綾の森の巨樹

宮崎県綾町には、「綾の照葉樹林」と呼ばれる常緑広葉樹の森があります。 樹林に入ると夏でも薄暗い感があり、北国の落葉広葉樹林とは明らかに趣を異にしています。 昔、人々がそのような薄暗い森から抜け出し、森の縁に添って居住して築き上げたのが「照葉樹林文化」といわれます。
特に、宮崎の森では温暖な気候が落葉・落枝の腐敗・分解を早め、地形も急峻なために、落ち葉が積もってスポンジの絨毯を敷き詰めたような北国の森の雰囲気はありません。
照葉樹林を代表するのは、シイやカシ、タブノキなど葉が厚く、光沢を持った樹木たちです。 綾の森は、昭和初期までにその大半が伐採されました。 現在見ることができるのは、その後萌芽などによって生長した「半自然林」です。
それでも、この樹林にはいくつかの巨樹・巨木を見つけることができます。 |
- 樹種:ブナ科イチイガシ
- 所在:宮崎県綾町川中
- 幹周:490cm 樹高:39m
- 撮影:2004.7.18
樹林の中には、かつて木材搬出に活躍した軌道敷が残っています。 幅員が3mはあり、九州自然歩道に指定されていますが、ここから先は決壊などで通ることはできません。
この付近には、幹周4m前後のイチイガシの巨木が林立していますが、自然歩道の脇に陣取るこの樹が最も大きいと見られます。 どうして伐採を免れたものか、今となっては知る由もありませんが、おそらく当時は木材としての価値が低いと見られたため生き残ったものでしょう。 |
  |
- (左) 樹種:ブナ科スダジイ
- 所在:宮崎県綾町川中
- 幹周:370cm 樹高:16m
- 撮影:2004.7.18
- (右) 樹種:クスノキ科タブノキ
- 所在:宮崎県綾町川中
- 幹周:520cm 樹高:18m
- 撮影:2004.7.18
およそ100メートル四方の範囲に、このような巨木を見ることができます。 スダジイは、イチイガシから50m手前の歩道直下に、タブノキはその山手約30mにあります。
今後の探検が楽しみな照葉樹林です。 |
  |

 |