ込むしかないっ」

「うおおっ、下痢してしまった。よおおし、もうビオフェルミンSで止めるのだっ」

 などと、ちょっと胃が痛いとくれば胃薬を、頭が痛ければ頭痛薬を、下痢をすれば整腸剤と下痢止めを、目が乾いた時にゃ目薬をと、とにかくさまざまな症状に応じて薬を使い分けていたのである。

 ところが人間とは不思議なもので、そうこうしているうちに体調が悪いから薬を持ち歩くのか、薬を持ち歩くから体調が悪くなるのか訳がわからなくなり、しまいには常に薬を所持していなくては気持ち的にいても立ってもいられなくなってきて、とうとうぼくのバッグの中には、体の突発的な変調に対応できるように常に余裕を持った数の薬が入っているようになっていたのである。まさにドラッグ浸け人間だったというわけである。

 ところが、ある時期を境にぼくはほとんどの薬を必要としなくなった。薬を必要としなくなったということは、つまり体調の不調が起きなくなったということである。

 一体なぜ薬を必要としない身体に変身したのか? 実はそれは昔から我が国に伝わる伝統の飲み物、「梅酒」を飲み続けることにあったのである。

 というわけで、今回のお話は「梅」。要するに、梅を食べ続ければ健康が保てるというお話である(結論)。

*

 梅という食べ物は昔から、

「医者を殺すにゃ刃物は要らぬ、一日三食梅を食え(=一日三食ごとに梅を食べれば健康が保てるため、医者は廃業せざるを得ないのヨンという意)

 ということわざがあるほど身体にいいものとされてきたのはご承知だと思うが、主な栄養成分はクエン酸だということなので、ビタミンCが豊富ということになる。だが、一方で梅は生のままでは食えない。青梅には生食すると食中毒を起こす成分が含まれているからだそうだ(驚)。

 このため、その成分を中和・精製して食すしかないのだが、現在その方法としてポピュラーなのが、シソと塩をまぶして漬け込んだ「梅干し」と、焼酎に青梅と氷砂糖とを一緒に漬け込んだ「梅酒」である。両者ともシソもしくは塩、アルコール分がその成分を中和させると思われる。ちなみに「少年」は、梅干しの場合は「紀州のデカ梅」と呼ばれるでかくて肉厚の梅干しを愛食している(高いのでなかなか買えないが)。

 しかしながら梅干しは塩分を多量に含み、独特の酸っぱさなどから外人さん達からは納豆に注ぐミステリアスな食べ物と評されている。日本人の中にも梅干しを敬遠する人達も少なくないと聞く。

 そこでお手軽なのが梅酒である。

 市販されているものでもいいし、家でも簡単に作れる。もっとも、家で作った場合は、飲めるようになるまでには最低でも6か月はかかるし、2〜3年漬け込んだものが色・味・香りともよい。ぼくの場合は自家製のものであるが、もともとはぼくのおばあちゃんが胃弱な体質には梅がいいということを聞いて、朝晩飲み続けたことで胃がよくなったので、孫のぼくにも勧めたというわけなのである。

 さて、肝心の飲み方であるが、ぼくの経験談を紹介させていただくと、最初の頃は朝食のコーヒーの中にスプーン大サジ一杯ほど入れて飲んでいた。これはまるで紅茶の中にウイスキーを入れるような感覚であるが、梅酒自体には適量の糖分が入っているので、甘さもカバーできるし、香りもよい。

 次にはじめた飲み方は、焼酎のお湯割りにやはりスプーン大サジ一杯の梅酒を入れて飲む。最近出回っている「梅酒割り」のハシリといえよう。これがなかなか美味であるが、甘い口当たりなので調子に乗って飲み過ぎる恐れが多々ある。

 まあ、要するにどういった飲み方でもいいからまずは一日にスプーン大サジ一杯程度の梅酒を飲み続けることが肝要なのである。飲み続けていれば自然と、そう、だいたい6か月程度で効果というか変化が現われてくるはず。

 実はぼくの場合も飲み初めて6か月あたりから体調がよくなりはじめ、1年経ったころにはもはや薬を飲むことはまれになったのである。恐るべし梅、である。

*

 ここで作り方をお教えしておこう。

 用意するものは青梅、焼酎、氷砂糖、広い口のつけビン。

 青梅は時期があって、たいだい5〜6月頃だろうか、大きな酒屋やスーパーにいけば広い口のつけビンとともに店頭に並んでいる。ぼく的には粒の大きい青梅を選ぶとよいと思う。

 焼酎は好みにもよるが、ぼくは35度のものを選ぶ。アルコールの強くない人や子供に飲まそうとする場合は25度や20度の焼酎でもよいが、その場合は浸ける期間を長めに(8か月くらい)とったほうがよいだろう。また、いわゆる各種果実酒用の「ホワイトリカー」と呼ばれるものでもОK。

 氷砂糖はお好みでよい。目安としては焼酎1.8リットルに対し、青梅と氷砂糖がそれぞれ1キログラムずつ程度がよいだろう。ただし、あまり入れ過ぎると甘いし、何よりカロリーが高くなり、かえって健康に影響を及ぼすこともあり得るので、あくまで飲み易さを前提に考えたほうがよいだろう。ちなみにぼくは甘いものが得意ではないので焼酎1.8リットルに対し、氷砂糖はごくわずかである。

 さて、材料が揃ったら、青梅に爪楊枝などで1個につき3箇所くらいぷすぷすと穴を開けておく。青梅は触るとかぶれやすいので皮膚の弱い人は手袋を。そして広い口のつけビンに穴を開けた青梅、氷砂糖の順に入れ、ドボドボと焼酎を注ぐ。あとはしっかりとフタをして冷暗所に放置する。作り方はこれだけである。実に簡単である。

 これで健康体になれるのであるから、先人達はなんとも素晴らしい功績を残してくれたものだなあとしみじみ思うことウケアイなのである。

*

 ところで最後にこんなことを書くのも変だが、どんな健康な人間でも時として体にさまざまな不快な症状が現れるものであるが、ぼくはそのような根源は「胃」にあると思っている。

 胃がすこぶる健康であるならば食事も満足に摂れるわけだし、他の症状が出たとしても多少は我慢できるか、あるいは他の症状がさほど不快に感じられないのではないかと思っているのである。

 逆に言えば胃が悪いからこそ他の部分もどんどん悪くなっていくのであり、胃が良ければすべて良し、てな具合だと思うのである。

 事実、ぼくは前述のように梅干しや梅酒によって胃が丈夫になり、ゆえに食事が美味しくなり、ゆえに太ったのであるが(笑)、それに加えてタバコをやめたせいでほとんど病気をしない身体になった(二日酔い、虫歯などは除く(笑))。

 もし自分はどうも風邪をよくひくとか、いつもどことなく身体のどこかがおかしいとか、さまざまな環境の変化ですぐに体調を崩す、などといった症状がある方は是非とも梅干しや梅酒を試してもらいたい。そうしたら必ずや1年のうちに胃が丈夫になり、ひいては身体が丈夫になること間違いなし、なのである。

 う〜む、今回は珍しくタメになるお話であったなあ。

 

 

Published 2001.11.25

  

 

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