03/27(火)扉15

 

226 名前: 養蜂業(岩手県)[] 投稿日:2007/03/27(火) 01:55:14.08 ID:sxN1GDoH0

女「あー」

扉「…」

女「誰もいないとだめだなー」

扉「…」

女「ないもしたくなーい」

扉「…」

女「私ってこんなズボラだったけっかー」

扉「…」

 

227 名前: 養蜂業(岩手県)[] 投稿日:2007/03/27(火) 01:58:13.04 ID:sxN1GDoH0

女「クー…」

扉「…」

女「…ぅん」

扉「…」

女「んんー ふぁあ」

扉「…」

女「寝ちゃったのか」

扉「…」

女「…もう暗くなってる」

扉「…」

 

228 名前: 養蜂業(岩手県)[] 投稿日:2007/03/27(火) 02:03:20.91 ID:sxN1GDoH0

主人「鍵です」

  男「どうも」

主人「なくさないようにお願いしますね」

  男「あ、はい」

 

229 名前: 養蜂業(岩手県)[] 投稿日:2007/03/27(火) 02:06:19.09 ID:sxN1GDoH0

女「ふう」

扉「…」

女「ごちそうさまでした」

扉「…」

女「…さて」

扉「…」

女「かたづけましょうか」

扉「…」

 

230 名前: 養蜂業(岩手県)[sage] 投稿日:2007/03/27(火) 02:17:34.84 ID:sxN1GDoH0

男「…」

男「んああ!」

男「あわねーな、この枕」

 

231 名前: 養蜂業(岩手県)[sage] 投稿日:2007/03/27(火) 02:18:16.97 ID:sxN1GDoH0

女「スヤスヤ」

扉「…」

 

232 名前: 養蜂業(岩手県)[sage] 投稿日:2007/03/27(火) 02:32:00.88 ID:sxN1GDoH0

女「スー…」

扉「…」

女「…」

扉「…」

女「…起きるか」

扉「…」

女「顔あらお」

扉「…」

女「んっ!」

扉「…」

女「あぁー、目がさめた」

扉「…」

女「…十時からって言ってたな」

扉「…」

 

233 名前: 養蜂業(岩手県)[sage] 投稿日:2007/03/27(火) 02:38:47.88 ID:sxN1GDoH0

  男「鍵です ありがとうございました」

主人「はい、どうも」

  男「あの」

主人「はい?」

  男「この店ってどこにあるか分かりますか」

主人「んー ずいぶんと汚い地図ですなー」

  男「ぜんぜん分からなくってw」

主人「あー、はいはい いまちょっと地図かきますから」

  男「あ、ありがとうございます」

主人「いえいえ」

 

235 名前: 養蜂業(岩手県)[sage] 投稿日:2007/03/27(火) 02:45:43.89 ID:sxN1GDoH0

女「…」

扉「…」

女「あー」

扉「…」

女「はやく帰ってこないかなー」

扉「…」

 

237 名前: 養蜂業(岩手県)[sage] 投稿日:2007/03/27(火) 02:55:44.10 ID:sxN1GDoH0

男「ここか」

男「…失礼しまーす」

友「お」

男「あ」

友「うわー、"まやかし"じゃん!"まやかし"」

男「ひさしぶりー てか、やめろよその言いかたw」

 

239 名前: 養蜂業(岩手県)[sage] 投稿日:2007/03/27(火) 03:06:37.63 ID:sxN1GDoH0

男「おめーは今なにしてんのよ」

後「あ、いまは法職の勉強してます」

男「頑張ってんなー」

後「ええ でも、法律の方はけっこう大丈夫なんですけど、神学が」

男「それはきっついなw」

後「聖書がイヤで学校とびだしたのに、結局は読むはめになっちゃって」

男「まあ、信仰なんて外からみりゃ分かんないから、暗記科目だと思って」

後「まぁ、そうですね… あ、話変わりますけど」

男「ん?」

後「先輩っていま扉のとこいるんですよね」

男「ああ、うん」

後「扉の番ってどんな人ですか」

男「その質問今日二回目w」

後「あ、すいません」

男「いやいや ふつうの女の人だよ」

後「ふつう?」

男「まぁ、年とらないとか死なないとかはホントだけど」

後「ホントだったんすか!」

 

240 名前: 養蜂業(岩手県)[sage] 投稿日:2007/03/27(火) 03:15:26.01 ID:sxN1GDoH0

男「お前か手紙書いたの」

友「まあ、同窓会長の仕事ってやつよ」

男「全部で何枚?」

友「九十七」

男「九十七!」

友「まじ死ねた」

男「そりゃあ」

友「お前とか一番最後に書いたんだけど、もう手が震えて震えて」

男「これか」

友「そうそう おれの努力の結晶」

男「いくらなんでも汚すぎだろ」

友「しゃーねーだろ」

 

241 名前: 養蜂業(岩手県)[sage] 投稿日:2007/03/27(火) 03:30:41.76 ID:sxN1GDoH0

友「そういや、先輩きてる?」

男「おまえ、先輩にも出したのか」

友「一応な」

男「先輩かあ、なつかしいなあ」

友「青春だったな」

男「ほんと 今なにしてんだろ」

友「なんか、反教会および反体制運動のサークルつくって活動してるみたいよ」

男「…やっぱすげーな」

友「まあ、ここの全員、みんなあの人の影響うけてるもんな」

男「来るかなあ」

友「来ないかもな」

男「だな」

 

242 名前: 養蜂業(岩手県)[sage] 投稿日:2007/03/27(火) 03:49:48.57 ID:sxN1GDoH0

女「…」

扉「…」

女「…あかいなー空」

扉「…」

女「…」

扉「…」

 

