205-8A使用のTQWTの製作
205-8A使用のTQWTの製作


FE83使用のTQWTは、我が家ではジャズ・ポピュラー・ボーカルものなどタンノイの苦手分野を 一手に引き受けて、大活躍をしております。
8cmとは思えない低音。そしてコンパクトで高さがあり(やや不安定ですが・・)癖が少なくとても良いものを 製作できて満足です。(そして安い!)加工も難しくなく、強度もあります。お勧めのスピーカーです。
でも、人間の欲求とは至る所を知らないモノです。以前、岡谷で聴いたアルテックの音が思い出されるのです。
「もっとカラッとしたアメリカ西海岸(?)の音でナット・キン・コールを聴きたい。!!」
そうです、思いこんじゃうと進んじゃうんです。
いてもたってもいられない・・アルテックといえばウエスタンの系統だから、きっといい音が鳴るに違いない。
そうだ、故 三浦軍志氏(以下 三浦さん)の「ラジオ技術10cmユニットを使用したTQWT」があるはずだ。
捜すこと30分。ありました。1990年2月号のMJ。三浦さんらしい、魅力的な語り口の文ですが、その中に
アルテックも出てくるではありませんか。
なになに・・・405-8Hを三浦さん製作のTQWT箱に入れたら、凄い鳴りっぷりだとか。
設計方法もあったのですが、この三浦さんのTQWTを製作することにしました。
これで、アメリカ西海岸だ!
ところが・・・予算の関係から約1/2〜1/3の205-8Aと相成りました。
まあ、どっちも天井スピーカーですからいいんです。そして、405−8Hよりこっちの方が鳴りっぷりが良いという 都合の良い情報もGETできましたので。
でも、なんです。
405−8Hでしたら、そのまま取り付けることができそうなのですが、205-8Aは見るからに「バッフル板の裏から取り付けてくれ」 という形状です。天井スピーカーですから、通常板の裏から取り付けますよね。
早速到着したブツを見ても、バッフル板の裏側から取り付ける方がいいような気がしてくる。
様々なホームページを見てみても、どうも表からも裏からも取り付けはどちらもあるようです。

参考になりそうなホームページですが・・
http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/205-8a.htm
http://www.otono-edison.com/orijinaru/speaker/205.htm
http://www.fm-tone.net/takeshi/jeinus.html
およそのスペックは下記の通りです。
エレクトロ・ボイス 205-8A 4インチフルレンジスピーカー(天井取り付け用)
鉄板フレーム
・感度 91dB/W/m ・最大SPL 101dB/10W/m
・再生帯域 90Hz-18kHz ・インピーダンス 8Ω
価格(2000年当時2900円 今は3500円位かな?)
参考までに・・2000年当時の405-8Hは7900円でした。

寸法が分からないので実測してみました。
ようでもないコルゲーションの所まで実測してしまいました。
A4で印刷すると実物大です。実物と合わせてみましたがピッタリです。
それでも・・誤差は多少あると思いますので参考程度に・・。
突然ですが・・、できてしまいました。
梅雨入り前に、塗装を完成させようと思っていたのですがとりあえず音が出る 状態にはなりました。
後は、サランネットを付け吸音材の調整です。
今回は、ツキ板を木口、木端に使いました。ツキ板の材質は栓です。 板自体がベイ松合板ですので、ちょっと木口、木端だけちょっと雰囲気が違いますがまあよしと しましょう。
それと、アルテック(エレボイ)を内側から入れなかったのは、寸法が合わなかったから・・。
これまた、素人工作というものです(--;)
できあがったら、一刻も早く鳴らしたいのが人情。
早速鳴らします。
吸音材はとりあえず入れていないのですが、洞穴のような音ではないです。吸音材もなしか少量で 済みそうです。
最初は、高音がキツくて「うるさい!」という状態でした。
CDを5枚ほどかけまくると、だんだんと落ち着いてきたみたいです。女性ボーカルがいい感じ。
細かいニュアンスが分かり、パワー感も上々。広がり感もOK。なかなかいいユニットです。
それに無個性というより、独特の個性がありますね。でも、ちょっと低音が弱いかな?
試聴1日目はこんな感じです。2003.06.09


設計図の紹介をします。
VIC'sさんのホームページ TQWT製作のページにあります。これをそのままデットコピーしました。 VIC'sさんのホームページは解説が丁寧。細かな技やヒントがたくさんでとても参考になります。
私も、VIC'sさんのホームページで塗装の行い方や塗装後のハケの処理など合理的な方法を身につけることが できました。

試聴2日目です。
FMのニュースなどを聞いていると、やや”こもる””エコーがかかる”感じを受けます。これがTQWTで 忌み嫌われる「洞窟」の音です。
これをなんとかしようと吸音材を入れると、一気に音に生気がなくなります。
周波数特性的にはフラットに近づくのでしょうが、一言で言うと”面白くない音”になります。
私も吸音材を入れてみましたが、面白くない音に転落。でも、低音は出るようになるんです。吸音材が高音を マスクしたのでしょうか?
周波数特性は前よりまともかもしれませんが、でも音楽が楽しくないです。コチコチの優等生の音になっちゃうんです。
バクーンプロダクツの永井さんも、故三浦軍司さんもTQWTは吸音材は少なめに、できれば入れないように・・と 仰っておりました。
私も諸先輩を見習い、吸音材を徐々に抜き「洞窟」と「生気」のバランスを保つようにしています。

さてさて、試聴です。
ジャズを聴きました。前に流行ったルパンthe3rdのジャズCDです。
水を得た魚!さすがアルテックの血統です。”なんでこんなに鳴るんだろう”という位鳴る。
聴いていて、面白い!!!体が自然に揺れてきます。
ちょっとパワーを入れると、10cm程度のスピーカーが鳴っているとはとても思えません。
音としては、上品というより薄汚れている、穏やかと言うより元気、高原の空気というよりケムい部屋の中。
とても雰囲気がある、悪く言えば癖のあるスピーカーです。これが3000円台で買えるのだったら 安いなあ。秋葉原に行ったら、もう1ペア買っちゃおうかなぁ。
2日目で、ジャズがこれだけ鳴っちゃうと今後のエージングが期待しちゃいます。
でも・・良いところばかりではありません。今のところですが、いくつか・・。
低音は前作FE83EのTQWTに負けているようです。あちらは、ハッタリですが低音感がこれよりあります。 まあ、FE83用の専用箱ですから・・。
質の面ではもうひとつかなぁと思います。女性ボーカルの声の細かなところをもう少し描写して欲しい気がします。 あと一歩欲しい・・対策をしていけば、何とかなるかなぁ。2003.06.10