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「男子部」 長谷川 英郎 冬になると男子部は、 上半身は、 はだかでマラソンをする。 勇ましい。 ぼくは、 早く男子部へ入りたくてたまらない。 一つは、 サッカー部に入って、 ゴールキーパーのうでをみがくこと。 木下君などといっしょになれることだ。 ぼくは、 まだよくわからないけれど、 木下君などの話では、 男子部はきびしくて、 楽しい、 ということだ。 ほんとうの楽しさは、 苦労しなければ味わえないと、 お父さんがいうけれど、 それだなと思った。 入ったばかりでは、 どんなにつらくて、 苦しいことがあるかわからないだろうけれど、 それを乗りこえて、 一生けん命生活しようと思っている。 サッカー部の人などから 『おまえ、 このごろ活躍してるそうじゃないか! おまえ、 男子部へ来て、 キーパーやるのか』 などときかれる。 ぼくは、 もちろん 「はい」 と答える。 『よし、 えーと、 おまえは長谷川だな、 よし、 よくおぼえておくぞ』 といわれる。 そのとき、 早く男子部にいけないかなと思う。 入学するのが楽しみだ。 でも口さきだけで男子部へ行きたいと言っても、 ぼくを入れてくださるかどうかはわからない。 心がまえもいるし、 勉強の力もなくてはならない。 でも今のぼくは、 心もゆるいし勉強も熱心ではない。 男子部へ行ったものは、 みんな成績のいいものばかりだった、 といわれるようになりたい。 今年の六年男子は、 ほとんどの人が男子部に行くと思うけれど、 みんなぼくと同じような気持ちだと思う。 どんな苦しいことにも耐えてがんばりたいと思う。 またぼくを男子部へ来いといってくださるせんぱいや先生、 お父さん、 お母さんの期待にそいたいと思っている。 (昭和43年10月26日、 初等部文集 「育ちつゝ」 より) ぼくは、 男子部入学の試験に受かって、 入れることになり、 とてもとても喜んでいる。 そして、 本当によい男子部の生徒になろうと思っている。 (昭和44年2月24日の追伸より) |