244 名前: 養蜂業(岩手県)[sage] 投稿日:2007/03/27(火) 04:14:28.18 ID:sxN1GDoH0

   男「まぁ、ほんと、謎だらけ」

同窓生「へぇー」

   男「いま何時だ」

  後輩「七時半ですね」

   男「あと一時間半か」

同窓生「"まやかし"は二次会でんの?」

   男「んー、どうしよ」

   友「出たらいいじゃん どうせ帰るのはあしただし」

   男「そうだなあ、出るか」

   友「先輩、二次会にはくっかなー」

   男「どうだろ 来ねえんじゃねえか、もう」

   友「かなー」

   男「だろ」

 

262 名前: 養蜂業(岩手県) Mail: 投稿日: 2007/03/27(火) 14:40:22.63 ID: sxN1GDoH0

男「…」

男「…ふぅ」

友「なに一人で飲んでんの」

男「なんかそういう気分」

友「二次会でろよ」

男「おう」

男「…」

男「…」

男「…」

男「…あ」

 

263 名前: 養蜂業(岩手県) Mail: 投稿日: 2007/03/27(火) 14:48:05.30 ID: sxN1GDoH0

先「久しぶり」

男「先輩… あの、いつ」

先「ついさっき すぐ帰るよ それより、隣いい?」

男「あ、はい どうぞ」

先「よっと」

男「ほんと、お久しぶりです」

先「かたくなんなって"まやかし"」

男「その呼び方ほんとやめてくださいよw それ広めたの先輩なんでしょ」

先「だぁーって格好よかったんだもの 『復活なんてまやかしだ!』」

男「やめてくださいよw」

先「全校礼拝のあの空気のなかであんなこと叫ぶなんて、ただもんじゃないなって思ったよ」

男「むかしのはなしですよ」

先「ね、でも懐かしいな」

男「ですね」

 

267 名前: 養蜂業(岩手県) Mail: 投稿日: 2007/03/27(火) 14:54:59.04 ID: sxN1GDoH0

先「あれだっけ、ルカのとこだったよね 『青年よ。あなたに言う、起きなさい』 これで死人がよみがえっちゃうんだ門ねえ」

男「ほんと反則だって思いましたよ」

先「ないよね」

男「ええ」

先「やっぱ今でも?」

男「はい?」

先「まやかし」

男「あー、でも」

先「ん?」

男「いまオレ、扉んとこいるんですよ」

先「へえ!ほんとに」

男「ええ で、そこの番の人は、ほんとふつーの人なんですけど、不老不死なんですよ なんかそれ見てたら」

先「まやかしじゃないかもって?」

男「死なないのがありなら、よみがえんのありかなー、なんて」

先「そっかー」

男「はい」

 

272 名前: 養蜂業(岩手県) Mail: 投稿日: 2007/03/27(火) 15:08:47.52 ID: sxN1GDoH0

先「学院やめたあとなにしてたの?」

男「んー、ふつうに実家手伝ったり、近所の店手伝ったり、家庭教師したり 先輩は?」

先「あたし? あたしは、勉強してた、かな」

男「へえ」

先「やっぱ、「神はいない」って思っただけで放校になるなんて納得いかなかったからさ」

男「ええ」

先「いろいろ歩き回って、異端だとか言われてる人の話とか聞いてまわってたのよ」

男「はあ」

先「んで、なんか言説が異端だたらって破門になった元神父さんの開いてる学校に入って、勉強してたの」

男「へえー」

 

273 : 養蜂業(岩手県) :2007/03/27(火) 15:34:07.61 ID:sxN1GDoH0

先「ほんと、その人がすごい人でさ なんか、見えすぎてるっていうか」

男「見えすぎてる?」

先「うん あんまり見えすぎて、本当のことズバズバ言い過ぎたから、教会に危険視されたんだと思う」

男「なんか…」

先「ほんと、すごい人だった もう死んじゃったけどね」

男「そうなんですか」

先「うん その人いわくね、神っていうのは、人間にとっては、なにものでもないんだって」

男「は?」

先「神っていうのは、教会でいわれてるように、言葉とか理性とかいった人間の能力っていうか、とにかくそういったものではとても理解とか定義できるものじゃなくって、

もっとなんか、存在とか、無限とか、善とかいう、神の性質とされている概念をはるかに越えてるんだって。

だから、人間が『神は○○なり』というのは不可能で、ただ『神は○○でない』と言うことを通じてのみ、神は理解できるんだって。

…分かった?」

男「さあ…」

 

274 : 養蜂業(岩手県) :2007/03/27(火) 15:47:48.35 ID:sxN1GDoH0

女「なんか、言ってたら自分でもよく分かんなくなってきたw」

男「ですよね」

女「まあいいや で、神はそういう人間の概念とかを全部超越しちゃってるけど、そういう人間に理解できない部分っていうのは神の本質・根本であって、その上に、あたしらが理解できるような、無限とか、無とか、善とか悪とかがのっかってるんだって。

で、人間はそういう、自分達にでも理解できる本質でない部分、それも自分にとって都合のいい部分だけを神と呼んでいるのね。その都合のいい部分って言うのは、教会でよく言われてるような存在とか、無限とか、善とか愛とかなんだけど。

で、それも確かに本当なんだけど、その一方で、教会が非難するような神のヴィジョン、つまり、神を無だとか悪だとかも、真実なんだって。」

男「はあ」

女「だからその人、よくあたしに言ってた 『神がいるというとこを信じるものだけが信徒なのではない 神がいないということを信じるものも、また信徒なのだ』って」

男「…」