パーキンソン病ではどんな場合に手術が有効なのか?


私は手術に向いている?

詳細は 〜パーキンソン病患者さんのための手術適応フローチャート〜 をご参照下さい。

 一昔前、「手術は薬が効かなくなったときの最後の手段」と考えられていました。これはある意味正しくもあり、間違いでもあります。

 1990年代は現在の手術療法(淡蒼球凝固術、視床下核刺激療法など)に関する知見が十分でなく、手術された患者さんの中には、効果が期待できない患者さんもいらっしゃいました。

 また、手術施設が限られその手術成績が正しく公表されなかったために、神経内科医による外科治療に対する不信感が拭えませんでした。

 日本では2000年に保険収載され、現在では海外の大型臨床研究の結果や、国内でも積極的な臨床研究が重ねられた結果、パーキンソン病に対する手術適応はほぼ確立しています。

 パーキンソン病に手術が有効と考えられるケース(手術適応)は以下の通りです。

 1)薬物治療に伴う運動症状の日内変動(抗パ薬に対する反応性)

 発病そして薬物治療開始から5年以上経過すると、薬効時間が短くなり、1日3回の服用では薬の切れる時間帯(オフ期)が生じてきます。また、人によっては薬効発現時(オン期)に、体幹の揺れや手足のソワソワ・クネクネした奇妙な動き(薬剤性ジスキネジア)が生じるようになります。

 手術はL-ドーパによる薬効がはっきりしていることを前提に行います。したがってL-ドーパを服用していながら、その効果がよくわからない患者さんは手術の対象にはなりません。
 「いい日もあれば悪い日もある。」ではダメなのです。「必ず薬の服用時間に一致していい時間と悪い時間を繰り返す(日内変動)」が判断の決め手になります。
 手術は「薬による治療が限界に来た時(進行しきってL-ドーパが効かなくなった時)にするもの」ではなく、「薬効発現時間のコントロールに限界が来た時、オン期が短くてどうしてもオフ期が来てしまって困る時」に行なわれます。

 L-ドーパが無効で手術効果が期待できない場合、手術はかえって危険なだけなのでお勧めできません。

 2)薬剤抵抗性のふるえ(振戦)

 振戦の中にはL-ドーパの効かないふるえがありますが、そのようなふるえでも多くは視床刺激療法または視床下核刺激療法で治療可能です。この場合は1)の原則は適応しません。

 3)副作用で薬剤を増量できない場合

 副作用が先に出てしまうために治療に必要な量まで増やすことができない場合です。具体的にはオフ期をなくすために薬を増やしたいのに、「ジスキネジアが出やすくなる」「幻覚が激しくなる」「眠くなり何もできない」などのために増やせない場合です。薬剤性の幻覚が強く社会生活が困難な場合、薬剤減量を目的に手術を行うこともあります。

 4)片側にしか症状がない、または症状の左右差が極端に強い場合

 症状に左右差が激しい場合、より悪い方の半身のために、薬剤を服用することになります。しかし軽い方の半身にとっては、過剰な服薬ということになります。片方の手術だけで悪い方の半身の症状が完全に改善できれば、適正な薬物量での治療が可能になります。
 また、薬では左右別々に治療できませんが、両側に植込んだ脳深部刺激装置であれは症状に応じて左右別々に調節ができるのです。

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